2018_GeoSciEdVIII Campinus&地質巡検記Part1 2018.10.09

国際地学教育学会2018と付帯した地質巡検に出かけました.すでにFBにも詳細を書いたのですが,写真によるその報告です.拡大写真は今しばらくお待ちください.

以下FBより,日記代わりの記述です.まずは往復の飛行機とか宿とか学会会場の紹介とか.

(7/26) 南半球シリーズと私が呼んでいるこのマイナーな学会の開催は4年ごとなのですが,カナダとドイツを除くとシドニー(2000年),南アフリ カ(2010年),インド(2014年)と南半球が多く,今回ブラジル(2018年)開催となりました.その特徴は一言でいうといいかげんな運営ぶりで す.たとえばシドニーでは開催のあとで送ると言われていたプロシーディングはとうとう送ってきませんでした.今回もだいぶ前に査読者からの指摘で英文を修 正されて直したアブストラクトも,その冊子はおろか,ネットにも上がっていない.さらにはプログラムはネット上にしかなく,しかもタイトルはあるが名前が ないとか,いつもはあったコーヒーブレイクの用意もなく,日本での学会の常識からいえばとんでもない運営です.来てからしばらく,やっぱり南半球シリーズ だと笑っていたのですが,毎日,宿と学会会場の大学を徒歩で往復するうち,考えが変わってきました.
ひょっとすると非常識なのは日本で,実は残りの世界はこれが標準なのではないかということです.別にアブストラクトがなくても講演を聴けば内容はわかるし,ネット上にある情 報だから印刷したプログラムもまあ必要ないともいえます.コーヒーや水は自分で買えばいいわけです.つまりよく言えば最低の運営はきちんとできているわけ です.翻って考えると,日本は何から何かまで運営側が用意して参加者の「おもてなし」をします.しかし考えるとその「おもてなし」は本当に必要なものなの か?そのひょっとすると必要ではない「おもてなし」のために,日本の労働環境は先進国最低の環境になっているのではないかということです.こちらでは治安 はまあ別にして,車道の横断歩道を渡ろうとするとほとんどの車は止まってゆずってくれます.道を聞いてもとにかく親切です.スーパーのレジで言葉がわから ず戸惑っていると必ず手助けしてくれる人がいます.本当の「おもてなし」の意味を考えているここ数日です.(なお過去のこの学会の様子はWebサイトにあ げているのでご笑覧ください)

(7/28) 長かったカンピーナス滞在も今日で終了なので,少し写真をアップロードしておきます.冬とはいえ,真昼は30℃近くまで気温が上昇.いつも 宿に休憩に帰るときには汗が出てしまいます.夜は15℃くらいまで冷え込むので,長袖でも寒いくらいです.大陸性の気候を実感できます.夜はJetRag で数時間おきに目が醒めてまた眠るという日々でした.1日だけ8時間ほど寝れましたがほかは6時間がせいぜいというところです.私はやはり東に行くとこれ がひどくなるようです.ちょうと12時間の時差なので,学会講演とか巡検バスの移動で眠ってしまうのは仕方がありません.昨夜は月食と聞いていたのです が,夜10時に気付いて外に出たときはすでに終わっていました.この1週間近く本当に晴天が続いています.写真はまた気が向いたら追加します.
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関空からLAまでは,AA航空の切符なのですが,JALの運航便なのでエコノミーとはいえとても豪華な食事.味噌汁までついています.あとでアイスも出ました.日本語が通じるのはありがたいのですが,半分は中国のCAの方でした.企業努力のおかげで(今まで毎日暇だったので),14万円代というは破格の安い切符をAAの米国のサイトで発見しました(Sky scannerよりはるかに安かった!).この時期,他の方は軒並み20万円を超えています.2003年にカナダに行く折りに,LAX着陸寸前に見事なサンアンドレアス断層が見れたのを思い出し,CAに不審がられるのもいとわずiPhone片手に際後部の窓に釘づけでしたが,どうもとんだコースの微妙な違いか,これぞ水平横ずれ断層という写真は取れなかったのが残念.まあこの写真のように片鱗は見せてくれていますが.
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これも中央右の淡色の露地がきれいに切れているのがわかります.右横ずれですから,断層の向こう側が右にずれていることになります.LAXからアメリカンエアに乗って,サンパウロまでまた果てしなく長い道のりが続きます.とりあえずハイネケンで調整.
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さてLAXで3時間の時間待ちで,次にGRU(サンパウロ国際空港)行きの便に乗りましたが,周囲はブラジルから米国に3週間!の修学旅行で来た高校生の帰国と一緒になりNoisyそのもの!画面はwifiでCNNのライブニュースを見ているところです.wifiが無料で使えると期待したのですが,このようにニュースTVを見る以外は有料とのことで残念.さて,肝心の食事はさすがにAA便でJALよりは落ちますが,昔SSHの付添で良く乗った某D便よりはましかと.南米行のAA便はアルコールが有料と聞いていたのですが,全然そんなことはなく,ビールと赤ワインを堪能しました..
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12時間近くかかって,ようやくサンパウロ空港に到着.ロビーの敷石の片麻岩の写真を撮っているのは私だけ.空港から学会が開かれる大学のあるカンピーナスまでは,このバスに乗ります.今回同行の旧知のF氏とタクシーの値段を聞きに行ったら,1万5千円とかで,当然36レアル(1000円強)のこちらにしました.
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高架鉄道もあるみたいですがどこに行くのかは知りません広い国なのにやたら高層アパートが目につきます(これあとで解ったのですが,高級住宅はみんな高層だそうです.なぜなら玄関でセキュリティが守られるからです.戸建ては治安が悪いので,お金持ちはあまり住まないそうです).それとこの写真にはありませんが,粗末なブロック建ての1戸建てみたいな集団もよく郊外に見られましたが,こちらは地震がないので,とても粗末なつくりでもし地震がくればひとたまりもないと思われました.動画の最後の方で紫いろの花が木に咲き始めているのが見えておそらく南半球特有のジャカランダだと思われるのですが.
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治安があまりよろしくないと聞いているカンピーナスのバスターミナル横のいかにもよろしくない風景.バスターミナルからホテルまではタクシーに乗りましたが,F氏の泊まる高級ホテルとは違い,自分の泊まる安宿はそのホテルから歩ける距離にあると聞いたので,重い荷物をかかえて歩いていると同じように宿を探す英国からの研究者と会い,地元に人にホテルを聞くのですが,これがなかなかわからず往生.犬を連れた地元の人がわざわざ自宅に犬を置きに帰って案内してくれているところです.「おもてなし」は日本の専有物ではありません.
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やっと宿に到着.どこにもホテルの看板が出ていない.もぐり営業なのかも知れないとあとでHさんと話した.しかしBooking.comには登録されていて評判は抜群にいい宿.部屋の外の共用のキッチンと冷蔵庫と食堂の写真部屋も広くて快適.ベッドが2つあるのですが,当然使うのは1つです.これで1泊5000円を切るのでまあ仕方ないか
シャワーをあびてゆっくりしたあと
大学に学会会場を探しに行ったのですが,資料も持たずに行ったのでどの建物かわからず,結局とぼとぼと宿に戻る羽目に.キャンパスのどこにも案内が出ていないのは南半球特有の現象か?
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仕方なくビールを買いに宿の若いオーナーに教えてもらったスーパーまで買い出し.その帰りに夕食のドミノピザを持ち帰ったときにはとっぷりと日が暮れて,一人歩きはやばいなと思いながら宿に帰りました.ピザ屋の若い店員の男女はどちらも英語が,全然わからなかったのが印象的.身振り手振りで注文しました.この国ではそれが普通です.とりあえず今宵はここまで.宿から学会会場までの歩道にあった敷石.鳥のデザインがなかなか優雅.フェルシックとマフィックの石の組み合わせ.そういえば宿のあるあたりはマフィックな貫入岩のドレライトだと地質図にあった(これ最終日に採集して帰ることになる).
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大学を探し歩いてやっと見つけた理学部棟.実はたまたま通りあわせて道を尋ねた大学の生物の先生にわざわざ車で送ってもらった.とても親切で感動した.
昼食に向かう道すがら,とても花がきれい(ブーゲンビリアの色の違い).
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大学の少しましな食堂の昼食.バッフェ料理で1500円ほどだったか.ビールも飲む.何か取り過ぎた感もあり.
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赤いラテライトと大学校舎.ドレライトが風化したものらしい.
宿で食べた朝食.朝食は付いていて,食堂でこのように適当にアレンジして食べる.
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まじめにセッションを聞く.ほかにポルトガル語のセッションが2部屋ある.これは英語セッションの部屋.
ブラジルレアルのお札.
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一応盛況なポスター会場.しかしここだけでポスターの枚数はそれほど多くありません.さらにポルトガル語のポスターも半分あってちんぷんかんぷん.手前は次の学会の場所として売り込みに来た島根県のスタッフ一同のブース.努力のかいあって,次回は日本の島根県開催に決まりました!おめでとう!
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夕刻,会場の外にあった車を改造したような何かのブース.石が展示したあった.地質調査所のものか.
特産の紫水晶が置いてあったが,仔細不明.
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ある日の朝食.島根県からのスタッフが結構泊まっていたので一緒に朝食.
今回はベーコンエッグを調理した.簡単な調理も台所でできる.
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宿の玄関.どこにもホテルの名前もない.電流の泥棒よけは南アフリカと同じ.
大学の建物の壁絵.
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冬の木々.しかし冬にしては昼間は暑い!歩きまわると汗が出て,宿に帰って休憩の前にシャワーを浴びる.
同宿のアルゼンチン人が飲んでいた飲み物.マテ茶というらしい.これを彼らはゆっくりと飲んでいた.
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近所のスーパーで買った夕食用のマンゴーとパンと塩漬けオリーブです.安いのですがマンゴーは繊維質が強くあまりおいしくなかった.やはりこれだけはタイの方がはるかにおいしい.塩漬けのオリーブを消費するために朝ごはんに付け合せ.しかし塩辛かった.宿に半分寄付した.
画像に含まれている可能性があるもの:2人、Yoshio Okamotoさんを含む、、スマイル、眼鏡、あごひげ、セルフィー、クローズアップimg_9383.jpg
ポスター会場の受付担当の兄ちゃん.院生かな.日本語を片言話して一番仲良くなりました.ある日の昼食は少し豪勢にホテルのような雰囲気の学食(レストラン).バッフェスタイルでほかにスープもある.これで36レアル(約1000円強)は安いかな.
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日本人A氏の発表.
手作り実験装置でバカ受け.
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一応まじめにポスター発表.この他にポスターセッションのコンビ−ナみたいな仕事もあてがわれて,5人の発表者の発表の取りまとめまでして,結構大変だった.
学会会場に当てられた建物.
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荷物を少なくしたので,途中で洗濯.宿のバケツを借りる.
乾いた冬の天気ですぐに乾く.これはもう午後遅くの風景.
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ややこしそうなカンピーナスの繁華街の路地を抜けて,
学会最終日は日本人参加者で打ち上げ夕食会.ブラジル人の友人がいるSさんがおすすめの特大のビールつぎ機.最大で3.5L入ります.食事もおいしく,値段もとてもリーズナブル.確かたらふく飲んで食って一人50レアルくらいだったか.
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何か食事を取り過ぎてお腹が一杯に.ビールも進む進む.
世話になった宿の若いご主人夫妻と.このあと部屋の鍵を返し忘れる.青くなって 空港行きのバスからメールすると,君にギフトだと言われるが,やはり返さなければとタイ行きの明くる日の関空の郵便局から書留で土産とともに送付.しかし 2週間後に連絡するも着いたという返事はない.どこに消えたのか,部屋の鍵?
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