何とか10時までには間にあう.板が高いので椅子を借りてみんな貼っている.場所を考
えながら試行錯誤だったので結構時間がかかった.貼り終わりを待つように,早くも韓国人でキール在
住の人やスイスの人など何人か興味を持ってみてくれているので,さっそくめがねを5枚ほどプレゼント.Wessel氏の講演はすでに始まっていたが,何と
か会場にもぐ
り込む.結構早口で聞き取りにくいが,しだいに何とかついていけるようになる.将来の開発の状況が面白い.GMT5ってなかなか良さそう.あと,ちょっと
コーヒーを飲んで休憩して,最後の自分のアブストを直してくれたLorenz氏の講演を聞く.長髪を後ろでくくったいかにもやり手という感じの人.結構
jokeを入れて笑いをとっている.キャンセルなどあったようで午前のセッションが結構早く終了したので,早速ポスターのところへ.もう何人か見てくれて
いる.説明している途中に長身の
Wessel氏の顔が見えた.「講演を終えて真っ先にこれを見ようと思っていた」と笑って答えてくれてとてもフレンドリーで嬉しい.会えて光栄だと挨拶し
て,
色々と話す.途中で入れ替わり立ち代りいろんな国の人が見てくれるので,メガネを渡したついでに,その女性にWessel氏とのツーショットを撮ってもら
う.
あなたが来るのを知っていたから,ハワイ島の地図をあわてて作ったのだと言ったら喜んでくれた.本当にフレンドリーな人で私のまずい英語にいちいちうなづ
いてくれ
て,こちらは初めてスターに会えたFan状態.そこにセッションの座長のLorenz氏も来てくれて,彼にも礼を言う.いやこの2人が早速見に来てくれた
ので,今回の物入りの旅行も来た甲斐があったというもの.2人にメガネと名刺を差し上げる.Wessel氏は結構長いこと熱心に見てくれて,最後に
Hungyと言って昼食の包みを持って帰る.再び握手をして別れる.それからは入れ替わり立ち代り人が訪れて,とても連合大会の比ではなかった.インタレ
スティングと言ってくれた人にはメガネを差し上げる.特にロシア人が熱心で,1人の親父さんみたいな人が根掘り葉掘り聞くのだが,何せこの人も英語が頼り
ないので頼りない同士でなかなか会話にならない.あと結構ロシア近隣が多い.ウズベクスタンとキルギスタンなど,あとアイスランドの人,UKの人とも名刺
を交換.さすがにIGCでコミュニケーションも十分国際的になった.あと九州大学の院生2人とは日本語で話せたので助かる.ロシア人の人は英語がやはり
ネックなのかあまり質問しない人が多い.
午後2時半にスタッフに,郵便局の場所を聞いて一旦会場を出る.駅の反対側を探してやっと郵便局を探す.日本までの5-10kgの配送コストを聞くとこ
れが500NOKほどす
る.小さなものは箱ではなくて,封筒のでかいのに入れても300NOKかかると.おまけにあと20分の3時で閉まるという.もうこれで荷物を送ることは
すっ
かりあきらめができた.とって返すときに,会場の外で見慣れたインドのS氏に会う.向こうも気づいて握手.13日の発表とのことで,またどこかで再開を約
す.一旦会場に戻りポスターをひとまわり
して,5時には会場をでるつもり.まあWesselさんに会えたことで,高い航空券でノルウエイくんだりまで来た甲斐は何とか稼げたかという感じ.
5時を過ぎても,旧知の大阪市大にいたI氏など,結構ばらばらと訪問者があり,最後の英語のあまりうまくないロシア人の教授に粘られて5時半となる.本
当に今回はロシア人になぜか好かれる.あまり彼らの得意でない英語でまくし立てられるところを避けているのではないかと思う.トイレに行ったついでに,
GeoHazardの広い会場がまだやっているのに気づいて覗くが,数100人ははいる広い会場にわずか30数人くらいというさびしい状態.自分が見出し
てからも結構席を立つ人がいて最後は20数人?10分ほど聞いていたが,早々に帰る.やはり災害の少ない北欧ではNo
interestなのだろうか.ホームに上がるとオレンジの紐を掛けた集団が凄い人数.前にこの寒いのに半ズボンのおっさん.ホフマン御大に似ているよう
に
見えるが定かでない.先頭車両に乗ったので座れたが,立っている人もいる満員状態.狭い真ん中の席でこれをしたためる.すぐにトンネルに入った急行でよ
かった.ほどなくオスロ中央駅に到着.やはり直行は速い.
今日の3つの発見.列車でドアロックスという発音がドアノスキスみたいに聞こえる.TVのノルウエイ語のナレーションも何となく韓国語に似たイントネー
ションと発音.
そういえばオスロ観光では多数の韓国人観光客を見た.次に,オスロにつく頃には朝と同じ,すっかり晴れた空になる.昼ごろ急に曇って本降りになったのがう
そみたい.こちらの天気予報には晴れ時々雨があるのも驚く.
何とかとおり(カールヨハンス通り)を歩いて帰る.駅前で一人で演説するようにしゃべる男や,アル中のように道に座る若者の横を何も気づかないように人
々はとおりすぎる.国立
劇場前に近づいていつもいる銀色の服装と顔も同色に塗った男のパントマイム.なかなかどうにいっており.毎日見学者が絶えない.今日はフォルクローレのバ
ン
ドはいなかった.ちょっと残念.その代わり一人でサックスを吹く少女.どこをとっても絵になる町である.晴れているので見慣れた町並みを再度カメラにおさ
める.
夕食は,昼の学会サンドイッチの持ち帰りと,久々に焼きそばUFOとバナナとチップスターと3日前のチョコケーキという豪華版?朝バッフェの日は節約
モードで徹底.明日もたぶん朝はバッフェで,昼は巡検の弁当.それを持ち帰って夜は適当にというパターンになりそう.明日はビールが切れるのでそれのみ買
い足し.あさってはベルゲン急行なので,それに備えて少し早めに寝る.もう明日の化石巡検は何となくおまけという感じになりそう.
メールをチェックしようとして,今は無線LANが見つからないと出る.
★2008 08/10(日) |
オスロ7日目.予想外のGraptolitesの収穫に狂喜.現地駐在員の日
本人の方に興味深い
情報をいただく |
未明,隣の部屋なのかTVかなにかの低音のドラムの響きがずっと聞こえて何度か目が醒める.段々疲れてきたのか結局,6時半に起床.昨日疲れてシャワー
を浴びなかったので,今朝シャワーを使う.ついでにひげを剃る.フロントに朝食券をもらいに行くと渡しながらnineという.券に7:30からと書いてあ
るのでたぶん聞き間違いだろうと考え,出発の用意をしてザックをかついで店にいくと閉まっている.そうか今日は日曜日だったのだ.ドアにはたしかに
sundayのノルウエイ語と9:00と書いてある.フロントはこの事を言ってくれてたのだ.またまた失敗.部屋に戻ろうとすると反対に家に帰るフロント
の兄ちゃんに会って今日は日曜日なんだよねと笑う.良い旅をと言ってくれる.
しかたなく,部屋でお湯を沸かしてコーヒーを飲む.旅の教訓.コーヒーとカップ麺はかならずもって行くこと!
今朝も雲は重たいが,今のところ雨は落ちていない.路面は乾いたまま.気温もワイシャツで少し寒いくらい.一応外に巡検なのでセーターと上に羽織る雨具
兼ウインドブレーカーを入れる(これはあとで正解だったとわかる.オスロの雨の日は寒い).GPSはコンクリのホテルの部屋でもかろうじて電波を拾ってい
る.今日は集合が9:00にオスロタウンホールと書いたメー
ルが来た.昨夜あれっと思って調べると市庁舎はOsloCityHallになっている.心配になってフロントに尋ねに行くとキュートな黒人の娘がプロバブ
リ市庁舎だろうと言ってくれる.他にこの名前の場所は聞いたことがないとのことで,大丈夫だろうと高をくくる.8時20分に出ようと思う.
ということで,8時20分には出勤.途中劇場前のいつもの公衆電話で自宅に電話.変わりなしとのこと.名刺の犬の写真が受けていると告げる.市庁舎には
バス
と何人かいるので聞いてみるとSilverMineへの巡検らしい.なかなか目当ての化石の人がこないが,やがて某県庁のK氏がやってくる.どうも大き
な画板のようなバッグを抱えている人がリーダーみたい.他のバスがどんどん出発していくなか,しだいに人が集まるが,自分たちのバスが来ない.どうもリー
ダーのミスでバスが遅れてるみたい.そのとき声を掛けられた日本人の方と知り合いになる.日本の石油企業の現地駐在員の方でKさんという.結構年配の方み
たい.カフェの屋
根の下で待つ間,この方に北海油田やノルウエイのことを随分教わる.なかなか面白い話がきけた.北海油田は最初に開発する前にあらかじめ各国で領海を決め
て,探査を開始したとか(つまり民主主義のヨーロッパらしい話),油田はやはり北海が開いたときの一番深いところにあるので,その境界線にまたがってい
て,その開発の仕方はまた話がついているとか.最初はオランダ沖の天然ガスの調査あたりからこの油田の歴史は始まったらしい.1970年代のことだとい
う.最近は小さなものしかみつからず,やはりピークは過ぎている印象とか.あと英国人はノルウエイ人を野蛮人だと軽蔑しているが結構両国の仲はよい.とく
に第2次大戦中の英国の援助など.それで話しは「テレマークの要塞」の話になり,その重水生産からHydroという企業が立ち上がり,今はStatoil
と合併し
て,水関連(水力発電など)だけでなく,石油を含む総合産業になったという話など.話がたけなわになたころ,やっとバスが来て乗り込む.大きなバスなので
結構1人ずつ座るが,Kさ
んに敬意を表して最初は彼のとなりに座る.色々教わるうちに最初のポイントに到着.先ほどの話のHydroの本社がある社屋の敷地に入っていく.そこの
ビーチが日曜日
だけ一般開放されていて,そこを見学するとのこと.
ストップ1.アッパーカンブリアンのアルムシェールからミドルオルドビシアンのエルネス層までで泥岩(頁岩)と石灰岩が互層になっているところ.石灰岩
に
はいろんな化石が入っている.某県の方々はトリロバイトを探す.私は写真に収めるのみ.あとパーミアンのRP(ダイヤベースとの説もあったような)の岩脈
があり,上方が最終氷期の見事な氷河痕跡を残すのを写
真に撮
る.再び本社敷地を通ってバスへ.ここから大分走って次のストップへ.
ストップ2.カンブリアン−オロドビシアン境界.テキストによると,ノジュールの上の層の下面がコノドントなどの調べから境界と書いてある.頁岩には
Graptolitesがある
とのこと.みんなGraptolitesを探すが,私はさっきトリロバイトの小さな奴の集合を見つけたのでこれを探すのに精を出す.リーダーの1人
Davidにこれを見せて
聞くと,アッパーカンブリアンでどこで見つけたと聞く.さっきの道沿いというと納得していた.そこまで戻って再度挑戦.ちょっと大きめのものを見つける.
後でテキストを見てわかったのが,この場所はきちんとしたいわゆる紀の境界ということでこれは貴重なもの.化石を探すのに必死で忘れていた.反省.境界層
の上部にはパーミアン
のシルが乗る.
次にストップ3.プレカンの風化した花崗岩の上にミドルないしアッパーカンブリアンのアルコース&頁岩そして石灰岩が乗ると書いてある.シルによる接触
変
成は弱く,マグマの温度は300℃くらいだと私の接触変成に関する質問に対する説明を受ける.また黄鉄鉱の鉱染があり,昔の鉱山の廃坑あとがある.Kさん
によると,現在ノ
ルウエイの金属鉱山はほとんど閉山していて,日本と同じとのこと.もう石油が一大産業らしい.それでもガソリンの値段は1リットル240円くらいで法外な
税金が掛けられているとのこと.
ストップ4は今回のメインなのに,ここに来るときには雨が本降りになってきた.最初外の道路脇の切り割で弁当を広げたが,あわててバスに戻る.食事もほ
ど
ほどに外にでる.バ
スのところから少し道を上った両側が頁岩の分厚い層でここがGraptolitesの産地.雨のなかあたりの石を見て驚く.Graptolitesが本当
に一面にみつかる.これは凄い.前に教
材で買ったときはしょぼいもので6千円も取られたので,ここのは万円クラスの値打ちがあると触れて廻る.某県の人もKさんもそれで張り切った(かな?).
もう足元のよ
さそうなのを片っ端から採集袋に入れる.何か硬い褐色系の石でこげ茶色の星型の斑点が見えたのでリーダーに見せると下の層準の石膏の結晶だという.これは
捨てる.ちょっときれいな形だったが.
雨がかなり降っているがみんな必死でハンマーを叩いている.私はたたかず拾う一方.どうもよく割れる部分に密集しているようにも思える.何か2つや4つ
に分かれているのがいいとかリーダー達専門家は言っているがこちらはお構いなしに取っている.
続いてストップ5.石灰岩の中に直角貝が埋まっている(これテキストを見ると頭足類としか書いてないが多分間違いない).これの写真をしこたま撮る.ま
た
場所によってはトリロバイトもいる.工場の敷地のようなところの壁が層理面になっていて,この一面のところどころに直角貝とトリロバイトの印象が化石に
なっている.こ
れも写真に取る.これらは新しい法律で保存保護されている.説明の看板もある.
ストップ6.は60cmくらいある厚さのベントナイト層.火山灰起源で,これが北米のものと対比できるという.いわゆる鍵層というやつ.でも場所により
厚
さに
差があり,数cmになるとこもあるとか.つまりカレドニア造山運動のときは北米と北欧は英国を挟んでくっついていて,そのあたり一面に火山灰が降ったとい
う広大な仮説.なるほどそう来るかと妙に納得.日本の狭い地質環境とはスケールが違うな.
ストップ7.は農場のような私的な敷地の中を横切っていわゆるプライベートビーチに出る.石灰岩の層理が見えるがここに見事な珊瑚が密集している.蜂の
巣
のようなファボシテスがほとんどで,たまに層孔虫のようなもの.1つだけとても小さなハリサイテスを撮影.もっと大きなのが見たかった.
あとストップ8.は海退で寝食された溝を海進で礫や石灰岩などが埋めた不思議な地層.ちょーど巨大なマリーナの真ん中にある小さな露頭.でもあまり時間
が
なくて簡単な説明のみで終了.巡検リーダーは本当はここを一番見せたかったみたいだけど.
これで全行程を終了.ほどなく,Kさんの勤めるビルの前を通って市庁舎で解散.GPSのトラックファイルを送ることを約束して別れる.晩飯をバーガーキ
ン
グで
買う.クリスピーチキンのセット.takeoutというとtakeawayという,英語風なのだ.この袋をもって雨のなかをホテルにとりあえず帰って,
ビー
ルを探しに出るが,日曜日はビールを売らないらしい.コンビニで聞いた店も閉まっていた.その親切なセブンイレブンで10krのパンを2個明日用に買う.
あ
とホテルに帰って夕食.少し冷えたバーガーセットに舌鼓を打つ.ケチャップをたくさんつけてくれていてどうしようか?あとシャワーを浴びて,さらにカップ
麺の天そばをたいらげ,あとコーヒーを入れて,今日昼にもらった炭酸水でブランディの水割りを作って寝酒とする.雨で疲れたがGraptolitesのい
いのが取れたのとKさんにいろんな話を聞けて充実した1日.これで学会関係全行程を終了.明日はベルゲンに向けて移動.しかし天気予報はさえず.Kさんの
話だと天気のいいの
は7
月でみんなバカンスを取り,8月は天気が悪くそろそろ仕事に戻るとのこと.また最近原油高で石油探査が再び活況を得ているが,1本掘るのに1日1億円.最
終50から時によっては100億円の仕事になるそうで,それでも当たらないことの方が多いとか.昔みたいにさすがに1000に3つということはなく,大分
確率は上がっているそうだが.またシュランベルジャが独占していたのも昔の話で,現在は探査&ボーリングの企業がしのぎを削っているとか.またリスクが高
いの
でKさんの会社など1社では探さずにかならず数社が共同で開発や探査をするとのこと.リスクヘッジを取っているのだ.またノルウエイは物価が高いので,そ
れに応じた給料
のシフト(手当て)が出るので生活には困らない.今はそういった物価変動を調べてレポートを出す会社がありその情報を用いているとのこと.昔は商社づとめ
の人の奥さんがスーパーで物の値段を調べていたこともあったが今は昔だという.こういった話は本当に参考になった.でも開発,探査を進めても原油の価格が
落ちるとどうしようもないのでそこが難しいらしい.そういったことを予測するのも重要な仕事とか.メインの仕事は権益を持っている部分の調整がおもだが,
ゆくゆく自前の油田を開発するのが目標だという.がんばってほしいなあ.日本の将来のために.
とここまで書いて眠ろうとしたところで,部屋に強烈なアラームが鳴り響く.自分の部屋で何か煙か何かが悪さをしたのかと一瞬心配になる.廊下に出ると音
は全
館に鳴り響いていて,みんなも出ている.夜10時すぎだよ!とりあえず下に下りろとスタッフらしい女性がいうのでみんな寝間着姿で下に下りかけたところで
アラームが
止まる.いろんな人が泊まっている
のが初めてわかった.子供を毛布でくるんだ人も何人かいる.みんなwhat is it?と言っている.人騒がせな一件だった.
★2008 08/11(月) |
Nutshell Fjord
tour.壮大な氷河の削った壁と滝を見ながら,機関投資業の紳士と自然と金融を語る.
|
朝5時すぎに何か現実的な夢から,目が醒める.早めでよかった.早速湯を沸かし,コーヒーを入れる.あと1パックを残すのみ.昨日買ったパンを両方とも
に,
最後に残ったハムを2枚ずつはさみ,ブドウパンを朝食に,普通のを今日の昼の弁当とする.冷蔵庫とキッチンがあったのはこの安いホテルの最大の特徴.まあ
電話
がないのが不便といえば不便だが.あと昨夜も大きなゴミ箱のビニール袋がないのでくれというと,フロントにはない,明日朝掃除の人がくるまで待てといわれ
るな
ど,基本的にあまりサービスの質はあまりよくないがまあ安いホテルなので仕方がない.有料とはいえ,自室でメールやWebのチェックもできるし.6時半す
ぎにはここをチェックアウトすることにする.電車の時間は8時11分.王宮前から劇場前までの道が下りなので助かる.バゲッジはtoo
heavyなのが転がしていてわかる.たぶん25kgは越えている感じ.これは迷うことなく郵便局だ.地下鉄に乗って3駅.やはり早く着きすぎた.中央駅
ベンチで時間をまず時間をつ
ぶす.8:11Bergrnとあるのが多分目的の電車.3番線ホームに降りてあとで聞こう.改めてみると大きな荷物の旅行者が多い.この日記を書くIGC
のボールペンのすべりがいい.前のベンチにはバックパッカーがごろ寝.どの国でもそれほど変わらない駅の風景.
ほどなく,7h10mにホームに降りる.1時間も前なので誰もいない.7h30m前になるとぼちぼち人が降りてくる.このホームで間違いないみたい.ベ
ンチで隣の老夫婦にフィヨルドツアーかと聞くとそうだと答える.ミルダールに行くというので同じらしい.ホームで鳩が餌を啄んでいる.そのうち結構な数の
人が降りてきた.と思う間にスペイン系の人たちにベンチの両側を占領される.同じようなチケットを持っているので大丈夫だろう.グラシアスとかシーとか
言っている.
7h40mすぎに電車が入ってくる.7号車の170と思って探すと,窓際でラッキーと思ったのも束の間.150と間違えていて,何か付け足しみたいに片
側に互い違いの位置に3席作られた席の通路側がポツリと空いている.窓際は対向するむきに寡黙そうな地元の青年が一人.ここまではよいが,反対側と自分の
向かいが,喋りまくるイタリア系の4人組.こいつら遠慮がない.こんな時のために用意したmp3を耳に挟む.ノルウエイで聴く「ホテルカリフォルニア」も
なかなかのもの.車両は10両くらい?先頭から番号は逆順.ほどなく出発.雨が降り出したりするなか,Askerに8h35mに到着.すると晴れ間が見え
る.今日も晴れ時々雨なのか?
8h45m運河のような静かなフィヨルドor川を2つ越える.すごく晴れてきた.Dammen到着.駅の前の湖水?で噴水が上がっている.
9h15m段々,山合いに入ってくる.山頂は平らな準平原的な感じ.きれいな川沿いをゆっくり走る.窓の青年はまぶしい陽光をもろともせず眠ったり起き
たり.向かいのイタリアのおっさんがまぶしいので窓のシェードを少しだけ下ろした.何かいま立ってどっかにいった.川や湖と農村の風景を走って,
Honefoss9h37m.けっこう近代的な町.ちょっと雲が増えてきたか.5分ほど止まって発車.
このあたりでガイドブックを見る.途中見えた湖はNorwayで5番目の大きさとか.トンネルをいくつかくぐるとき,単線だと気づく.
10h10m左側に湖とそこそこ高い山,天気は依然晴れ.フィヨルドで晴れてくれると嬉しいが.ふいに「森と湖のまつり」武田泰淳を思い出す.前のおっ
さん,となりの夫人といちゃつきだした.こら,そこに座ると景色が見えないぞ!
10h25m右側に高い崖が見えてくる.急流の落ちるところもある.Gneissみたい.左側も同様の地形.高圧線だけが通っている.松の木のような木
肌.カラマツの仲間?
10h40m左側にU字谷の高い壁.カナダと違うのは全岩Gneissなので,あまり崖に段がついていないことか.ほどなく10h45mNesbyen
着.雪の降るCM写真.スキー場か.5分くらいの停車時間にロシア人?が写真を撮っている.
11h10m川が細くなってきた.分水嶺が迫るのか.雪はまだ見えない.11h18mAl到着.少し窓に雨が落ちてくる.停車時間が長いのかまた何人か
降りてビデオや写真を撮っている.逆向きの列車待ちなのがわかった.15分ほど停車.
11h37m右側にやや大きな川.川の向きが逆?と思ったら,列車はどんどん坂を登っていっていつか雲より高くなる.列車で雲の高さを越すのもおもしろ
い.
また右側に細くなった急流が戻っている.なんか高いところに牧場があって家が点在.おそらく1000m近い?今GPSを確認したら,衛星をロスしたまま
オスロ中央駅から動いていない!ゆっくり坂を登っているようで列車は静かに進んでいる.客車なのであまりモーターの音がしない.かなりの勾配で登っている
みたい.左にスキー場が見えてきてGeilo(ヤイロ)駅.登山客みたいな人たちが乗ってくる.なんかバージェスでみたようなピンク(赤紫)の花が一面で
きれい.
少し走って,前のイタリア系がカメラを取り出した.初めて雪の残るのも見る.背の低い白樺に変わってくる.ちょうと12時,準平原の頂上のような凹地を
行く.ときたま雨が窓をたたく.窓際のリオデジャネイロのロゴ&ブラジル国旗のTシャツのかもくな青年が登山靴を履きなおす.途中私と同じように靴をぬい
でいた.雨がちょっと本降り気味.12h03mUstaoset着.左側に湖,遠くの山は平坦.12h17mすぎ,雨が降るが,となりのイタリア系山に残
る雪を写真に撮ろうと苦心している.男3人は良く似ているので兄弟か親戚か.右側はむき出しの岩砕の崖錘も目立つ.ノルウエイの分水嶺近し,また左に湖を
見る.左の川は細かい段差から南に流れているのがわかる.右は断崖とそこから崩れた崖錘.12h23mトンネルに入った.けっこう長い.ミュルダルまでの
最後の駅に到着.残雪がきれいなのでみんな降りて写真を撮る.すぐの発車.まもなくかなり長いトンネルに入る.前の兄ちゃんがさっきの駅で降りたのでその
席に移る.景色は良くなるが,ほどなくミュルダルが近くなり,バゲッジを確保して降りる準備.イタリア系は景色見えるとカメラを構えるがすぐにまたトンネ
ルで写真が撮れず顔を見合わせて笑っている.こちらも思わず笑ってしまう.ところが,駅が近くなってトンネルや雪囲いに入ったまま信号待ちとかでなかなか
動かない.かなり待たされてやっと最後のミュルダル駅に到着.最初に降りる.
最初乗り換えのフロム鉄道は来ておらず,みんなホームで待っている.こちらの鉄道は基本的にホームがあるので,ホームで待っていればいい.ただ,改札口
な
どはないので,適当に駅に入って適当に並ぶ.この乗り換えでは列車のついたホームの反対側にフロム鉄道がくるらしい.待っているとどこかでみたような髭と
ラガーシャツの兄ちゃんがいる.某国立研究所のGさんだ.呼びかけると向こうも気づいて挨拶する.どうも14日か何かにIGCで発表するらしい.それまで
の旅行だという.そうこうするうちに列車が到着.みんな行列がくずれてわれさきに乗り込もうとしている.自分は少し前の方の車両に向かう.結構込み合って
い
て,何番前かの車両の一番前の方に座る.動き初めてすぐに,技術者でベルゲンからオスロに帰る途中だという鉄道オタクのスウェーデン人の兄ちゃんと席が隣
り合わせになるので,色々としゃべる.彼の英語は極めて聞き
取り安く助かる.フロム鉄道はくだり傾斜がきついので,ブレーキシステムに特別の工夫がしてあるとかスイスのは,レールの間にアプト式のようなギヤがある
とか説明したあと.ノルウエイの時刻表を見せてくれる.これはKIOSKなどでは手に入らず,特別に郵便で注文したのだと何か嬉しそう.日本の時刻表はそ
れこそ本屋ならどこでも売っているというのを言いそびれてしまった.しかし,日本の鉄道にも詳しかった.ノルウエイは日本と同じように狭軌だったとまた,
鉄道ファンらしい説明をしてくれる.だから曲がりくねってトンネルが多いそうだ.ただ,日本と似たように,どんどんヨーロッパ標準の広軌に変えているそう
で,そういえば昨日帰りに乗ったVOSSからの鉄道は新幹線と同じ幅のようだった.また続いて,
北欧3国の言葉や文化の違いなどを色々説明する.話ずきなので,こちらは相打ちを打つだけでいいので助かる.木造の家屋の板の張り方がノルウエイでは水平
でスウェーデンでは垂直だというのが興味深い.おそらく降水量の違いとかが関係するのではと彼は考えているそうだ.こちらがスウェーデンは車産業などがさ
かんだという話をすると.そうだVOLVOやSAABがあるがSAABは元々飛行機を作る企業で第二次大戦後自動車を作るようになったという.さすがにな
かなか詳しい.フロム線はU字谷の谷底に落ちていくような景色が有名らしいがどうも右側に座ったのが間違いで景色は左側みたい.かなり経って左に座ってい
た家族が降りたので左側の席を占領するが時すでに遅し.スウエーデンの彼はベルゲンから来たらしくこれからどうすのかと聞くと,いやこの列車に乗るために
ここに立ち寄ったので,また1時間ほど時間を潰して登る列車で引き返し,オスロに向かうとのこと.案内の礼を言う.
ほどなくフロム駅に到着.かなり雨が降っている.とにかく船の時間まで時間を潰す.とりあえず船の案内板にバゲッジの鍵を結びつけて,土産物屋などに立
ち寄る.はやくもそこら中で日本語が聞こえる.学生風の男数人.やはりフィヨルド観光は日本人の好みなのか.30分ほど時間を潰して,やっと船に乗り込
む.バゲッジはチケットを確認のあと,船の最後尾に置いてくれる.日本人が結構多い.なんとなくこの港,奈良県の十津川から南に下った,川下りのさかんな
あたりの港,みたいな感覚.
船で一箇所だけ操縦席のむしろで雨をしのげる場所を見つける.ここでカメラを構えることにする.ほどなくフラムを出航.フィヨルドの中へしずしずと船は
進
む.両岸迫るといいたいけど最初は両岸とも傾斜がゆるく,対岸に自動車道も走っているし,斜面の途中に建物があったりして,天竜川くだりや,日本ラインと
あまり変わりない?くらいに思っていたが,段々と両岸せまり,枝谷が分かれるところで,きれいな集落と港が右に現れるあたりから,本格的なフィヨルドの風
景になってくる.特に,V字型
に谷を折り返したあたりから両岸の景色は濃くなり,さらにグドバンゲンに到着直前には両岸が高く迫り,1000mの標高差の崖を滝が何本も流れおちて,も
うPLの花火の最後状
態.この途中から写真を撮ってあげたのがきっかけで,金融関係の仕事という紳士と隣り合い色々と語る.たぶんかなりの偉いさんと見た.いわく本物をみない
と駄目.またお金で儲けるばかりではだめでお金で買えない価値を探すのが重要,結局為替変動はランダム.自分の本職は機関投資で会社には設けさせなきゃい
けないが,一般人が株や為替で設けるのはインサイダーでもしないかぎりとてもひと財産など築けない.金持ちが設けるのは簡単なようにできているなどと,一
線
の金融関係の方とは思えないような含蓄のあるお話が聞けた.さ
らに話は温暖化問題やサブプライム問題におよぶ.本当にCO2が温暖化の原因なのかどうも疑問に思うというご意見だったので,実は,と最近の学会の傾向を
ざっと説明する.サブプライムは本質が解っていたら大した問題ではないものを,詳しくないものが危機を煽り立てて話しをどんどん難しくしている.ムー
ディーズに代表される米国グローバリズムは基本的に自分とこのことしか考えていない.日本人もだまされないような教養や勉強が必要.そういうものを持っ
た人間には配慮するのが彼らの特徴.自分は友人の校長に頼まれて高校で話をしたときに新聞やTVが伝える話をうのみにしてはいけないと述べたという話.短
い間の会話だったのが,うなづくことが多かった.寒い中を大事な話をしていただいて感謝.もう少し話したかったが,写真などを撮るうち丁度グドバンゲンに
到着.バゲッジの確認をしにいって,さよならの挨拶
ができなかったのが残念.
港にVOSS行きのバスが待っているがみんな殺到している.日本人の団体は別のバスみたい.荷物は預けているらしくみんなバッグだけの軽装.こちらは移
動のため大きな荷物をゴロゴロ押してバスに殺到.とても1台目には乗れず,2台目の腹にバゲッジを一旦押し込んだが,こちらも人数制限で駄目.結局3台目
に乗る
ことに.再び腹にバゲッジを積んで,乗り込む.こちらも最後の日本人2人を積んで席はフルになった.どうも立っては載せないみたい.それはあとの道が急坂
なので安全の配慮みたい.最初は普通のアスファルトの道でいきなり急坂と思っていたのとは肩透かし.しかし両岸迫り,やはりこのコースの白眉であることは
間違いない.やがて谷奥となり,前にでかい滝,後ろにU字型の門のような地形が見えて,バスは狭い道の急坂をあえぎながら上る.最初の川を大型バスが幅ぎ
りぎりの
橋を渡るとき,隣の結構きれいな服のご夫人がため息をついて胸で十字を切っていたのを笑えない.滝が4度見えるとガイドブックにあったとおりで,隣のご夫
人に教えてあげる.そのとおりになってこちらはちょっと偉そうな気分.しかし雨が続いて写真は雨粒の窓越しでまったく駄目.ほどなく有名なホテルに到着し
たが,ここで降りる日本人2人を除いて誰も降りず,通過.ガイドブックにはここで休憩して奥の雄大な景色を見ることになっているのだが,雨でパスしたの
か?ちょっと残念.バスは高度を得たので,平坦になった道をVOSSへと急ぐ.途中Oslo-Bergenみたいな表示のある普通の国道に出て,あとは
VOSSへ急ぐのみ.あれだけでかい壁を見たのでその辺のがけはもう写真を撮る気力もないだ,ここにきて少しづつまた雨が止みだす.本当に皮肉なもの.途
中,何か突然壁にどでかい滝が噴出している.バスは案内だけで通過.ツインなんとかと言っている.しかし水量が凄い滝.気を取り直して,また幾つか写真を
撮る.途中MENYというスーパーの壁に9-21(20)と開店時間が書いてある.土曜日は午後8時ということか.田舎なのに結構遅くまでやっているの
だ.このあたりがガイドブックにない情報.さすがにスーパーマーケットだけは,日本と同じようになってきているみたい.だいぶ走ってようやく
VOSS駅に到着.しかしここで電車の案内は右往左往.表示がないのでどれに乗るかわからない.1両電車が入ってきたが,みんなこれかと駅員に聞いてい
る.私も訪ねるが.6時45分に出ると聞いたと思ったが,実際は45分後だったみたいで,7時をとうに過ぎた7時20分ごろ出発.手持ちのチケットには7
時10分発となっているが.基本的にノルウエイの鉄道はこちらがちょっと待ってほしいと思ったときは時間遵守で出発するが,どうでもいいような単線などの
待ち合わせで遅れる.駐在員のKさんも結構いいかげんだからなとおっしゃっていた.車内のコンパートメントで日本人のカップルに写真を撮ってくださいと日
本
語で言われる.何で日本人とわかったのか不思議.ところがその車内だけ,他に乗客がいない.他の車両はたくさん乗っているのに.不審に思って窓を見るとど
うもreservationという紙が貼ってあるみたい.これひょっとすると予約席?と彼らと話すうちに,車掌が来たので聞いてみると,あこれ関係ないと
言ってはがしていった.でもやはりその後韓国人のおばちゃんやスペイン語圏の家族やらどかどか乗り込んできて,結構一杯になった.私は最後尾の2列の席に
荷物と共に座る.今回もバゲッジは通路のバゲッジ置き場に置けたので,それほど苦にならない.これ思っていたほど荷物の移動は苦にならなかった.基本的に
チケットは電車は車掌が,またバスは運転手が船は乗り込む時に船員が確認する.3枚綴りの切符でうまくできている.船もバゲッジは船員が取って,船尾のお
き場所に置いてくれた.
さて,VOSSを出た列車は一路西に向かう.最初はまだ山のなかの風景だが,やがて一変して再び別のフィヨルドに下りる.その左岸をずっと走る.ちょう
ど進行方向右側だったので,前のロシア人らしい女性もよい景色のところでカメラを構えるが,シャッターを押そうとするとトンネルに入ってしまう.もうこれ
を10回以上繰り返して,後ろの席で同じことをする私と顔を見合わせ会う.そういえば最初の列車でも我々が降りようとする駅の手前でイタリア系が同じこと
を繰り返してみんなで笑っていたのを思い出す.
最初は両岸迫る感じで結構滝も数条落ちていたのが,段々とフィヨルドの幅が広がり落ち着いてきた.そうして港の風景が濃くなってきたあたりでようやく
Bergenに到着.早朝より1日のとてもハードなフィヨルドの旅が終わる.
午後8時40分,駅舎のコンビニでとりあえずホットドッグを買う.1週間前に娘が買ったソーセージにベーコンが巻いたのをパンで包んでくれる.ところが
紙で
巻いただけなので,これを持って帰るのに一苦労.Mirdalで会った,G氏と一緒になる.彼は宿が取れずにユースに泊まるという.再会を期して分かれ
る.店員にビアはあるかと聞くと,ない.しかももう8時過ぎてるから,駅のPubで飲むしかない.でもそれは高いですよといつもの応対.これでビールもあ
きらめる.もうTAXIしかないなと思って乗り場に行ってもやって来ない.またG氏に会う.もうこれは歩いていくしかないと覚悟して地図を取り出す.公園
の向こうとあたりをつけどんどんバゲッジを転がすが,結構遠く,道の工事や敷石で駒を取られる.なかなかわからずどんどん港の方に出てきてしまったので,
その辺にあったやや高級そうなホテルのフロントに汗みずくで飛込み,教えてもらう.やはり行きすぎてたみたい.この頃には手に持っていたホットドッグも
すっかり冷たくなり,それを見せながらフロント嬢にNo food,No beer,No
Taxiと悪態をつく.さて,さっきの教会の見える辻に戻って,たむろするティーンエージャーの女の子に地図を見せて聞くが,彼女達も戸惑っている.やが
てこちらがHotelの看板を発見.あ見つけたよと彼女たちに言う.GoodNightなどといわれる.そのホテルのフロントに飛び込む.もう時間は9時
半近く.フロントのごつい兄ちゃんが対応.ヴァウチャーを見せると2泊ですねと確認されたあと,別館が部屋でこれこれとキーを渡され,外にでて入り口を教
えてくれる.誰か荷物を運ばせようかと親切に言われるがまたチップ云々が邪魔くさいので断り,自分で持つ.道をはさんだ反対側のでかい建物.結構きれいな
赤と白の縁取りだがもうこちらは手もバゲッジの重さでしびれてくるし,手にしたホットドッグを何とかしたいで,一目散でその入り口へ.ところが階段でおま
けにロックされている.そうそう何か数字を言っていたと手にしたキーの袋をみるとそこに暗号みたいに4桁の数字があって,それを打ち込むとドアのロックの
解ける音がした.そうそうに入るがまたエレベータがない.しびれた手をさすりながら,何とかバゲッジを一番奥にあった自室230号室に持ち込む.これで汗
はかくし,手は段々感覚がなくなるしえらい目にあった.ベルゲンの印象極めて悪し.部屋は細いシングルベッドを2つくっつけてあって,寝具も別々に2つあ
るが,まあ1人で寝るには十分.ところが部屋がそんなに広くないので周りの通路にバゲッジを開いておけない.ベッドを片方に寄せて何とか空間を作る.10
時寸前だったのでダブルブッキング用にリザーブしてあった部屋に通されたという感も否めない.窓を開けても建設中の大きなビルが見えるだけ.冷蔵庫もな
く,お湯をわかすポット
があるだけ.このあたりはキッチンと冷蔵庫があったオスロのホテルが天国に見える.トイレとシャワーはちょっとましだが,夜中に他の部屋の水洗の音がす
る.唯一まさっているのはシャワーにガラスの丸いしきりがついていることだけか.インターネット全室無料接続とネットにあったのに,肝心の無線LANがど
うしてもつ
ながらない.夜で混んでいるのかと朝もやってみても同じ.フロントで聞いてみよう.TVもpayTVのチャンネルしか表示しない.CNNなどかけらもな
い.先ほどのホットドッグはビールがないのでとりあえずポットでお湯を沸かし,これはついていたインスタントコーヒーの袋を破ってコーヒーを入れる.でも
砂糖もミルクもないので持参したものを使う.紅茶のティバッグは山ほどついているのは英国文化か?続いて昨夜に続いてお宝のブランディを水で割って,飲
む.娘の残したポテトチップスでおなかを満たす.不思議に今回の旅行はさほど腹が減らない.基本的に朝たくさん食べるようになってしているからかも知れな
い.続いてこれも残していったバランス栄養食品を一口食べるがチーズ味なのかまずい.もうこれは捨てることにする.10時半床に就く.
★2008 08/12(火) |
ベルゲン2日目.雨音で目覚める.10日に7日は雨が降る西岸海洋性気候.朝
からあまり気乗りしない.
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朝,雨音で目覚める.何か定期テストを前日夜につくり忘れていたことに気づくという設定のリアルな夢を見ていた.この日記の昨日の分を半分ほど更新した
あと,着替えて朝食に向かう.本館のBARみたいなところでバッフェスタイルの朝食.ジャムの種類やスクランブル卵,シリアル系もあるのだが,ハムは1種
類しかない.チーズは黄色と茶色の2種類は変わらない.コーヒーの味はもうひとつというところか.おかわりのとき,ミルクの小パックが2種類あるので聞く
と,片方はクリームでもう一方がミルクだという.なるほど.もちろんクリームの方を取るが,最初のミルクの方が良かったような?やたらトイレから配管の水
の音がする.食べ終わってフロントが中国系の兄ちゃんに代わっている.ネットがつながらないというと,何でも何週間か前からサーバーがウイルスにやられて
ブレイクダウンしているという.そんなの聞いてないよといいたい気分.またTVのチャンネルもPayチャンネルしか写らないというと,それも今しらべてい
るからちょっと待ってくれというアバウトは返事.なるほどこれってTravelHotelではなくてTroubleHotelに変身してるじゃない.こちら
はもうバ
ウチャーで払っているけど返金してるのかな他の客には?朝食を食べに出たときは晴れ間があったのに,食べているまに本降りに.あわてて別館まで走る.9時
にまず駅の方に向かうが道を間違えてどこか幕張メッセみたいなところに着く.ここの案内所で郵便局と旅行案内所を聞く.どうも最初考えた駅構内ではなく,
やはりホテルで教えてくれたショッピングセンター方面にしかないようだ.どうも大きなショップビルは2つあって,最初の方にはpostofficeはな
い.ぐるっと廻って別の隣のビルのショッピングセンターに郵便局があることを見つける.とても親切で箱をくれて日本までの10kgまでの総額460kr
(約1万
円)をカードで支払う(これ日本に帰ってわかったのだが,ショッピング枠ではなく利息の付くローン枠になっていた.何でも現金の代わりの支払いはローンに
なるとか.へえ知らなかった).重さにデペンドせず10kgまでは同じ値段だという.これはドイツと同じ.あとは明日これに積めた荷物を郵便局に持ってく
るだけとなる.つ
いでにフロントで教えてもらった旅行案内所を探す.何度か探して,やっと港
に向いたビルにあることがわかる.大きなiの文字が見える.ベルゲンカードを聞くと店内のショップで売っているということで早速購入.24hが
190kr.使用開始時間を聞かれるので,ちょっとホテルに帰るからと11時からに頼む.マジックで時間を書くシステムらしい.箱を担いでホテルに戻る.
実はこの間ちょっと道を間違えて15分くらいえらく遠回りしてしまったが.ふところのGPSの助けを借りた.
ホテルで早速箱に不要な荷物を詰める.化石など結構つまってほとんど満杯.あとはどこかでこの計量をしたい.さて,気分が楽になったので,まずはベルゲ
ンカードを使いに美術館へ.人工池のすぐそばなのだが結構入り口がわかりにくい.別の従業員の入り口から入ろうとする職員に入り口を聞いて教えてもらう.
早速館内へ.しかしムンクを見たいというと,それなら隣のビルだという.またまた歩いて(実は戻って)隣のビルの入り口を入る.早速ベルゲンカードを見せ
て例の服に貼るシールをもらう.また背中の荷物はコインロッカーに預ける.10krは後で帰ってくる仕組み.ところがなかなか鍵がしまらない.受付の男の
人に閉まらないというと,力を入れてといわれる.言われたとおりにすると閉まった.古いのでそうなる.彼は言った.どうも誰かのコレクションを集めた展示
らしい.早速展示を見る.ノルウエイ出身の画家の作品を大体時代順に並べてある.C.Dahlという人の風景を描いた作品が最初にずらっと並ぶ.この人と
ても寡作な人で,後の棟でも山ほどみた.他の作家の作品を一通りみて,気がつくとムンクの部屋に.2部屋あって,最初が習作時代など.後の部屋がどちらか
というと濃い時代のもの.ジェラシーや女の三生,またメランコリーなどが有名なところか.写真はNOFlashならOKということで,幾つかの作品や全体
の展示を撮影.(これを書く今,夜8時なのに,陽がさしてきて午後3時ころのように明るい!写真を撮る.)再び軽いムンク酔いに陥る.さらに隣の館(こち
らが本館)を
見る.1500年ころの古いものから新しいものへ,階を上がるごとに時代が進むようにしている.丁寧な英語の解説のテキストが各パートに置いてあるのは先
ほどのムンクの館と同じ.ところが嬉しいことにここにも5点ムンクのさほどメジャーでない作品が飾られていた.これで彼の母国ノルウエイにある,かなりの
ムンク画を走破したことになる.他にもフィヨルドの風景や,最近の珍しい現代アートまで,美術館でかなり時間を取った.あとは昼飯抜きで,港に向かう.と
ころがここでミスコース.別の一つ南の港に出てしまい,小さな半島の丘を越える羽目に.でもおかげで観光コースでない街もよく見れた.しかしこの街よく見
ると,各所で工事中の場所が多い.おそらく世界遺産指定以来,立て直す家が多いのではないかと想像される.40分くらいロスして,ようやく港に出る.最奥
部で観光案内にある店がたくさん出ている.夜店みたいな感じだがみやげ物と水揚げされた漁獲物が中心.いいにおいで腹が空いてくるがとりあえず,ケーブル
で山頂を目ざす.これがまた並んでいて,チケットを持つ人はこちらという案内で中に入りスタッフにベルゲンカードを見せて切符をもらう.しばらく待ってよ
うやく自動改札を通ってケーブルに乗る.改札機は人数を数えている.面白いのは優先口から乗った人が途中の駅で降りることでこれたぶんその近所の人の買い
物や通勤の足になっているみたい.線路が結構曲がっているのが面白い.ほどなく山頂駅というか展望台に到着.みんな鈴なりで景色を見ている.電話BOXか
ら礼のカードを使う方法でまず自宅に電
話する.土産のリクエストを聞いて景色をしこたま撮ったあと,帰りのケーブルも混んでいるので歩いて市内に向かう道をおりる.途中Goatが遊ぶ場所や片
麻岩の写真,また降水
量が多いので凄く発達しているこけの植生なども写真にとる.もちろん見晴らしのよい場所からの港の風景も忘れない.珍しいのは若い女性のランナーが降りて
いったり上がってきたり.また乳飲み子を吊るした若い婦人まで遊歩道を登ってくること.まあ治安がいいベルゲンならではの風景か.降りるとき時々聞きなれ
たフォル
クローレのサウンド.ここでもやっているのだ.できるだけ港の北部に出るように道を選んで降りて,ちょうど端の城のような建物に降りてきた.塔と内部を見
学しようと中に入ると.Sorry,あと5分で閉館ですと言われる.城もそうらしい.午後4時閉館という厳しいルール.しかたなく廻りの写真を撮っていよ
いよ,
世界遺産のブリッゲン地区の中に入っていく.建物の外側だけが有名かと思ったら,実は内部が店になっていて,しかも世界遺産にあやかり奥の方がどんどん改
築中みたい.建物
自体は古い木を使っていて,一部の建物はあきらかに垂直がおかしく柱が傾いていたりする.奥の店の中にビジターセンターがあり,そこで売っていたエコバッ
グをまず買う.1枚50krで2枚で2000円というとこか.あと港の方に戻るとやっている例のフォルクローレ.今度はオスロのグループとは違うみたいで
やや本
格的な曲が多いみたい.魚介屋に立ち寄ると,日本のどこからか?大阪?自分はぜひ行きたいと思ってる.と英語で話しかけてくる.これ実は同じパターンで後
で行ったTシャツ屋も同じ口調.どうも営業用みたい.それでも少しまけてくれて299を250krでキャビアといくらなどの6個入りを購入.何か冷蔵用み
たいなパックをつけてくれる.48時間は常温でOKという.これで一旦ホテルに戻る.土産を置いて,再びビールを買いにでる.灯台元暮らしでホテルの前に
ビールを売るrimiという
スーパーとその中に郵便局まであることに気づく.早速荷物を持っていって重さを量ってもらうとこれが11.5kg.1.5kgの超過.これをちょっきり
10kgに減らすのが明日までの算段.再びホテ
ルに荷物を置いて,再再度今度は空港バスの停留所を確かめに.ついでに時刻表も書き写す.15分ごとにあるみたい.後で調べるとどうもベルゲンカードは使
えないようなことがノルウエイ語で書いてあるがまた明日.フロントで聞くことに.朝忘れたと思ってフロントに届けた傘はちゃんとリュックの中にあった.
今日はセブンイレブンで買った念願のえびをはさんだパンが食べれたのでよしとする.港ではオープンサンドみたいなのを結構な値段で売っている.甘エビの
ゆでたのは1/2kgで
90krくらい.75に値下げしていた店もある.えびは日本のに比べると結構大きい.結局買わず.明日の飛行機の時刻が昼なのであまり午前中ゆっくりでき
ないのがわかり,急遽Tシャツなどを港に買いに走る.1枚15ユーロを2枚で25ユーロにまけてもらう.ベルゲンの柄のものを娘と2枚買う(これ結局帰国
後,うちの奥さん専用となりました).ユーロが使え
てユーロで釣りをもらう.日本円でもOKと書いてある.あと上の娘に頼まれたチョコレートをさきほどビールを買ったminiというスーパーで買う.
0.5lのビールの値段はどうもスーパーでは27とか25krだったみたい.これだと大体600円くらいの勘定か.1000円というのは言いすぎだった.
法律の規制からかアルコール度数は0.46%くらいで日本のより低い.午後から夕方は朝の雨が嘘のようによく晴れた.G氏は昨日雨だったフィヨルドツアー
にもう一度海から向かうといっていたうらやましい.
さて9時近くなってもまだ,夕方6時くらいなのだが,机上の明かりをつける.以前としてTVはNRKだけで五輪中継しかしていない.さっき女子サッカー
で日本がノルウエイを5-1で下していた.ここらでシャワーを浴びてノルウエイ最後の夜を2本目のビールで祝うことにする.
ということで2本目のビール突入.さっき外でティーンエージャーが酒飲んでるのかうるさいので,窓を閉める.この国もドイツと同じように暇をもてあまし
たような若者が結構街にたむろしている.渋谷の高校生と同じようなものか.ストリートダンスでみんなを感心させている中学生くらいの子もいた.これだけの
福祉国家となると若者に何か目標を持たすのは難しいと想像できる.しかし一方でまじめそうな若者も目に付く.オスロからの列車で本を読んでいた若者は登山
靴とリュックで途中の駅で降りたがガイドブックにあるように寡黙でまじめそうなタイプだった.
★2008 08/13(水) |
意外と良かったベルゲン.今日は小雨に逆戻り.マイド,オサカという港の売り
子の兄ちゃんともお別れ.
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昨夜ビールを2缶も飲んだので,朝5時半に小用が近く目覚める.トイレにいったあと,うつらうつらと50分まで,携帯の目覚ましで起きる.結局ここに着
てから一度もネットはつながら
ず,メールの読み書きができない.結局ビールは少し残して眠ってしまう.ブランディも少し残している.さてこれから送る荷物の算段.7時を少しまわって,
本館のバーにバッフェの朝食.今日は写真をとり,Cavierのチューブをみやげにいただく.店が開く午前8時を待って送る荷物をホテル前のRIMIとい
うスーパー内にあるPOSTEN(郵便局)に持っていく.昨日の兄ちゃんが到着した荷物のカードを運んでいた.still500gオーバーだという.一旦
衣類を少し
出して,袋とタオル数100gを取り除いて入れなおす.首を傾げていたがOKと許してもらう.すでに送り状はホテルで書いていたのでこれでパーフェクト.
ホテルに戻ってバゲッジの重さを確かめるが,よくわからない.昨日チェックしたバスの時間にかなり早いが,8時半にホテルをチェックアウト.特に追加支払
いはなし.8h40mに来たバスに乗る.空港バスはほぼ15分おき.途中ランナバウトが多い.車はまた高速に乗る.車種はBMW,Wagen,ベンツ,
Toyota,Nissanなどやはりドイツ車が多い.スウェーデン車はあまり見かけず.今ベンツの箱バン,Hondaも見る.あとStadoilのスタ
ンド.13.00と書いてある.13kr/lの意味か?1リッター260円以上する計算だけど.右前の席の兄ちゃんが今時,CDプレーヤーを音もれするイ
ヤホンで聞いている.ベルゲンというかノルウエイでよくみたファーストフード店はPepperPiza,Dali,Mac,セブンイレブン,
BurgerKing,Kepabuなど.高速バス代(80kr)で残りのノルウエイクローネをほとんど使い切る.
3時間も空港に早くつきすぎたので,まだ搭乗手続きが開始していない.田舎の空港にしては意外と大きく近代的.行くところもなくユーロが使えるかと聞い
て,カフェでもう一度コーヒーを飲む.今朝から3杯目.5ユーロ
払って10krのお釣り.古いタイプのコインを探していてのでよかった.同時にノートPCにワイヤレスLANが使えると表示がでる.喜んだのもつかの間,
カードの支払
いを入れるページがでてきたので,止める.何か全部有料というのはいまどき遅れているような.斜め前のビジネスマンもPCを叩いている.早くついてしまっ
たのでかなり時間を持て余す.ここでIGCでいただいた名刺の整理.日本4,ロシア5,UK1,ウズベキスタン1,アイスランド1,USA1,ノルウエイ
1となる.少し待って,ようやくKLMのマークがカウンタに灯ったので,航空券の発券を頼むと,そっちの券売機でしてくれと指示.機械の指示にしたがう
が,席のチェンジができない.また最後の段階で,印刷不能と言ってくる.後ろの順番待ちの中国人の兄ちゃんにちょっと待ってと断り,となりのおばちゃんの
相手をしていた案内係にようやく聞くと,カウンタに聞いてくれということで,最初からそうすればよいのにと思いながらカウンタの兄ちゃんに事情を説明.荷
物の重量は19kgでぎりぎりセーフ.ついでにNWのマイレージのチャージも頼む.となりの男に聞いてくれてこれもOK.ところが何とボーディングパスを
出すのを忘れている.頂戴ねと言って初めて忘れていたことに気づいた様子.ごめんごめんと謝っている.頼むよ兄ちゃん!これで搭乗券もそろったし,セキュ
リティに向かう前に,3階のPubの空いてる窓際の席でこれを書く.
11hごろセキュリティチェックを受ける.たいがいの男が金属探知機でひっかかっているが自分は何も言われず.21Aの搭乗口はやはり
Internationalの方でそちらのゲートをくぐると免税店が何軒か.店員に聞くとここで買って透明な袋に入れれば,アムステルダム経由でも日本ま
で持ち帰りOKみたい.サーモンはと聞くとギフトショップの方の冷蔵ケースにあった.中国系の店員に聞くと常温で48時間OKとのこと.だいぶ考えたが高
いのと気温が心配なので止める.キャビアもあることだし.
あとスキポールで何かあれば買うことにする.11h30m搭乗開始のアナウンスがあるが,結構そのあと待たせる.こちらは丸い机に座って待つ.
12h40m離陸.狭い機内で何か後ろの方からシャカシャカとイヤホンの音もれがうるさい.こんな時に限って自分のmp3はバゲッジの方に入れてしまった
みたい.あまりうるさくしかも直後の列ではないようなので,飲み物サービスのアテンダントに注意してくれるように頼む.しばらくあってどうも静かになっ
た.となりのアフロの黒人娘が自分のイヤホンはうるさくないか音楽を聞きたいのだけどと気にしている様子.いや君のはとてもサイレントだno
problemと笑っていう.ほどなくスキポール空港着.乗り換え時間に,とてつもなく広い免税店でやっと念願の娘に頼まれたノルウエイサーモンの燻製を
ゲット.10ユーロほどと安かった.こちらも何か保冷材を入れてくれた.24hOKだという.あとは関空への搭乗口に向かうと,もうそこは日本と見紛うば
かりの日本人の列.やっと旅が終わりに近づいたことをさとった.