<Oslo-Bergen Diary 2008> Aug.2008
「旅行備忘録/日記」(自分のためのメモですが何かの参考に)

&bigstar;2008 08/04(火) ア ムステルダムの運河観光で韓国語のアナウンスを聴く.運河の潮の干満を船長に尋ねる失態.
 9時半に関空着.セキュリティは以前の形でなく,直接チェックインカウンタに荷物を持っていくかたち.11h05mの出発は10h50mに変更.途中, 午後の別便で同じオスロに飛ぶ娘からメールが入る.もう関空に着いているはず.2時間前なのに座席は窓際はすべて一杯で,一番後ろの2列になったところの 通路側に.液晶TVが付いている.11hすぎ動き出す.外気温31℃.11h15mテイクオフ.あまりフラップを下ろさず優雅な離陸.久しぶりに離陸時の 高度,気温,速度などのデータを詳細に記録(別ファイル).
 三重〜名古屋上空 7467m -15℃ 851km/h
 佐渡上空       8991  -26℃ 857
 秋田沖        9448  -34  900
 シベリア上空    11582  -45  903
 ウラル山脈西   10972  -44  933
など.途中,後ろトイレ前の窓(左側)からシベリアの写真を撮る.隣は某京都の有名ホテルを定年で退職したという上品な女性.7年ぶりにハーグに住む友人 を尋ねるとか.赤ワインばかり飲んでおられたのが印象的.
 あまり眠らず,長い11hが経過し無事スキポール空港着17h15m(現地時間)
 空港の中の通路でトイレに行ったため,一緒についた乗客たちとはぐれ迷子になる.何とか探しあてたimmigrantで前の中国人がもたついている.そ のうち何人か仲 間が来たが,結局ここではないと係の女性に追い返されている.その直後だけにパスポートを念入りにチェックしている.紫外線みたいなのを当てたり,ルーペ で見たり.そのうち,飛行機で隣合わせた赤ワインの女性がやってくる.彼女もはぐれたみたい.やっとimmigrantはOK.「アリガト」と日本語で言 われる.彼女のバ ゲッジが出てこないということで探し回る.別の場所のターンテーブルだったみたい.無事荷物は確保.ずいぶん礼を言われて別れる.自分はNo declareで出て,電車に乗ろうとするが切符売り場がわからない.やっと見つけてAms centralまでといい,往復かと聞かれるので,そうだというと6.9ユーロ.安いのかなあ?
 やっと乗ってから,Central St.が地図でわからず,途中で隣のおとなしそうな青年に聞くと次だと教えてくれる.良かった.降りるときに別の白人女性にCenter?と聞かれたので Yesと答える.ドアはボタンを押す形式だが,乗降が多いので問題なし.
 駅からは教会など早くもEuropeの街並み.ちょっとうれしい.どこか観光をと考えるが,駅前の運河に船が観光船が泊まっている.1時間クルーズが 11ユーロ.出港時間は,17h30mらしい.この切符を買う.CANAL BUSという船.曇りの予報が意外と晴れてきた.うれしい誤算.陽はまだ高い.よい写真が撮れそう.
 17h35m出航.静かにオランダの運河が楽しめると思ってたら,直前にKoreanの団体が乗ってきて,途端にうるさくなる.礼儀をわきまえずところ 構わず座ろうとする子供にムッとなる.周囲の カップルなども唖然としている.年配の方が見かねたのか,私の周囲の席に強引に座ってきた子供を立たせ,座ってよいかと聞いてきた.この人は降りるときに も私を先に立たせてくれた.やはり自国民のマナーが気になるのだろう.ちょっとほっとした.おかげで船長は英語とオランダ語と韓国語のアナウンスのテープ を流すことに.
 このCruse.思いのほかよかった.大きな運河をまず帆船などを訪ねたあと,今度は都市部に連なる細い運河を蜘蛛の糸をたどるように縫っていき,アム ステルダムのおいしいところをほとんど見れた.橋の下を器用にくぐっていくので,降りるときに船長にsea-tideは影響しないのかと聞いたら, canalにtideはない.完全にcontrolされているからという返事.なるほどそういうことか.やはり体験しないとわからないことは多い.よい時 間になったので,中央駅のInfoで空港行きの電車を聞いて,ホームは14aだと教えてもらう.14と書いてある階段を上がるが,14bという案内しかな い.ずっと歩いてカップルに聞く.a[ei]ではなく,[a]だと笑っていう.このプラットホームの反対側だと教えてもらう.なるほど,同じ長いホームを 中央でaとbに分けているシステム.これはわかりにくい.
 18h59m発 行きと同じ2階だて列車.2階に乗る.行きと違うのは各駅停車ではなく,終点スキポールまで直行だったこと.
 空港ではチェックインは不要だと案内の女性に聞く.セキュリティチェックでパスポートと航空券を見せるだけ.ゲートのあとには免税ショップがあ り,ここでCamusのVSのプラケースのブランディをカードで買う.14ユーロ.
 今,D73の待ち合わせでこれを書く.前のカップルがハイネケン500mlを8缶パッケージで買っている.しまったビールをどこかで売っていたのだ.外 はまだ夕方5時くらいの漢字.現地8h15m(JST午前3時15分)眠い.(この日のGPSのログだけがその後,忽然と消えてしまった.運河を縫うように 走った船の航跡が見事に残されていたのにとても残念
 深夜にようやく18時間の経由とともに,オスロに到着.乗り換えた飛行機は着陸態勢のランプが点いた直後に寝てしまうほど疲れていた.ランディングの衝 撃で起き る.空港エキスプレス(170NOKとメチャ高!)で市内駅まで,もう夜の11時をはるかに過ぎる.さすがに白夜の帳も降りて暗い.迷うことなくTAXI乗り場に他の 乗客と向かう.肌の浅黒い運転手のTAXIに乗る.宿舎の「コックスペンション」のネットのプリントアウトを見せてホテルまで151NOK.ランナバウト を器用に乗り換えながら車はホテルへ. (先にFinAirで着いていた娘は143NOKと行ったからちょっと遠回りをされたのか).程なくホテル前に到着.50NOKのおつりをくれたので 1NOKはまけてく れたみたい.ホテルの入り口を教えられ,荷物も降ろしてくれて親切.ガイドブックに不要とあったのでチップは渡さず.
 深夜なので玄関が開いていなかったが,ボタンを押すと開いて,早速2階のレセプションへ.若い兄ちゃんが対応.ちゃんとこちらの名前だけで予約が通って いる.このあたりはITが発達したオスロらしい.何か聞き慣れた音楽が結構な音量でかかり出す.部屋に行く途中で荷物の底に入れた携帯の目覚ましだと気づく.日本時間の朝の7 時前なのだ.携帯の目覚ましは電源を切っていても勝手にONするのだ.知らなかった.
 部屋は415,一番奥の部屋で,先に到着した娘の部屋はフロントで408とわかる.早速訪ねると,起きてきた.外国への一人旅は初めてなので心配したが 無事な到着 を祝う.娘の部屋は細長く,自分の部屋は正方形に近い.いずれもバス,シャワー付きで540NOKは日本の感覚からは高いがオスロとしては格安.電話がな いので,いちいち娘の部屋へはノックしないといけないのが玉に瑕.夜1時頃,もう倒れるように眠って朝6時に目が覚める.

&bigstar;2008 08/05(火) ム ンクの生地で,観光地を駆け足見学.「ムンク酔い」が心地よく,白夜も消えた未明に時差ぼけで起きる.
 外はもう明るい.7時すぎまで荷物の整理などで時間をつぶす.7時半ころ娘の部屋をノックするともう起きていて,8時過ぎにフロントで朝食の券をもら い,すぐ近くのカフェへ.システムがよくわからないのでカフェの兄ちゃんに聞くと,その割引券は59NOKで朝食代になる券らしい.ホテルの食堂の朝の バッフェが59NOKというのと同じらしい.早速例の北ドイツでもあった,パンとチーズとハムにゆで卵,サラダ,ツナなどが選べる質素ではあるが結構うま い朝食を取る.コーヒーはミルクを入れたビンも別にあって,何杯でも飲める.途中で支払いをしていないことに気づき,あわてて先ほどの愛想のいい兄ちゃんに支払う.途中でイタリア人旅行者が来たときにイタリア語で話していたので多分イタリア人だと思う.
 9時前に一旦ホテルに引き上げ,手荷物を持って1日目の観光に,王宮はすぐ裏でその中の道を通って石畳の道へ.ここが本道らしい.朝早いので王宮は閑散 としている(あとでわかったが衛兵の交代する儀式のある昼過ぎにはここがごったがえしてくる).写真を撮ったりするお上りさん状態で,駅の方角へ.かなり 歩いて市中央駅に到着.早速オスロパスを買うために案内所を探すがこれがなかなか見つからない.娘の指摘で一旦外に出て,Iの大きな看板を見つける.同じ ような旅行者が入ろうとするがドアが閉まっている.どうも入り口は別の1階の方みたいでそちらに回る.もう旅 行者で結構混んでいて,入り口の機械でボタンを押して数字の待ち番号をもらい座る.ほどなく順番が来て,若い女性スタッフからオスロパスを2日分,2枚購 入 する1人320NOK.スタッフは使い方を教えてくれてムンクの絵のパンフレットをくれる.至って親切.オスロというか,前のアムステルダム以来,人がみ んな大変親切で好印象.
 あと中央駅に戻って入り口に近い,両替所で,JPYをNOKに交換.ここでも順番待ちの紙を機械から出すしくみ.このあたり結構この国はしくみが徹底し てい る.3万円で確か1400NOKくらいで,1NOK22円台のレートで関空よりはかなり得.それでも公定レート(このときは21円)に手数料が上乗せされている.
 早速,「ムンク美術館」へ交通手段を探す.トラムとかバスとかあるみたいだが,最初なので乗る番号もよくわからず,結局そのあたりに入り口があり,一番便利そうな地下鉄を使う.最 初に改札口(無人)で機械にオスロパ スの折った部分に日付時刻を刻印.何度か試してやっと成功.あとは2駅.これがどちら向きかがよくわからないがとりあえず来た電車に乗って,2番目で TOYENという目的の駅に着 く.ドアのボタンを押して降りるのはアムスと同じ.
 美術館の方角がよくわからないので持参したGPSで調べるがよくわからない.娘が地図で適当に方向を言う.地図音痴の割には今回の旅行では目的地や場所 を探すのがうまく結構重宝する.娘の意外な一面を知る.ほどなく近代的な建物の「ムンク美術館」.セキュリティチェックが厳しく,荷物は地階のコインロッ カーに.そして入り口の金属探知機を通る.早速美術館内部へ.どの部屋もムンクの代表的作品.数部屋まわるだけで,もう「ムンク酔い」が始まる.1点1点 見るのもい いが,全体の雰囲気をできるだけ楽しむことを心がける.数年前にここから盗まれ,傷ついた「叫び」と「マドンナ」の修復作業を示す特別展示をやっている. この作業やこの本館の建て替えにも日本の出光石油が随分な費用を負担したとか.意外と日本企業もやるではないか.感謝のプレートがある.
 叫びのボール紙に描かれたものは,美術の教科書の絵(これは後述する「国立美術館」のものらしい)とは少し色合いが異なり,もっとペイルカラーの感じで 陰鬱な感想.とくに顔の部分がやや緑色に見えるのが特徴と見た.あと油絵の作品も1点あるがこれも少し色合いが異なりまた小さかった印象.マドンナは版画 とその着色が壁一面に違いがわかるように並べてあ る.「死の舞踏」などもあるが,これは「国立」にもあるので,何枚も同じ油絵を描いていることがわかる.フラッシュを使う以外の撮影はOKなので,幾つか 控えめに写真を撮る.ビデオを構える白人の兄ちゃんもいる.
 とにかく心地よい「ムンク酔い」のまま娘に促されて出口へ.早速ショップで,解説書,黒い帽子を買う.しめて400NOKくらいと結構高い買い物.この 国は本当にお 金がかかる.それ以外はいいとこばかりなのに.
 このあと,隣接する「地質博物館」をさらに見学.もうここは地質と鉱物の国「ノルウエイ」を象徴するような建物で,日本の地質博物館5軒いや10軒分く らいの見事な標本の連続.建物は古く一部の標本も古いが,その展示の質は驚くべきもの.見事な標本に狂喜して写真をとりまくる.あきれて座っていた娘を連 れて,外の植物庭園も見学.今度は見事な庭の花々を写真に撮りほとんどお上りさん全盛.途中で真夏だというのにセミが鳴いていないことを指摘.植物園の階 段を上 るとき,砂が赤いのに気づく.ラパキビ系の砂だろう.その後,衛兵の交替を見るため王宮まで同じ地下鉄で戻って(駅は中央駅を通り過ぎて国立劇場前,全部 オスロパスなので気が楽),地下鉄の出口のコンビ ニで昼食を買う.ウインナーをパンにはさんだものが25NOK.娘はベーコンまで巻いた37NOKのものを選ぶ.オレンジジュースが13NOK.こうして 考えると朝食の59NOKがかなり安く思えてくる(日本円には20倍して少し足す).ベンチに座って王宮からの人並みを見ていて,ふいにサングラスを美術 館のロッカーに置き忘れたことに気 づく.娘は荷物を出すときになかったというので荷物を出すときに落としたのかも知れない.
 観光客が列を作って見る,王宮の衛兵の交替を途中まで見て,早速地下鉄で美術館に引き返す.最初にセキュリティの人に聞いたときはそれは届いていないと いい,地下のロッカーも隈なく探したがない.仕方なく入り口に戻るとセキュリティの人が替わっていて,駄目元でもう一度誰か預かっていないだろうかと聞く と,ショップの女性に地元語で伝えてくれて,難なくショップで預かっていてくれたサングラスが戻ってくる.踏まれたのかレンズの下の方に小さくプラス ティッ クの接着の剥離が見えるが,それ以外は十分元のまま.拾って届けてくれた人に感謝!またノルウエイの治安の良さに感動.飛ぶように地下鉄で戻る.再び王宮 前の駅で降りて買い物をしていた娘と合流.電話BOXで自宅まで国際電話を初めてかける.日本語のガイダンスが書いてあって極めて簡単.カード番号などを 入れて自宅にかかる.無事到着してエンジョイしていることを報告(注意:このカードを用いた電話の請求はあとで帰国してから着たが1分ほどで5000円あまりと極めて高価.ここはやはりコインを入れる方法の方が良いみたい).むこうは夜の10時前.こちらは昼の3時前.
 これで後顧の憂いが取れ,次の訪問先,オスロ大学の 裏にある「国立美術館」もちろんここでもお目当てはムンク.入ろうとするとここでも韓国人観光客が大挙してやってきて入り口を占領.しばし待つ.他の観光 客も呆れ顔.リュック はロッカーに預けるとのことで仰せに従う.これ後からガイドブックにあったが,振り向いたときに荷物で絵を傷つけない配慮らしい.ここには門外不出の「叫 び」と「マドンナ」,「少女」など有名な絵が真ん中の特別室にずらりと展示.この館だけ,写真は撮れないが,ムンク美術館より「叫び」の展示の部屋の明る さが明るいの で色彩の微妙な点ははるかにみやすい.ここの展示が見慣れた教科書や画集の絵であることがよくわかる.ここの「叫び」は意外と大きい.
 あとの部屋はセザンヌ,ゴッホ,ルノワール,マチスなどこれも有名な絵が数点ずつあるが,もうムンクを見るだけで満足な私には刺身の褄程度の感激か.死 ぬまでにムンクの本物をしかと見るという若い頃からの夢の一つは今日ようやく果たされた.
 ムンクの感激も醒めないまま,娘の推薦する市庁舎へ.歩いて10分ほど海側に茶色の近代的な建物が建っている.内部の見学は有料と聞いていたが,ここも オスロパスの威力は抜群,40krあまりの料金をフリーで見学できる.小さな丸いシールを服に貼るのが入場証の代わり.これはムンク美術館も同じ.国立美 術館のみ,もともと無料だった.観 光ガイドの記述を思い出す.例のアルゴアとIPCCの座長のインド人がノーベル賞をもらいスピーチした記念の場所.広さもすごいが天井の高さと周囲の絵が 凄い.まあ 内部をぐるっと一周するうちに気づいたが柱や床に使っている石材にびっしり化石の入ったものがある.見事なクサリ珊瑚や蜂の巣珊瑚,ウミユリなどを写真に 収める.外の床にはラパキビ花崗岩や結晶片岩を薄く割った敷石(これはオスロのどこでも見られる.切断面の雲母が光ってきれい).またラルビカイトなど. 特にこれは風化すると独特の輝きを失って普通の石に戻るのが面白い.
 波止場の見事な風景を見ながら次はお城へ.本当に波止場とそれにせり出す城が見事に調和した街である.城の城壁の途中にひっそりとある「レジスタンス博 物館」に気づく.早速入場,ここでもオスロパスが有効.もう元は取れたのではないか?午後5時に閉まる寸前の25分ほどで慌ててみて廻る.開いている時間 に間に合って極めてラッキー.館内は見学者も少数で閑散としているがノルウエイのレジスタンス達の苦労がしのばれる.すべて本物の兵器や当時の手紙,資料 などを展示している.展示の仕方が見事と娘の指摘.最後の方の展示でどうしても,ここで探したかった重水生産工場にまつわる「テレマーク要塞攻撃」の資料 と映画があった.やはりこれは本当にあった出来事だったようで,当時のコマンドの服や落下傘降下の模型まである.また重水の生産筒の展示もあった.また独 自に電子機器や兵器を作った苦労,ゲシュタポの尋問の過酷さなどの展示.すべて写真に収める.5時閉館とともに見学終了.小さな外観からは想像できないよ うな,結構広く資料も豊富で,時間は短かかったが見ごたえのある博物館.
 夕方の時間帯に入ってもまだまだ昼のような港の風景と城の石材の見事さをみつつ,最後の地点の砲台へ.ここでオスロフィヨルドの全景が見渡せる.あとも う少しというところでカメラの電池切れの警告.だましだましあと数枚をゲット.朝から歩き詰めで足が痛くなったという娘の仰せにしたがい,今度はゆっくり と駅まで夕食の算段をしに帰る.
 オスロの街を歩いて気づくのは本当に人種の坩堝のような人々.圧倒的に多い長身で透き通るような白い肌の白人,そして少数ながら見事に髪や服を飾った黒 人女性,ベールをかぶったムスリムの女性,どこでも自国語で声高く話すチャイニーズの若者,そして路地にときどき物乞いで座ったり,アコーディオンを陽気 に奏で るジプシーの人々.ヨーロッパの昔とは異なる多様性の原点みたいな風景を見れる.娘の話だとパリよりも圧倒的に日本人が少なくその点がよいとのこと.なる ほ ど日本語を聞くことが数少ないのはここの特徴かも知れない.
 夕刻,再び観光客でごった返す旅行案内所のビルで,長く待ったあとオスロからベルゲンまでの「ナットシェルクーポン」を購入.親切な女性スタッフPCを たたいて印刷してくれた3枚綴りの旅券が1240NOKでこれはネットで調べたのと同じ.もちろんカードで決済.これでこの旅行の最後の手続きが終了.あ とは夕食を探して駅隣接のショッピングセンターへ.ところがどこも高そうで,今日はスーパーでみやげと食材をしこたま買い込む.まずは土産にチョコレー ト.これも7-20NOKくらいで多種.ビールの高さに驚く.500ml缶はどれも50NOK前後(これどうも間違いで実際は25-27NOK).1本1000円を越 す勘定になる(600円くらい).うわさには聞いてい たがこれほどとは.ビール好きにはとても耐えられない国柄.ドイツに比べて10倍以上値段が高い!どの食材も高いので仕方なく,パンとサラダセット.胡椒 ハム,ミネラルウオーター2リッター16NOK(これあとでわかったけど例の炭酸入りのやつ).プラスティックコップと紙皿が数枚セットになったものも高 い(それぞれ16NOKく らい).日本の百均ショップが神様に見えてくる.
 それらを買って地下鉄でまた王宮まで戻り,歩いてホテルへ.長い1日の観光が終わる.早速娘と夕餉.TVでサッカーの中継をしている.プレミヤのリバ プールと VIFというチームの試合.そういえば国立劇場駅に近い広場にやたら赤いユニフォームを着たサポータが終結して気勢を上げていたのだ,この試合のためだっ たと判る.どこかオスロ市内のサッカー場か?
 早速昨夜,フロントで借りたなべでお湯を沸かす.ダイアルを3に合わせると意外と早く沸く.さすがに240V.さっそく「どんべい天そば」を娘と分けて 食べる.うまい!あと買ってきたパンを10徳ナイフで切って,サラダやハムと一緒に食べる.Ringnesラガーというビールがうまい!調子にのってハイ ネケンまで開けるがこちらはピルスナータイプで水のようにくせがなさすぎ.明日からはこのラガーにしよう.
 ということで,この日は9時すぎには知らない間に電気,TVつけっぱなしで眠り込む.ところが朝の3時にジェットラグで目が醒める.日本はもう昼前.と いうことでこの日記をしたためる.ようやく2時間あまりで終了.あと学会の方の日程などを調べることにする.朝はオスロフィヨルド方面を訪ねる早い予定な ので,もう眠らないだろう.このホテル昼間も夜もほとんど他の客の音がしない.防音はとてもよいみたい.古いホテルだが,窓からは王宮の公園が見え外観も 想像していたよりはるかにきれい.ということでやっとオスロ2日目の日記は終了.

&bigstar;2008 08/06(水) 今日は一転雨.オスロフィヨルドツアーのボートに2時間.陰鬱な景色になぜか 宮沢賢治を思い出す.
 朝は一転雨になった.深夜に起きるが,何とか6時すぎまで眠る.朝からまたまた近所の例のカフェに朝食.今日は結構混んでいる.も うシステムにも慣れたのでチケットを渡してお金を払い,バッフェの選択.ところが今日はパンがない.仕方なくやや硬いパンを薄く焼いたのような何とか言う このあたりの食材を3枚選ぶ.チーズも掬い取る器具があるが,難しそうなのでやめる.コーヒーもほとんど空だったが,店の女の子が入れてくれる.昨日と 打って替わって混んでいるのは,やはり学会の影響か?公式には今日の午後からセッションがあることになっている.
 今日のメインはオスロフィヨルドのボートツアーと少し離れたビグドイ半島に幾つかある博物館に絞って,まず港の方に歩いて出かける.雨はときおり傘が必 要な感じで降っ てくる.地元の人は結構傘を持たずに歩いていたりするが,我々は王宮広場で早くも傘を準備.ほどなく市庁舎前に着く.市庁舎の右側を通って港の桟橋に出 る.中央にオスロフィヨルドツアーの看板があり,値段表の2番目に書いてある2時間で200何NOKかのツアーを例によってオスロパスで15%引きで 200ちょいで購入.それでも5000円近くしているのだが,もう値段の感覚がわからなくなってくる.朝10時半のスタートとのことで,しょぼ降る雨のな か,桟橋の先端まで行って,城や帆船の写真をとりまくる.やがて船の出港時刻が近づくとようやくそれまで忙しく船の準備をしていた船長が乗り込むように指 示.団体とか一杯待っていたように思えたが,気づくと乗り込んだのはほんの20人に達しないような人影まばらな状態.乗り込んでからそうそうと気づいて, 民族衣装のガイドの女性にどちらのサイドがお勧めかと聞く.教えられたとおり,左側に座る.これが大正解.多くの景色の解説は左側が7-8割を占めてこれ は効果的だった.朝から機嫌がいい.雨は時折激しくなったりして,天井から水漏れの席は誰も座らない.ただガスはほとんどなく,結構景色はきれいにみえ る.右回り で湾内をぐるっと廻っていく.城からスタートして,段々湾内を下っていくと,そこかしこにきれいな地層が現れる.地質図ではおそらくオルドビスからシルル あるいはさらにパーミアンまでオスロリフトに溜まった堆積岩のようだ.これはまた数日後に別の場所で詳しくみることになる.
 さらに下ると別荘が立ち並ぶ島などが次々と現れる.小さなボートハウスが海沿いに並び,斜面に点在する別荘の風景を写真にとる.やがて両岸迫るフィヨル ドらしい海峡を通過.このあたりがこのツアーのクライマックス.窓ガラスがなく,すどうしで空いている後ろへ行ってみんな入れ替わり写真やビデオを撮って いる.地質が興味深いので,そのあたりを中心に写真と動画をばんばん撮る.3日目になったが4GのSDカードはまだまだ余裕がある.若くやや恰幅のある民 族衣装のガイド嬢は王室の別荘の話など時折,比較的わかりやすい英語で話す.他にドイツ語やスペイン語もわかると言っていた.右前に座った3人の中国人の 研究者風の男達がいちいち話しにうなづいている.日本人は娘と私だけ.日本人の旅行者はそれほど多くない街である.船室では飲み物も飲めるようで,若い兄ちゃんが注文の表をみせにくる.後ろの老夫婦は エスプレッソを頼ん でいた.我々はもちろん高いのがわかっているので断る.
 広い湾内に戻ってくると段々と雨脚が激しくなり,遠くの景色が曇ってくる.思わず表題の宮沢賢治とその詩に書かれた北上川の風景が「心象風景」のように 浮かぶ.湾内の景色の特徴としてビーチが少なく,岩石が直接露出する海岸が多いと思っていたら,早速ガイド嬢が同じような話をする.左手奥に数少ないビー チがあって,そこはヌーディストビーチだという.持参したGPSはきれいに軌跡を描いている.オスロが近づき大きな豪華客船が見えてくる.キールに向かう フェリーだと説明.
 ほどなく,元の桟橋に戻る.出掛けにガイド嬢に追いつき,娘と写真を撮ってもらう.興味深かったと感想をいう.娘がガイドブックに書いてあった,最近港 にできたショッピングセンターを覗くというのでそちらに向かう.何か神戸港にあったショッピングセンターにも雰囲気が似ているがたぶんあちらがこちらを真 似したのだろうか. 中央駅の周りの店との違いや,一言で高級感あふれるディスプレイと客層にある.まばらな客層はあきらかに高給取りのイメージ.幾つかの店や建物を見て廻 り,昼食を物色するがどれも高そう.仕方なくDeliと書かれたスーパーのようなところでイタリア系のパンにチーズとハムを包んだものがペプシ1本とセッ トで49NOKというのを選ぶ.もうひとつ甘いパンを買って,店の奥の冷蔵棚のペプシを1本抜いて,パンが温まるのを待つことしばし.店の奥に何席か座れ るよう になっているところで昼食.何かシートがどこも汚れているのだがまあ仕方がない.大体こちらの人は電車の中なんかでも平気で座席のシートの上に靴を載せて いたりする.このハム&チーズの包み物なかなかうまい.朝も腹いっぱい食べているので娘と半分づつ食べても量は十分.
 昼食後,早速博物館見学にでかけるためのビグドイ半島に渡る船に乗る.ロシア人のご夫人方とおぼしき団体が桟橋を占領しているので,これも心配していた がそれほど混んでは来なかった.船では朝方港にいたレゲースタイルの黒人の若者がきびきび働いている.船は朝方飽きるほど見た湾内を10分で渡る.ビグド イの桟橋(2箇所あって,後で着く方に上陸)で朝の豪華フェリーがデッキに鈴なりの乗客を乗せて出航していくのに出会う.
 船から博物館は目と鼻の先.まずフラム号記念館.ここの博物館はすべてオスロパスでOK.もう2日で十分元は取った感じ.だいたいこの船が何をしたのか がよく わからないが,どうも北極と南極に最初に本格的に出かけた木造船だとわかる.ここの博物館の特徴はすべて船を建物内に囲いこんでいること.ショップで売っ ていたペンギンのぬいぐるみがかわいくて欲しかったが高いし,またどこかであるだろうとやめて,次にむかう.コンチキ号とラー号が並んで飾ってある館.も うどんどん観光を消化していく気分.さらに海の博物館.ここのワイド大画面映画はよかった.あとの2つの博物館は少し離れているので,2台連結みたいなバ ス に乗る.これが結構遠回りをして次の博物館に到着.まず,バイキング博物館.3台の発掘された木造の手漕ぎの船を展示している.十字型の建物がなかなかな もの.もう写真を撮るだけでどんどん進む.最後が民俗博物館.と言ってもこれは広大な敷地に博物館や昔の古い家屋が展示されてあるスタイル.千里の民博み たいなものか.とても全部は 見て廻れないので,フロントのスタッフにお勧めと聞いたフォークダンスを探す.ところがこの場所がなかなか見つからない.まごまごしていると,何か民俗衣 装 の男が立っていたので聞くとそこの小さな家屋の中で行うらしい.6畳くらいの広さの部屋.薄暗くろうそくがともしてあって,客は我々ともうひとりだけ.や がて自己紹介が始まり,先ほどの男の人がバイオリンを弾き,女の人が2人で踊る.写真を我慢していたが暗いしフラッシュを焚かないと写らないので思い切っ て撮る.待っていたかのようにもう一人の客もカメラを焚いた.また数人の客が入ってきたなかで2曲踊ってくれて,最後に記念写真を撮ってくれた.なかなか よい踊りと客.娘が何か物悲しさを感じる曲だとポツリという.
 リズムは速いが,アイルランドの民謡にも共通するマイナー調のいい曲だった.あと残った建物を幾つか見学.最後に教会の展示を見て本日の見学は終了.今 度はバスで市内に戻る.何か空いている席だと思ったら老人,身障者用の席だったようで途中で気づいて席を替わる.
 娘の言っていた目当ての王宮の方からはどんどんそれていく.中央駅の近くであわてて下車.店をまわるという娘と別れて,一旦ホテルに戻り,懸案だった学 会のレジストに行くことにする.荷物をあらかた楽にして,もう何度も乗ってだいぶ慣れてきた地下鉄に飛び乗って,中央駅へ.さてところがここでなかなか Localの電 車のプラットホームがみつからない.何とか見つけて,6時20分のオスロコンベンションセンター最寄り駅を通る電車に乗る.プラットホームで同じように電 車が駅に止まるか聞いている中国人カップルに便乗してこちらもたずね,その電車に飛び乗る.座席でノートPCを開いて場所などを確認していると珍しく駅員 がやってきたので,オスロパスを見せると怪訝な顔でどこまでだと聞くのでリレストロムだというと,その学会なら首からかけるパスをくれるからそれを首にか けてくれ.今日は問題ない.なんて感じで言って立ち去っていった.
 トンネルに入って結構早く10分ほどで駅に到着.降りる人はもうみんな学会関係者に見えてくる.あきらかにこれだとわかる赤い紐のパスをぶらさげている 人や,青い学会バッグみたいのを持った人もいるのでその人たちについていく.5分くらい歩いてとても大きなコンベンションホールに到着.さっそくレジスト しようとするがどこかよくわからない.Pre-registrationと書かれたずらっとPCをそろえて何人かのスタッフがいる方の列に並ぶ. confirmationのメールを見せるとすべてスムーズに運ぶ.名札を印刷してくれて各種チケットがひと綴りになった紙をもらい,バッグは後ろでも らってくれといわれて,反対側の白い札のカウンタで聞くと,バッグをもらえる場所を教えてくれた.そこのアルバイトの兄ちゃんにチケットを渡して早速その 青いバッグをゲット.中にプログラムが入っていてずっしりと重い.でも何かバッグの青い印刷が端の方で剥げているみたいでちょっとセンスはどうかなっていう感じ. でもこのバッグをもらったことで俄然,学会に来たなという実感.あと少しそこらを歩いて,各種ブースを出している出品風景やポスターの会場をちら見して帰 る.まだ客はほとんどいない感じ.ブースのスタッフはみんな暇そうにしている.本当はこんなときが各種無料プレゼントをゲットするチャンスなのだが,今夜 は娘とまだ夕食の買出しもあるので我慢してそうそうに会場を出て,駅にとって帰す.オスロ行きのホームを探して駆け上がると,見知らぬ中年男にオスロに行 くのかと聞かれる.何か怪しそうな男なのであまり相手にしないようにしていたが,どうもダイレクト(急行)はこのホームでいいと教えてくれているみた い. 電車が来てそれに乗るとそのとおり合っていた.ホテルに帰って娘と合流.約束の時間に20分ほど遅刻.これが原因で夜近くのスーパーを探して,ビールを買 うが夜8時 を過ぎているからとビールだけ売ってくれなかった.この夜は買ってきた冷凍ピザを電熱で焼こうとするがアルミホイルで包む方法がまだ未熟でうまく焼けな い.焦げてし まいあわてて窓を全開.何せフライやステーキは禁止と壁に貼ってあるので警報が鳴ってフロントから怒られないか気が気でない.おかげでこの夜の夕食は昨夜の飲みかけを 冷蔵庫に入れ てあったハイネケンと同じく昨日の残りのペッパーハム,パンのかけら.ついに2個目をこの日に開けた日本から持ち込みのドンベイということになる.アル コール不足なのでアム ステルダムの免税店で買ったブランディ(CamusVS)を水割りにして飲む.あまりおいしくない.荷物の整理などでいつの間にか眠る.夜中に電気とTVを止 める.4時半ごろ起床.この日記を書く.

&bigstar;2008 08/07(木) 人種の坩堝のようなメインストリートに聞きなれたフォルクローレの響き.感動 して10krを皿に置く.
 今朝は,娘が日本に帰る日なので,朝早めにいつものカフェに.朝食券が切れていて,店でホテルに宿泊と言って朝食にありつく.昨日とは打って替わって静かでまだ 客は2人だけ.ゆっくりと朝食を取る.娘のチェックアウトに部屋を出ようとしたとき,向かいの部屋の白人夫婦に出くわす.相手も同じ青のバッグを提げてい て,思わずsameなどと口走る.人のよさそうな人でこれから娘を見送りだというと笑っていた.チェックアウトはTVのリモコンと部屋のプラスティクキー を返すだけ.荷物を引いて王宮前でたまたま写真を 撮っていた陽気なブラジル人のおばちゃんに(娘いわく夏木まりみたいとのこと)に写真を撮ってもらう.オブリガードを返す.
 中央駅まで出て,,荷物をコインロッカーに預ける.システムがわかりにくいが娘が器用に機械をあやつり,自分のロッカーの暗号のレシートをしまう.2万 円をさらに土産用に両替することを頼んで,学会会場行きの列車に乗る.同じ車両のうるさい親父がまわりのしゃべっている客にここはサイレント車両だと言っ て追い立てている.ちょっとPCもたたきにくそうだし,娘の両替も気になるので,両替所にとって返すが,もう娘の姿はなし.列車は一瞬の差で乗り遅れる. 次はローカルしかないけど,25分で着くというので,これに乗ることにする.駅構内にやたら多くの職員かアルバイトの姿があって,オレンジのパスの紐を下 げる我々に案内のサービスをしてくれる.これはありがたい.列車は旧型の車両でゆっくりとトンネルでないほうの路線を進む.となりの他国の参加者のしゃべ り 声にうんざりしながら,これをたたく.そして何とか会場に到着.あとは勝手しった道で会場へ.まだ少し早いので早速テーブルに用意されているコーヒーを入れてまだ混んでない,カ フェのテーブル隅の席に座ってまたこれをたたく.あっという間に開演の時間であわててお目当てのD1へ.1分前なのにもう司会が始まっている.聴衆は60 人くらい.
 最初はW.Soon.米国ネイティブの中国人なのか,早口で米国なまりで聞き取りがとても難しい.要点を何とかメモるが何かモデル計算の悪口を言ってい た のはよくわかる.モデルに入力なしで計算させても結果に1.8%の変動が出る.何これ!みたいな論点らしい.あとお目当てのSvensmark先生.何か 落ち着いていてネイティブではないしゃべり方でときどきつまって英語が出てこない様子.太陽についてHow much we do not knowを知る必要がある.他の太陽と同じような恒星を調べmodulationを知る必要がある云々の話.グ ラフと式が次々出てきたので途中で,わからなくなる.結構きっちりと物理メカニズムを考えているようだが.Classic Forbush effectというのが出てきた.次がT.Aloanで,この人の英語はよくわかった.自分は気象学ではなく物理が専門だと断りを入れる.で も式がでてきたので後は同じ.途中なんかニュートロンのフレアのときにイオン量がほとんど増えていない云々の話があり,これはCosmic-Ray説の反 証?とか思ってしまうがよくわからず.IPCCは上層,中層,下層の雲量を混ぜるtrickをしていると手厳しい.最後は早口のUSGSのおじさん.ミシ シッピの洪水の分析.ロッキー山脈を越える高層の偏西風が気圧の谷のときには洪水が起こり,尾根になると旱魃が生じる.ミシシッピの洪水の時期は太陽活動 とリンクし,しかも海塩循環に34年のディレイがあり,イ ンド洋のモンスーンはほとんどディレイなし.これは降水域である.インドネシアとの距離差がほとんどないためだという趣旨.世界のデータでそれぞれの場所 の海塩循環とのディレイ(時間 差)が確認できた.30数年前からのデータを使えば次の洪水の時期を予測できると鼻息あらい.このセッション,連合大会のときもそうだがもっと華々しい戦 い があるかと思いきや,一人文句をいう御大がマイクの側にいるだけで,あまり質問の手が上がらない.何か肩透かし.というよりみんなあまりこのセッション 内容に詳しくないのではという気になってくる.詳しくメモを取るのもまわりの数人の学生風の人だけ.写真をとる人も少ない.どうなっているのかなあ?
 やっと午前の部が終了.ロビーに出ると早速みんな昼食の白い箱をかかえている.探すと壁の前に箱が大量に積んであって女性がほほえんでいる.早速いただ くがベジタ リアン用とわかる.もう手を出していたのでそれでいいともらう.コーヒーを入れてどこか座るところを探すが,もうロビーの床にみんな座り込んでいるので, 壁際の端 の方にすわり.食べる.さすがにベジタリアン用はレタスと豆であまりおいしくない.コーヒーで流し込む.前にインド人の数人がいて,旧知のS氏らしい姿を みるが声をかけるのは,遠慮する.まだ娘の待ち合わせ時間に間があるのでPCでこれを書く.
 昼飯後の中断のときに,カウンタで明日の巡検の集合時間などを聞く.あれ,サイトにあったフィールドガイドの待ち合わせ時間より,30分早くなって,8 時になっている.大丈夫かな?あとポスターを少し覗いて帰るが,ポスターの板が信じられないくらい高いところにある.これ脚立がないと絶対に貼れない.し かもこちらが考えていたように画像をメガネで見てもらおうとすると,地図の配置を下にしないといけないので配置を考えないといけない.これは困った.
 再度,中央駅に帰る電車に乗ってこれを記す.あとは娘を空港まで送っていくのだがこれがまた高くつく.また学会参加証では地下鉄は乗れないということ で,明日 以 降結構歩く必要が.と思ったが明日と明々後日は巡検なので集合は近くでよいということで−−.PCのバッテリが50%くらいになってきたが,結構原稿を書 くのに重宝 する.ときどきカーソルが飛ぶのに閉口.色々駅の切符売り場で駅員に聞いて,在来線で行こうとしたが娘は飛行機をリコンファームしていないので,早めにつ くのが肝要と いうことで,FlytoGetという来るときにも乗ったエキスプレスにする.170NOKは関空までの半分くらいの距離で3500円はないよという感じだ が,仕方がない.時 間を金で買うことに.小用をするためにノルウエイで初めて列車のトイレで用を足す.これがまたなかなかボタンがわからず結構苦労.ロックやドアの開閉がす べてボタン処理になっている.ようやく空港に到着.娘の乗るフィンエアーのカウンタで並ぶが,赤いTシャツの団体が占領していてなかなか前に進まない. 20分は並んでやっと航空券を確保.荷物は別のカウンタに持っていくとのことで,それを探す.最後にセキュリティの列がものすごく伸びているので早めに並 ばせる.あまりの列にセキュリティのゲートが途中で2つほど開けられた.1列回ったところまで見届けて,もう大丈夫と空港を後にする.
 朝の予想では16℃と寒いので,今日は秋用のズボンとセーターを着ている.天気は晴れ間も出るが曇りがちで雨も降るというなんともオスロ的な天気.本当 に宮沢賢治 のトシ子を見取る霙のシーンが思い出さされる.dimlyという英語が口をつく.アイルランドやスコットランドと同様の湿り空というのか.というところで 学会 パスで乗った普通電車は オスロ中央駅より先に学会会場の駅についてしまった.なるほどそういうルートなのかと後で解る.
 というわけで再び学会会場.17hころ.すでにオーラルは終わっているので,ポスターをざっと見る.地質学史みたいなセッションのミシシッピ大学の人が 極地の探検を 教材にしているのを見つける.話をしたかったがどこにもいない.仕方なく,置いてあった名刺をもらって帰る.あとノルウエイなど幾つかの地質調査所の無料 の資料をもらって帰る.
 帰りはたまたま来た電車に飛び乗るが,残念ながら各駅停車.ちょっと時間がかかる.今日はビールを買おう!この電車も車掌がやってくる.一応名札を見て いる.あ と今朝の講演は他のセッションや通路の音がちょっと大きいのが気になった.英語がわかりずらい上にうるさいのは気が散ってかなわない.聴衆もうるさいなと いう顔をしていた.
  さてあとは明日の巡検に備えてホテルに帰って下調べなどを.もう娘はバルト海の上だろう.と中央駅からの地下鉄はもう2日間有効のオスロパスが効かなく なったので, 王宮まで歩 いて帰る.娘がいなくなり,何となくさびしくなったと歩いているとどこかで聞いたような音楽.途中の道すがら,インディアンの衣装をつけたフォルクローレ のバンドが,例の物悲しい曲をやっている.バンドメンバーの小さな子供が小銭を入れた皿をかき混ぜていてその母親に叱られている.なかなか聞き応えがあ る.3曲聴いてよかったので,10NOKを皿に入れて帰る.CDは以前に買ったことがあるのでここでは買わず.ホテルに着くまで頭を離れない サウンド.オスロでフォルクローレを聞くのもまた楽しからずや.
 荷物を置いて夕食の調達.途中のセブンイレブンはメニューは豊富だが少し高い.少し覗いただけでやはり向かいにあるいつものKiwi(スーパーの名)に する.今回はビールも3缶取り揃える.パンを2 個買って200NOKでお釣りをもらうが,ホテルに帰って釣りを計算するとかなり多い.どうも計算を間違っている感じがする.ビール1缶25NOKくらい の計算になる.おかしいけどまあいいか(いえこれがただしかったのです.自 分が勝手にビール1缶49NOKと間違えていた).
 部屋のTVのCNNは北京五輪一色.濃いスモッグを伝える.サッカーは負けたみたい.学会会場の無線LANでの情報.初戦敗退とは情けない.職場のメー ルしか見れないのが困 る.私用のメールのアクセスの設定をし忘れている.
 地元のサッカーとCNNを交互に見ながら今日は早く寝ることにする.

&bigstar;2008 08/08(金) オスロ5日目.人種の坩堝のようなこの国のメインストリートを歩くのもようや く板についてきた.
 早朝,何度も目が醒めるが5時半まで我慢してやっと起きる.徹夜でつけておいたTVではCNNが北京五輪カウントダウンをずっと放送している.キッチン の電熱で 湯を沸かし日本から持ち込んだドリップコーヒーを入れる.240Vで早く沸く.これでカナダの時みたいに,ピザを焼けるオーブンがあればいうことないけ ど.昨日の 買い置きのパンとお気に入りの胡椒ハムでの質素や朝食.今日からは学会で出される食料(といっても粗末な昼食だけ)をメインにできるだけ切り詰める方針.
 今日は集合が8時でしかも,歩いて10分ほどの近くなのを確認したので,結構余裕がでた.民俗博物館にも展示があったようにこの国が白人の国であるとい う思い込みは間違いだと気づく.ありとあらゆる人々がいて,しかもアジア人では日本人が少ない.日本語を聞くことが少ないのは観光地としてやはりマイナー だからかもしれない.花が咲き乱れているのと虫が少ないのも特徴.ホテルの窓を安心して開けていられるのは日本の夏と大違い.和辻哲郎のいうとおりをいつ も実感.CNNの天気図はイギリスからスカンジナビアにかけて,低気圧の墓場のようにあるいは極前線の非武装地帯のように,このあたりに前線と低気圧が湧 いている.
 あとの心配は土曜日にどのように余った荷物を日本に送るかなのだが−−.
 午前7時半ごろ,ホテルを出て巡検集合場所に向かう.王宮を過ぎて,旧大学会館の前で一旦,電話を探して自宅に電話.ちょうど娘が帰宅した時間と同じと いう奇 遇.飛行機は延着したが無事帰宅とか,とりあえず無事を祝う.その後待ち合わせ場所にいくとすでに3人ほど先客.みんなロシア語をしゃべっている.挨拶を してその中 の男の人と話す.モスクワの博物館で仕事をしていて,いろんな場所を巡っていると言っていたが,日本には行ったことがないという.自分もロシアには行った ことがないというとうなづく.彼はリフトのでき方に興味があると言っていた.
 8時を過ぎて,やっとオーガナイザーがタクシーでやってくる.参加者の点呼が始まり最後に遅れていた日本人1人が到着するのを待ってバ スに乗り込む.隣は点呼前に挨拶をしたオーストラリア地調のマネージャー.幾つか話をするがこちらもまだ英語になれていないのでややぎごちない.バスは 高速を南に.1時間ほど走ってようやく港へ.途中,車がみんなヘッドライトを点けているのに気づく.どうも法律で昼間でも点けなければならないらしい.き れいな家が並ぶ景勝地.そこから船が出る.最初に航海での注意があり,みんなおのおの船室や上のデッキに出る.最初の地点は少し船に乗ってすぐに到着.へ さきから島に移る.石灰岩の層状に積み重なった地層.下部サイルリアンとのこと.降りるやいなや,各所に化石が点在するのがわかる.小さな腕足貝がすぐに みつかる.あと珊瑚や細い針金状の化石の密集など.みんな必死で写真を撮っている.左側に海岸に沿って移動.もっとも腕足貝がきれいな場所を見る.層理面 一面に1cmかそれ以下の腕足貝が密集している.もちろんハンマーと振るうのは禁止なので,写真を撮るだけ.石灰岩がチャートのように数cmの層で積み重 なっている.その層理面はリップルマークのように波打っている場所がある.珊瑚の化石のきれいな場所を写真に収める.堆積盆というか斜面の石灰岩層の典型 例との説明.オーストラリアの中国人Lさん(台湾大学の帽子をかぶっていたので台湾だと思ったら山東半島出身だといった)はしきりにガイド氏にドームだと 主張している.これあとで聞くとプレートの開裂がさきでマグマ活動があとではなく,その逆だという趣旨.でも結局アクセプトされなかったと帰ってくる.彼 の英語は早口でしかも中国なまりが強く我々には極めて聞き取りにくいのだが以外とネイティブたちはちゃんと聞き取っているから不思議.
 次に,コーヒーなどを船室でいただきながら,次の島に移動.このとき関東圏の某県庁からきた3人組の方々と知り合いになる.砂岩が優勢な島へは,さらに 小さ な船を介して渡る.舷側のはしごを伝って降りるのに一苦労.小型船の上にFURUNOのレーダーがついていることを見逃さない.そういえば結局巡検の最初 にウィーバーは集めなかったことに気づく.カレドニア造山のときのアルコース砂岩の地層との説明.クロスラミナが見事.またX型の貫入岩脈があり, Geology is simpleという説明に納得.さらに最終氷期の擦痕が探すといたるところに見つかる.ここをみるだけでも値打ちがあった.L氏は水噴火のあとを写真に とっている. ぐるっと廻って船に戻る.
 3番目に移動する間に船室で昼食.県庁3人組のお話を聞くと,プレ巡検にみんな行ったみたいでうらやましい限り.そしてストップ3は玄武岩に砂岩が成 層する面白い場所なのだが,風による波が強く上陸を断念.ちょっとこれが残念.あとで写真が枕状溶岩に見えるけどとガイドのラーセン氏に聞くと,いや陸上 噴火だという答え.火山活動の最盛期のリフト形成期にも海水が浸入した証拠はまったくないとのこと.北米の張力場の火山のしくみに似ているとの説明だっ た.砂は風成でオレンジ色をしているのできれいに区別できる.灯台が建っていて,その由来を説明してくれたがちゃんと聞き取れず.しかしガイド氏の英語は かなりよくわかる.
 最後の4番目の島に渡る途中,デッキにいるとリフトの概要の説明をしてくれたので,幾つか質問をする.それが上のもの.ようやく英語に慣れてきた.ブ ロックが南北に分かれていて,南の方は東側に断層があるが,北の方は西側に断層があって,その間にはトランスフォーム地帯があるとか,断層の食い違い量は 推定3kmに達するなど興味ある.
 さて3番目の島の上陸断念のころ,降りだしていた雨も止んで,また小船に乗り換え最後の島に上陸.今度は断層の活動による,Aluvial Fanの堆積物を見る.RPと呼ばれる粗面岩で,大きな長石の斑晶が特徴.これのとても大きな礫をふくむソートの悪い礫岩が分布する.説明ではその層は下 部が細粒の流動部で上部が浮き上がった巨礫が乗る典型的な土石流?の構造らしい.ガイド氏によると,礫の種類は粗面岩が主で,これはアフリカのリフト地帯 とも共通だという.ほかに少数だが玄武岩,また礫岩が見つかる.また砂岩も見つかる.しかし基盤の片麻岩や花崗岩は一切みつからないとのこと.さらに島の 反対側,つまり断層をはさんで陸と反対側では,礫の大きさが小さくなるはずという説明.それを確かめに島を横切る.この途中美しい花が乱れ咲く草原を横切 る.本当におとぎの国のような美しい風景.空模様も回復して時折青空がのぞき,鳥が鳴いて北ヨーロッパの至極の風景.
 反対側につくと,確かに礫が細かくなり,層状の構造も強く,クロスラミナらしき構造や,溝を埋めるような構造も出てくる.ガイド氏は2つ以上のファンが 重なる構造だという.そのために傾きの走向傾斜も異なると説明.また扇状地の幅はと聞くとkmオーダーだと考えていると答えた.あと,ひとつexotic な石が含まれるということで,菊花状の長石の斑晶のあるBasaltを指摘.これ例のL氏が自分に教えてくれたものを同じだった.これの起源はなぞだとい う.最後に咲き乱れる花を踏みしめ,モグラかウサギの開けた穴を見ながら島をぐるりと一回りして船に帰った.
 小船はダイビングの設備を船尾に持つ船だとわかった.やがて船はバスの待つ港に到着.港の道沿いにラルビカイトの石材を見る.帰りのバスでは3人組の一 人Fさんが,ガイド氏にノルウエイの物価高や出生率について聞き,在住の女性などと我々との議論が始まった.これは今回話すことがすくなかった英語の訓練 に 役立った.
 ほどなくオスロ市内へ.新装されたオペラハウスに行く人を下ろして,ようやく最初の大学前に.長い巡検は無事終了.ガイド氏に礼を言って分かれる.
 CNNは今朝まで北京五輪一色だったのに,さっきはもうジョージアにロシア軍が侵攻というニュースばかりを伝える.これ考えると大変危険な賭けで,国際 戦争に発展する危険を伝えている.夕食は昼に出た長細いサンドイッチとゆで卵を残しておいたものをビールで流し込む.ほかに娘の残したマフィンの甘いもの 半分をコーヒーを沸かして食べる.9時半になってようやく外は,大阪の7時すぎくらいの暗さになってきた.今日の収穫は巡検らしい巡検だったことと,英語 の議論に1日でようやく慣れたこと.これは明日の発表に役立つ.気分を良くしたところで今日は眠ることにする.

&bigstar;2008 08/09(土) オスロ6日目.晴れ時々雨は本当だった.CNNはグルジアの危機は伝えるが, 長崎原爆 忌には触れず.
 昨夜,結局4chでやっていたHouse of Deadという映画を最後まで見てしまう.何かゲームの画面と実写を組み合わせた不思議なホラー映画.そのせいで何となく寝込みが悪かった.部屋のPCは 無線LANに繋がる.有料だとフロントで聞いたが,どこでこの部屋の使用とわかるのかがよくわからないが.NIT何とかというアドレスがつながるので, メールを読むのに使う.
 ゆっくりカフェでいつもの朝食をしていたが,資料を読むとポスターは10時までに貼るようにというお触れがわかり,ちょっとあわてる.またホテルを一旦 出たあと,スティック糊を取り に帰ったりしていたので出発が9時10分前になってしまう.王宮の横の道でザックの小さなチャックがオープンだとサラリーマンが教えてくれる.ありがと う.ちょっと慌てていて朝開けたのを忘れていた.急ぐので今日は地下鉄に乗る.やっと自販機の使い方がわかる.24krは高いが,仕方ない.中央駅の郵便 局によるのは昼過ぎにすることに.とりあえ ず,時刻表にあった9,10番線に降りるが,間一発直行に乗り遅れ,普通で時間がかかる.9時37分到着予定.まあ10時には間に合った.その車内で今日 の日記 をかく.
 何とか10時までには間にあう.板が高いので椅子を借りてみんな貼っている.場所を考 えながら試行錯誤だったので結構時間がかかった.貼り終わりを待つように,早くも韓国人でキール在 住の人やスイスの人など何人か興味を持ってみてくれているので,さっそくめがねを5枚ほどプレゼント.Wessel氏の講演はすでに始まっていたが,何と か会場にもぐ り込む.結構早口で聞き取りにくいが,しだいに何とかついていけるようになる.将来の開発の状況が面白い.GMT5ってなかなか良さそう.あと,ちょっと コーヒーを飲んで休憩して,最後の自分のアブストを直してくれたLorenz氏の講演を聞く.長髪を後ろでくくったいかにもやり手という感じの人.結構 jokeを入れて笑いをとっている.キャンセルなどあったようで午前のセッションが結構早く終了したので,早速ポスターのところへ.もう何人か見てくれて いる.説明している途中に長身の Wessel氏の顔が見えた.「講演を終えて真っ先にこれを見ようと思っていた」と笑って答えてくれてとてもフレンドリーで嬉しい.会えて光栄だと挨拶し て, 色々と話す.途中で入れ替わり立ち代りいろんな国の人が見てくれるので,メガネを渡したついでに,その女性にWessel氏とのツーショットを撮ってもら う. あなたが来るのを知っていたから,ハワイ島の地図をあわてて作ったのだと言ったら喜んでくれた.本当にフレンドリーな人で私のまずい英語にいちいちうなづ いてくれ て,こちらは初めてスターに会えたFan状態.そこにセッションの座長のLorenz氏も来てくれて,彼にも礼を言う.いやこの2人が早速見に来てくれた ので,今回の物入りの旅行も来た甲斐があったというもの.2人にメガネと名刺を差し上げる.Wessel氏は結構長いこと熱心に見てくれて,最後に Hungyと言って昼食の包みを持って帰る.再び握手をして別れる.それからは入れ替わり立ち代り人が訪れて,とても連合大会の比ではなかった.インタレ スティングと言ってくれた人にはメガネを差し上げる.特にロシア人が熱心で,1人の親父さんみたいな人が根掘り葉掘り聞くのだが,何せこの人も英語が頼り ないので頼りない同士でなかなか会話にならない.あと結構ロシア近隣が多い.ウズベクスタンとキルギスタンなど,あとアイスランドの人,UKの人とも名刺 を交換.さすがにIGCでコミュニケーションも十分国際的になった.あと九州大学の院生2人とは日本語で話せたので助かる.ロシア人の人は英語がやはり ネックなのかあまり質問しない人が多い.
 午後2時半にスタッフに,郵便局の場所を聞いて一旦会場を出る.駅の反対側を探してやっと郵便局を探す.日本までの5-10kgの配送コストを聞くとこ れが500NOKほどす る.小さなものは箱ではなくて,封筒のでかいのに入れても300NOKかかると.おまけにあと20分の3時で閉まるという.もうこれで荷物を送ることは すっ かりあきらめができた.とって返すときに,会場の外で見慣れたインドのS氏に会う.向こうも気づいて握手.13日の発表とのことで,またどこかで再開を約 す.一旦会場に戻りポスターをひとまわり して,5時には会場をでるつもり.まあWesselさんに会えたことで,高い航空券でノルウエイくんだりまで来た甲斐は何とか稼げたかという感じ.
 5時を過ぎても,旧知の大阪市大にいたI氏など,結構ばらばらと訪問者があり,最後の英語のあまりうまくないロシア人の教授に粘られて5時半となる.本 当に今回はロシア人になぜか好かれる.あまり彼らの得意でない英語でまくし立てられるところを避けているのではないかと思う.トイレに行ったついでに, GeoHazardの広い会場がまだやっているのに気づいて覗くが,数100人ははいる広い会場にわずか30数人くらいというさびしい状態.自分が見出し てからも結構席を立つ人がいて最後は20数人?10分ほど聞いていたが,早々に帰る.やはり災害の少ない北欧ではNo interestなのだろうか.ホームに上がるとオレンジの紐を掛けた集団が凄い人数.前にこの寒いのに半ズボンのおっさん.ホフマン御大に似ているよう に 見えるが定かでない.先頭車両に乗ったので座れたが,立っている人もいる満員状態.狭い真ん中の席でこれをしたためる.すぐにトンネルに入った急行でよ かった.ほどなくオスロ中央駅に到着.やはり直行は速い.
 今日の3つの発見.列車でドアロックスという発音がドアノスキスみたいに聞こえる.TVのノルウエイ語のナレーションも何となく韓国語に似たイントネー ションと発音. そういえばオスロ観光では多数の韓国人観光客を見た.次に,オスロにつく頃には朝と同じ,すっかり晴れた空になる.昼ごろ急に曇って本降りになったのがう そみたい.こちらの天気予報には晴れ時々雨があるのも驚く.
 何とかとおり(カールヨハンス通り)を歩いて帰る.駅前で一人で演説するようにしゃべる男や,アル中のように道に座る若者の横を何も気づかないように人 々はとおりすぎる.国立 劇場前に近づいていつもいる銀色の服装と顔も同色に塗った男のパントマイム.なかなかどうにいっており.毎日見学者が絶えない.今日はフォルクローレのバ ン ドはいなかった.ちょっと残念.その代わり一人でサックスを吹く少女.どこをとっても絵になる町である.晴れているので見慣れた町並みを再度カメラにおさ める.
 夕食は,昼の学会サンドイッチの持ち帰りと,久々に焼きそばUFOとバナナとチップスターと3日前のチョコケーキという豪華版?朝バッフェの日は節約 モードで徹底.明日もたぶん朝はバッフェで,昼は巡検の弁当.それを持ち帰って夜は適当にというパターンになりそう.明日はビールが切れるのでそれのみ買 い足し.あさってはベルゲン急行なので,それに備えて少し早めに寝る.もう明日の化石巡検は何となくおまけという感じになりそう.
 メールをチェックしようとして,今は無線LANが見つからないと出る.

&bigstar;2008 08/10(日) オスロ7日目.予想外のGraptolitesの収穫に狂喜.現地駐在員の日 本人の方に興味深い 情報をいただ
 未明,隣の部屋なのかTVかなにかの低音のドラムの響きがずっと聞こえて何度か目が醒める.段々疲れてきたのか結局,6時半に起床.昨日疲れてシャワー を浴びなかったので,今朝シャワーを使う.ついでにひげを剃る.フロントに朝食券をもらいに行くと渡しながらnineという.券に7:30からと書いてあ るのでたぶん聞き間違いだろうと考え,出発の用意をしてザックをかついで店にいくと閉まっている.そうか今日は日曜日だったのだ.ドアにはたしかに sundayのノルウエイ語と9:00と書いてある.フロントはこの事を言ってくれてたのだ.またまた失敗.部屋に戻ろうとすると反対に家に帰るフロント の兄ちゃんに会って今日は日曜日なんだよねと笑う.良い旅をと言ってくれる.
 しかたなく,部屋でお湯を沸かしてコーヒーを飲む.旅の教訓.コーヒーとカップ麺はかならずもって行くこと!
 今朝も雲は重たいが,今のところ雨は落ちていない.路面は乾いたまま.気温もワイシャツで少し寒いくらい.一応外に巡検なのでセーターと上に羽織る雨具 兼ウインドブレーカーを入れる(これはあとで正解だったとわかる.オスロの雨の日は寒い).GPSはコンクリのホテルの部屋でもかろうじて電波を拾ってい る.今日は集合が9:00にオスロタウンホールと書いたメー ルが来た.昨夜あれっと思って調べると市庁舎はOsloCityHallになっている.心配になってフロントに尋ねに行くとキュートな黒人の娘がプロバブ リ市庁舎だろうと言ってくれる.他にこの名前の場所は聞いたことがないとのことで,大丈夫だろうと高をくくる.8時20分に出ようと思う.
 ということで,8時20分には出勤.途中劇場前のいつもの公衆電話で自宅に電話.変わりなしとのこと.名刺の犬の写真が受けていると告げる.市庁舎には バス と何人かいるので聞いてみるとSilverMineへの巡検らしい.なかなか目当ての化石の人がこないが,やがて某県庁のK氏がやってくる.どうも大き な画板のようなバッグを抱えている人がリーダーみたい.他のバスがどんどん出発していくなか,しだいに人が集まるが,自分たちのバスが来ない.どうもリー ダーのミスでバスが遅れてるみたい.そのとき声を掛けられた日本人の方と知り合いになる.日本の石油企業の現地駐在員の方でKさんという.結構年配の方み たい.カフェの屋 根の下で待つ間,この方に北海油田やノルウエイのことを随分教わる.なかなか面白い話がきけた.北海油田は最初に開発する前にあらかじめ各国で領海を決め て,探査を開始したとか(つまり民主主義のヨーロッパらしい話),油田はやはり北海が開いたときの一番深いところにあるので,その境界線にまたがってい て,その開発の仕方はまた話がついているとか.最初はオランダ沖の天然ガスの調査あたりからこの油田の歴史は始まったらしい.1970年代のことだとい う.最近は小さなものしかみつからず,やはりピークは過ぎている印象とか.あと英国人はノルウエイ人を野蛮人だと軽蔑しているが結構両国の仲はよい.とく に第2次大戦中の英国の援助など.それで話しは「テレマークの要塞」の話になり,その重水生産からHydroという企業が立ち上がり,今はStatoil と合併し て,水関連(水力発電など)だけでなく,石油を含む総合産業になったという話など.話がたけなわになたころ,やっとバスが来て乗り込む.大きなバスなので 結構1人ずつ座るが,Kさ んに敬意を表して最初は彼のとなりに座る.色々教わるうちに最初のポイントに到着.先ほどの話のHydroの本社がある社屋の敷地に入っていく.そこの ビーチが日曜日 だけ一般開放されていて,そこを見学するとのこと.
 ストップ1.アッパーカンブリアンのアルムシェールからミドルオルドビシアンのエルネス層までで泥岩(頁岩)と石灰岩が互層になっているところ.石灰岩 に はいろんな化石が入っている.某県の方々はトリロバイトを探す.私は写真に収めるのみ.あとパーミアンのRP(ダイヤベースとの説もあったような)の岩脈 があり,上方が最終氷期の見事な氷河痕跡を残すのを写 真に撮 る.再び本社敷地を通ってバスへ.ここから大分走って次のストップへ.
 ストップ2.カンブリアン−オロドビシアン境界.テキストによると,ノジュールの上の層の下面がコノドントなどの調べから境界と書いてある.頁岩には Graptolitesがある とのこと.みんなGraptolitesを探すが,私はさっきトリロバイトの小さな奴の集合を見つけたのでこれを探すのに精を出す.リーダーの1人 Davidにこれを見せて 聞くと,アッパーカンブリアンでどこで見つけたと聞く.さっきの道沿いというと納得していた.そこまで戻って再度挑戦.ちょっと大きめのものを見つける. 後でテキストを見てわかったのが,この場所はきちんとしたいわゆる紀の境界ということでこれは貴重なもの.化石を探すのに必死で忘れていた.反省.境界層 の上部にはパーミアン のシルが乗る.
 次にストップ3.プレカンの風化した花崗岩の上にミドルないしアッパーカンブリアンのアルコース&頁岩そして石灰岩が乗ると書いてある.シルによる接触 変 成は弱く,マグマの温度は300℃くらいだと私の接触変成に関する質問に対する説明を受ける.また黄鉄鉱の鉱染があり,昔の鉱山の廃坑あとがある.Kさん によると,現在ノ ルウエイの金属鉱山はほとんど閉山していて,日本と同じとのこと.もう石油が一大産業らしい.それでもガソリンの値段は1リットル240円くらいで法外な 税金が掛けられているとのこと.
 ストップ4は今回のメインなのに,ここに来るときには雨が本降りになってきた.最初外の道路脇の切り割で弁当を広げたが,あわててバスに戻る.食事もほ ど ほどに外にでる.バ スのところから少し道を上った両側が頁岩の分厚い層でここがGraptolitesの産地.雨のなかあたりの石を見て驚く.Graptolitesが本当 に一面にみつかる.これは凄い.前に教 材で買ったときはしょぼいもので6千円も取られたので,ここのは万円クラスの値打ちがあると触れて廻る.某県の人もKさんもそれで張り切った(かな?). もう足元のよ さそうなのを片っ端から採集袋に入れる.何か硬い褐色系の石でこげ茶色の星型の斑点が見えたのでリーダーに見せると下の層準の石膏の結晶だという.これは 捨てる.ちょっときれいな形だったが.
 雨がかなり降っているがみんな必死でハンマーを叩いている.私はたたかず拾う一方.どうもよく割れる部分に密集しているようにも思える.何か2つや4つ に分かれているのがいいとかリーダー達専門家は言っているがこちらはお構いなしに取っている.
 続いてストップ5.石灰岩の中に直角貝が埋まっている(これテキストを見ると頭足類としか書いてないが多分間違いない).これの写真をしこたま撮る.ま た 場所によってはトリロバイトもいる.工場の敷地のようなところの壁が層理面になっていて,この一面のところどころに直角貝とトリロバイトの印象が化石に なっている.こ れも写真に取る.これらは新しい法律で保存保護されている.説明の看板もある.
 ストップ6.は60cmくらいある厚さのベントナイト層.火山灰起源で,これが北米のものと対比できるという.いわゆる鍵層というやつ.でも場所により 厚 さに 差があり,数cmになるとこもあるとか.つまりカレドニア造山運動のときは北米と北欧は英国を挟んでくっついていて,そのあたり一面に火山灰が降ったとい う広大な仮説.なるほどそう来るかと妙に納得.日本の狭い地質環境とはスケールが違うな.
 ストップ7.は農場のような私的な敷地の中を横切っていわゆるプライベートビーチに出る.石灰岩の層理が見えるがここに見事な珊瑚が密集している.蜂の 巣 のようなファボシテスがほとんどで,たまに層孔虫のようなもの.1つだけとても小さなハリサイテスを撮影.もっと大きなのが見たかった.
 あとストップ8.は海退で寝食された溝を海進で礫や石灰岩などが埋めた不思議な地層.ちょーど巨大なマリーナの真ん中にある小さな露頭.でもあまり時間 が なくて簡単な説明のみで終了.巡検リーダーは本当はここを一番見せたかったみたいだけど.
 これで全行程を終了.ほどなく,Kさんの勤めるビルの前を通って市庁舎で解散.GPSのトラックファイルを送ることを約束して別れる.晩飯をバーガーキ ン グで 買う.クリスピーチキンのセット.takeoutというとtakeawayという,英語風なのだ.この袋をもって雨のなかをホテルにとりあえず帰って, ビー ルを探しに出るが,日曜日はビールを売らないらしい.コンビニで聞いた店も閉まっていた.その親切なセブンイレブンで10krのパンを2個明日用に買う. あ とホテルに帰って夕食.少し冷えたバーガーセットに舌鼓を打つ.ケチャップをたくさんつけてくれていてどうしようか?あとシャワーを浴びて,さらにカップ 麺の天そばをたいらげ,あとコーヒーを入れて,今日昼にもらった炭酸水でブランディの水割りを作って寝酒とする.雨で疲れたがGraptolitesのい いのが取れたのとKさんにいろんな話を聞けて充実した1日.これで学会関係全行程を終了.明日はベルゲンに向けて移動.しかし天気予報はさえず.Kさんの 話だと天気のいいの は7 月でみんなバカンスを取り,8月は天気が悪くそろそろ仕事に戻るとのこと.また最近原油高で石油探査が再び活況を得ているが,1本掘るのに1日1億円.最 終50から時によっては100億円の仕事になるそうで,それでも当たらないことの方が多いとか.昔みたいにさすがに1000に3つということはなく,大分 確率は上がっているそうだが.またシュランベルジャが独占していたのも昔の話で,現在は探査&ボーリングの企業がしのぎを削っているとか.またリスクが高 いの でKさんの会社など1社では探さずにかならず数社が共同で開発や探査をするとのこと.リスクヘッジを取っているのだ.またノルウエイは物価が高いので,そ れに応じた給料 のシフト(手当て)が出るので生活には困らない.今はそういった物価変動を調べてレポートを出す会社がありその情報を用いているとのこと.昔は商社づとめ の人の奥さんがスーパーで物の値段を調べていたこともあったが今は昔だという.こういった話は本当に参考になった.でも開発,探査を進めても原油の価格が 落ちるとどうしようもないのでそこが難しいらしい.そういったことを予測するのも重要な仕事とか.メインの仕事は権益を持っている部分の調整がおもだが, ゆくゆく自前の油田を開発するのが目標だという.がんばってほしいなあ.日本の将来のために.
 とここまで書いて眠ろうとしたところで,部屋に強烈なアラームが鳴り響く.自分の部屋で何か煙か何かが悪さをしたのかと一瞬心配になる.廊下に出ると音 は全 館に鳴り響いていて,みんなも出ている.夜10時すぎだよ!とりあえず下に下りろとスタッフらしい女性がいうのでみんな寝間着姿で下に下りかけたところで アラームが 止まる.いろんな人が泊まっている のが初めてわかった.子供を毛布でくるんだ人も何人かいる.みんなwhat is it?と言っている.人騒がせな一件だった.

&bigstar;2008 08/11(月) Nutshell Fjord tour.壮大な氷河の削った壁と滝を見ながら,機関投資業の紳士と自然と金融を語る.
 朝5時すぎに何か現実的な夢から,目が醒める.早めでよかった.早速湯を沸かし,コーヒーを入れる.あと1パックを残すのみ.昨日買ったパンを両方とも に, 最後に残ったハムを2枚ずつはさみ,ブドウパンを朝食に,普通のを今日の昼の弁当とする.冷蔵庫とキッチンがあったのはこの安いホテルの最大の特徴.まあ 電話 がないのが不便といえば不便だが.あと昨夜も大きなゴミ箱のビニール袋がないのでくれというと,フロントにはない,明日朝掃除の人がくるまで待てといわれ るな ど,基本的にあまりサービスの質はあまりよくないがまあ安いホテルなので仕方がない.有料とはいえ,自室でメールやWebのチェックもできるし.6時半す ぎにはここをチェックアウトすることにする.電車の時間は8時11分.王宮前から劇場前までの道が下りなので助かる.バゲッジはtoo heavyなのが転がしていてわかる.たぶん25kgは越えている感じ.これは迷うことなく郵便局だ.地下鉄に乗って3駅.やはり早く着きすぎた.中央駅 ベンチで時間をまず時間をつ ぶす.8:11Bergrnとあるのが多分目的の電車.3番線ホームに降りてあとで聞こう.改めてみると大きな荷物の旅行者が多い.この日記を書くIGC のボールペンのすべりがいい.前のベンチにはバックパッカーがごろ寝.どの国でもそれほど変わらない駅の風景.
 ほどなく,7h10mにホームに降りる.1時間も前なので誰もいない.7h30m前になるとぼちぼち人が降りてくる.このホームで間違いないみたい.ベ ンチで隣の老夫婦にフィヨルドツアーかと聞くとそうだと答える.ミルダールに行くというので同じらしい.ホームで鳩が餌を啄んでいる.そのうち結構な数の 人が降りてきた.と思う間にスペイン系の人たちにベンチの両側を占領される.同じようなチケットを持っているので大丈夫だろう.グラシアスとかシーとか 言っている.
 7h40mすぎに電車が入ってくる.7号車の170と思って探すと,窓際でラッキーと思ったのも束の間.150と間違えていて,何か付け足しみたいに片 側に互い違いの位置に3席作られた席の通路側がポツリと空いている.窓際は対向するむきに寡黙そうな地元の青年が一人.ここまではよいが,反対側と自分の 向かいが,喋りまくるイタリア系の4人組.こいつら遠慮がない.こんな時のために用意したmp3を耳に挟む.ノルウエイで聴く「ホテルカリフォルニア」も なかなかのもの.車両は10両くらい?先頭から番号は逆順.ほどなく出発.雨が降り出したりするなか,Askerに8h35mに到着.すると晴れ間が見え る.今日も晴れ時々雨なのか?
 8h45m運河のような静かなフィヨルドor川を2つ越える.すごく晴れてきた.Dammen到着.駅の前の湖水?で噴水が上がっている.
 9h15m段々,山合いに入ってくる.山頂は平らな準平原的な感じ.きれいな川沿いをゆっくり走る.窓の青年はまぶしい陽光をもろともせず眠ったり起き たり.向かいのイタリアのおっさんがまぶしいので窓のシェードを少しだけ下ろした.何かいま立ってどっかにいった.川や湖と農村の風景を走って, Honefoss9h37m.けっこう近代的な町.ちょっと雲が増えてきたか.5分ほど止まって発車.
 このあたりでガイドブックを見る.途中見えた湖はNorwayで5番目の大きさとか.トンネルをいくつかくぐるとき,単線だと気づく.
 10h10m左側に湖とそこそこ高い山,天気は依然晴れ.フィヨルドで晴れてくれると嬉しいが.ふいに「森と湖のまつり」武田泰淳を思い出す.前のおっ さん,となりの夫人といちゃつきだした.こら,そこに座ると景色が見えないぞ!
 10h25m右側に高い崖が見えてくる.急流の落ちるところもある.Gneissみたい.左側も同様の地形.高圧線だけが通っている.松の木のような木 肌.カラマツの仲間?
 10h40m左側にU字谷の高い壁.カナダと違うのは全岩Gneissなので,あまり崖に段がついていないことか.ほどなく10h45mNesbyen 着.雪の降るCM写真.スキー場か.5分くらいの停車時間にロシア人?が写真を撮っている.
 11h10m川が細くなってきた.分水嶺が迫るのか.雪はまだ見えない.11h18mAl到着.少し窓に雨が落ちてくる.停車時間が長いのかまた何人か 降りてビデオや写真を撮っている.逆向きの列車待ちなのがわかった.15分ほど停車.
 11h37m右側にやや大きな川.川の向きが逆?と思ったら,列車はどんどん坂を登っていっていつか雲より高くなる.列車で雲の高さを越すのもおもしろ い.
 また右側に細くなった急流が戻っている.なんか高いところに牧場があって家が点在.おそらく1000m近い?今GPSを確認したら,衛星をロスしたまま オスロ中央駅から動いていない!ゆっくり坂を登っているようで列車は静かに進んでいる.客車なのであまりモーターの音がしない.かなりの勾配で登っている みたい.左にスキー場が見えてきてGeilo(ヤイロ)駅.登山客みたいな人たちが乗ってくる.なんかバージェスでみたようなピンク(赤紫)の花が一面で きれい.
 少し走って,前のイタリア系がカメラを取り出した.初めて雪の残るのも見る.背の低い白樺に変わってくる.ちょうと12時,準平原の頂上のような凹地を 行く.ときたま雨が窓をたたく.窓際のリオデジャネイロのロゴ&ブラジル国旗のTシャツのかもくな青年が登山靴を履きなおす.途中私と同じように靴をぬい でいた.雨がちょっと本降り気味.12h03mUstaoset着.左側に湖,遠くの山は平坦.12h17mすぎ,雨が降るが,となりのイタリア系山に残 る雪を写真に撮ろうと苦心している.男3人は良く似ているので兄弟か親戚か.右側はむき出しの岩砕の崖錘も目立つ.ノルウエイの分水嶺近し,また左に湖を 見る.左の川は細かい段差から南に流れているのがわかる.右は断崖とそこから崩れた崖錘.12h23mトンネルに入った.けっこう長い.ミュルダルまでの 最後の駅に到着.残雪がきれいなのでみんな降りて写真を撮る.すぐの発車.まもなくかなり長いトンネルに入る.前の兄ちゃんがさっきの駅で降りたのでその 席に移る.景色は良くなるが,ほどなくミュルダルが近くなり,バゲッジを確保して降りる準備.イタリア系は景色見えるとカメラを構えるがすぐにまたトンネ ルで写真が撮れず顔を見合わせて笑っている.こちらも思わず笑ってしまう.ところが,駅が近くなってトンネルや雪囲いに入ったまま信号待ちとかでなかなか 動かない.かなり待たされてやっと最後のミュルダル駅に到着.最初に降りる.

 最初乗り換えのフロム鉄道は来ておらず,みんなホームで待っている.こちらの鉄道は基本的にホームがあるので,ホームで待っていればいい.ただ,改札口 な どはないので,適当に駅に入って適当に並ぶ.この乗り換えでは列車のついたホームの反対側にフロム鉄道がくるらしい.待っているとどこかでみたような髭と ラガーシャツの兄ちゃんがいる.某国立研究所のGさんだ.呼びかけると向こうも気づいて挨拶する.どうも14日か何かにIGCで発表するらしい.それまで の旅行だという.そうこうするうちに列車が到着.みんな行列がくずれてわれさきに乗り込もうとしている.自分は少し前の方の車両に向かう.結構込み合って い て,何番前かの車両の一番前の方に座る.動き初めてすぐに,技術者でベルゲンからオスロに帰る途中だという鉄道オタクのスウェーデン人の兄ちゃんと席が隣 り合わせになるので,色々としゃべる.彼の英語は極めて聞き 取り安く助かる.フロム鉄道はくだり傾斜がきついので,ブレーキシステムに特別の工夫がしてあるとかスイスのは,レールの間にアプト式のようなギヤがある とか説明したあと.ノルウエイの時刻表を見せてくれる.これはKIOSKなどでは手に入らず,特別に郵便で注文したのだと何か嬉しそう.日本の時刻表はそ れこそ本屋ならどこでも売っているというのを言いそびれてしまった.しかし,日本の鉄道にも詳しかった.ノルウエイは日本と同じように狭軌だったとまた, 鉄道ファンらしい説明をしてくれる.だから曲がりくねってトンネルが多いそうだ.ただ,日本と似たように,どんどんヨーロッパ標準の広軌に変えているそう で,そういえば昨日帰りに乗ったVOSSからの鉄道は新幹線と同じ幅のようだった.また続いて, 北欧3国の言葉や文化の違いなどを色々説明する.話ずきなので,こちらは相打ちを打つだけでいいので助かる.木造の家屋の板の張り方がノルウエイでは水平 でスウェーデンでは垂直だというのが興味深い.おそらく降水量の違いとかが関係するのではと彼は考えているそうだ.こちらがスウェーデンは車産業などがさ かんだという話をすると.そうだVOLVOやSAABがあるがSAABは元々飛行機を作る企業で第二次大戦後自動車を作るようになったという.さすがにな かなか詳しい.フロム線はU字谷の谷底に落ちていくような景色が有名らしいがどうも右側に座ったのが間違いで景色は左側みたい.かなり経って左に座ってい た家族が降りたので左側の席を占領するが時すでに遅し.スウエーデンの彼はベルゲンから来たらしくこれからどうすのかと聞くと,いやこの列車に乗るために ここに立ち寄ったので,また1時間ほど時間を潰して登る列車で引き返し,オスロに向かうとのこと.案内の礼を言う.
 ほどなくフロム駅に到着.かなり雨が降っている.とにかく船の時間まで時間を潰す.とりあえず船の案内板にバゲッジの鍵を結びつけて,土産物屋などに立 ち寄る.はやくもそこら中で日本語が聞こえる.学生風の男数人.やはりフィヨルド観光は日本人の好みなのか.30分ほど時間を潰して,やっと船に乗り込 む.バゲッジはチケットを確認のあと,船の最後尾に置いてくれる.日本人が結構多い.なんとなくこの港,奈良県の十津川から南に下った,川下りのさかんな あたりの港,みたいな感覚.
 船で一箇所だけ操縦席のむしろで雨をしのげる場所を見つける.ここでカメラを構えることにする.ほどなくフラムを出航.フィヨルドの中へしずしずと船は 進 む.両岸迫るといいたいけど最初は両岸とも傾斜がゆるく,対岸に自動車道も走っているし,斜面の途中に建物があったりして,天竜川くだりや,日本ラインと あまり変わりない?くらいに思っていたが,段々と両岸せまり,枝谷が分かれるところで,きれいな集落と港が右に現れるあたりから,本格的なフィヨルドの風 景になってくる.特に,V字型 に谷を折り返したあたりから両岸の景色は濃くなり,さらにグドバンゲンに到着直前には両岸が高く迫り,1000mの標高差の崖を滝が何本も流れおちて,も うPLの花火の最後状 態.この途中から写真を撮ってあげたのがきっかけで,金融関係の仕事という紳士と隣り合い色々と語る.たぶんかなりの偉いさんと見た.いわく本物をみない と駄目.またお金で儲けるばかりではだめでお金で買えない価値を探すのが重要,結局為替変動はランダム.自分の本職は機関投資で会社には設けさせなきゃい けないが,一般人が株や為替で設けるのはインサイダーでもしないかぎりとてもひと財産など築けない.金持ちが設けるのは簡単なようにできているなどと,一 線 の金融関係の方とは思えないような含蓄のあるお話が聞けた.さ らに話は温暖化問題やサブプライム問題におよぶ.本当にCO2が温暖化の原因なのかどうも疑問に思うというご意見だったので,実は,と最近の学会の傾向を ざっと説明する.サブプライムは本質が解っていたら大した問題ではないものを,詳しくないものが危機を煽り立てて話しをどんどん難しくしている.ムー ディーズに代表される米国グローバリズムは基本的に自分とこのことしか考えていない.日本人もだまされないような教養や勉強が必要.そういうものを持っ た人間には配慮するのが彼らの特徴.自分は友人の校長に頼まれて高校で話をしたときに新聞やTVが伝える話をうのみにしてはいけないと述べたという話.短 い間の会話だったのが,うなづくことが多かった.寒い中を大事な話をしていただいて感謝.もう少し話したかったが,写真などを撮るうち丁度グドバンゲンに 到着.バゲッジの確認をしにいって,さよならの挨拶 ができなかったのが残念.
 港にVOSS行きのバスが待っているがみんな殺到している.日本人の団体は別のバスみたい.荷物は預けているらしくみんなバッグだけの軽装.こちらは移 動のため大きな荷物をゴロゴロ押してバスに殺到.とても1台目には乗れず,2台目の腹にバゲッジを一旦押し込んだが,こちらも人数制限で駄目.結局3台目 に乗る ことに.再び腹にバゲッジを積んで,乗り込む.こちらも最後の日本人2人を積んで席はフルになった.どうも立っては載せないみたい.それはあとの道が急坂 なので安全の配慮みたい.最初は普通のアスファルトの道でいきなり急坂と思っていたのとは肩透かし.しかし両岸迫り,やはりこのコースの白眉であることは 間違いない.やがて谷奥となり,前にでかい滝,後ろにU字型の門のような地形が見えて,バスは狭い道の急坂をあえぎながら上る.最初の川を大型バスが幅ぎ りぎりの 橋を渡るとき,隣の結構きれいな服のご夫人がため息をついて胸で十字を切っていたのを笑えない.滝が4度見えるとガイドブックにあったとおりで,隣のご夫 人に教えてあげる.そのとおりになってこちらはちょっと偉そうな気分.しかし雨が続いて写真は雨粒の窓越しでまったく駄目.ほどなく有名なホテルに到着し たが,ここで降りる日本人2人を除いて誰も降りず,通過.ガイドブックにはここで休憩して奥の雄大な景色を見ることになっているのだが,雨でパスしたの か?ちょっと残念.バスは高度を得たので,平坦になった道をVOSSへと急ぐ.途中Oslo-Bergenみたいな表示のある普通の国道に出て,あとは VOSSへ急ぐのみ.あれだけでかい壁を見たのでその辺のがけはもう写真を撮る気力もないだ,ここにきて少しづつまた雨が止みだす.本当に皮肉なもの.途 中,何か突然壁にどでかい滝が噴出している.バスは案内だけで通過.ツインなんとかと言っている.しかし水量が凄い滝.気を取り直して,また幾つか写真を 撮る.途中MENYというスーパーの壁に9-21(20)と開店時間が書いてある.土曜日は午後8時ということか.田舎なのに結構遅くまでやっているの だ.このあたりがガイドブックにない情報.さすがにスーパーマーケットだけは,日本と同じようになってきているみたい.だいぶ走ってようやく VOSS駅に到着.しかしここで電車の案内は右往左往.表示がないのでどれに乗るかわからない.1両電車が入ってきたが,みんなこれかと駅員に聞いてい る.私も訪ねるが.6時45分に出ると聞いたと思ったが,実際は45分後だったみたいで,7時をとうに過ぎた7時20分ごろ出発.手持ちのチケットには7 時10分発となっているが.基本的にノルウエイの鉄道はこちらがちょっと待ってほしいと思ったときは時間遵守で出発するが,どうでもいいような単線などの 待ち合わせで遅れる.駐在員のKさんも結構いいかげんだからなとおっしゃっていた.車内のコンパートメントで日本人のカップルに写真を撮ってくださいと日 本 語で言われる.何で日本人とわかったのか不思議.ところがその車内だけ,他に乗客がいない.他の車両はたくさん乗っているのに.不審に思って窓を見るとど うもreservationという紙が貼ってあるみたい.これひょっとすると予約席?と彼らと話すうちに,車掌が来たので聞いてみると,あこれ関係ないと 言ってはがしていった.でもやはりその後韓国人のおばちゃんやスペイン語圏の家族やらどかどか乗り込んできて,結構一杯になった.私は最後尾の2列の席に 荷物と共に座る.今回もバゲッジは通路のバゲッジ置き場に置けたので,それほど苦にならない.これ思っていたほど荷物の移動は苦にならなかった.基本的に チケットは電車は車掌が,またバスは運転手が船は乗り込む時に船員が確認する.3枚綴りの切符でうまくできている.船もバゲッジは船員が取って,船尾のお き場所に置いてくれた.
 さて,VOSSを出た列車は一路西に向かう.最初はまだ山のなかの風景だが,やがて一変して再び別のフィヨルドに下りる.その左岸をずっと走る.ちょう ど進行方向右側だったので,前のロシア人らしい女性もよい景色のところでカメラを構えるが,シャッターを押そうとするとトンネルに入ってしまう.もうこれ を10回以上繰り返して,後ろの席で同じことをする私と顔を見合わせ会う.そういえば最初の列車でも我々が降りようとする駅の手前でイタリア系が同じこと を繰り返してみんなで笑っていたのを思い出す.
 最初は両岸迫る感じで結構滝も数条落ちていたのが,段々とフィヨルドの幅が広がり落ち着いてきた.そうして港の風景が濃くなってきたあたりでようやく Bergenに到着.早朝より1日のとてもハードなフィヨルドの旅が終わる.
 午後8時40分,駅舎のコンビニでとりあえずホットドッグを買う.1週間前に娘が買ったソーセージにベーコンが巻いたのをパンで包んでくれる.ところが 紙で 巻いただけなので,これを持って帰るのに一苦労.Mirdalで会った,G氏と一緒になる.彼は宿が取れずにユースに泊まるという.再会を期して分かれ る.店員にビアはあるかと聞くと,ない.しかももう8時過ぎてるから,駅のPubで飲むしかない.でもそれは高いですよといつもの応対.これでビールもあ きらめる.もうTAXIしかないなと思って乗り場に行ってもやって来ない.またG氏に会う.もうこれは歩いていくしかないと覚悟して地図を取り出す.公園 の向こうとあたりをつけどんどんバゲッジを転がすが,結構遠く,道の工事や敷石で駒を取られる.なかなかわからずどんどん港の方に出てきてしまったので, その辺にあったやや高級そうなホテルのフロントに汗みずくで飛込み,教えてもらう.やはり行きすぎてたみたい.この頃には手に持っていたホットドッグも すっかり冷たくなり,それを見せながらフロント嬢にNo food,No beer,No Taxiと悪態をつく.さて,さっきの教会の見える辻に戻って,たむろするティーンエージャーの女の子に地図を見せて聞くが,彼女達も戸惑っている.やが てこちらがHotelの看板を発見.あ見つけたよと彼女たちに言う.GoodNightなどといわれる.そのホテルのフロントに飛び込む.もう時間は9時 半近く.フロントのごつい兄ちゃんが対応.ヴァウチャーを見せると2泊ですねと確認されたあと,別館が部屋でこれこれとキーを渡され,外にでて入り口を教 えてくれる.誰か荷物を運ばせようかと親切に言われるがまたチップ云々が邪魔くさいので断り,自分で持つ.道をはさんだ反対側のでかい建物.結構きれいな 赤と白の縁取りだがもうこちらは手もバゲッジの重さでしびれてくるし,手にしたホットドッグを何とかしたいで,一目散でその入り口へ.ところが階段でおま けにロックされている.そうそう何か数字を言っていたと手にしたキーの袋をみるとそこに暗号みたいに4桁の数字があって,それを打ち込むとドアのロックの 解ける音がした.そうそうに入るがまたエレベータがない.しびれた手をさすりながら,何とかバゲッジを一番奥にあった自室230号室に持ち込む.これで汗 はかくし,手は段々感覚がなくなるしえらい目にあった.ベルゲンの印象極めて悪し.部屋は細いシングルベッドを2つくっつけてあって,寝具も別々に2つあ るが,まあ1人で寝るには十分.ところが部屋がそんなに広くないので周りの通路にバゲッジを開いておけない.ベッドを片方に寄せて何とか空間を作る.10 時寸前だったのでダブルブッキング用にリザーブしてあった部屋に通されたという感も否めない.窓を開けても建設中の大きなビルが見えるだけ.冷蔵庫もな く,お湯をわかすポット があるだけ.このあたりはキッチンと冷蔵庫があったオスロのホテルが天国に見える.トイレとシャワーはちょっとましだが,夜中に他の部屋の水洗の音がす る.唯一まさっているのはシャワーにガラスの丸いしきりがついていることだけか.インターネット全室無料接続とネットにあったのに,肝心の無線LANがど うしてもつ ながらない.夜で混んでいるのかと朝もやってみても同じ.フロントで聞いてみよう.TVもpayTVのチャンネルしか表示しない.CNNなどかけらもな い.先ほどのホットドッグはビールがないのでとりあえずポットでお湯を沸かし,これはついていたインスタントコーヒーの袋を破ってコーヒーを入れる.でも 砂糖もミルクもないので持参したものを使う.紅茶のティバッグは山ほどついているのは英国文化か?続いて昨夜に続いてお宝のブランディを水で割って,飲 む.娘の残したポテトチップスでおなかを満たす.不思議に今回の旅行はさほど腹が減らない.基本的に朝たくさん食べるようになってしているからかも知れな い.続いてこれも残していったバランス栄養食品を一口食べるがチーズ味なのかまずい.もうこれは捨てることにする.10時半床に就く.

&bigstar;2008 08/12(火) ベルゲン2日目.雨音で目覚める.10日に7日は雨が降る西岸海洋性気候.朝 からあまり気乗りしない.
 朝,雨音で目覚める.何か定期テストを前日夜につくり忘れていたことに気づくという設定のリアルな夢を見ていた.この日記の昨日の分を半分ほど更新した あと,着替えて朝食に向かう.本館のBARみたいなところでバッフェスタイルの朝食.ジャムの種類やスクランブル卵,シリアル系もあるのだが,ハムは1種 類しかない.チーズは黄色と茶色の2種類は変わらない.コーヒーの味はもうひとつというところか.おかわりのとき,ミルクの小パックが2種類あるので聞く と,片方はクリームでもう一方がミルクだという.なるほど.もちろんクリームの方を取るが,最初のミルクの方が良かったような?やたらトイレから配管の水 の音がする.食べ終わってフロントが中国系の兄ちゃんに代わっている.ネットがつながらないというと,何でも何週間か前からサーバーがウイルスにやられて ブレイクダウンしているという.そんなの聞いてないよといいたい気分.またTVのチャンネルもPayチャンネルしか写らないというと,それも今しらべてい るからちょっと待ってくれというアバウトは返事.なるほどこれってTravelHotelではなくてTroubleHotelに変身してるじゃない.こちら はもうバ ウチャーで払っているけど返金してるのかな他の客には?朝食を食べに出たときは晴れ間があったのに,食べているまに本降りに.あわてて別館まで走る.9時 にまず駅の方に向かうが道を間違えてどこか幕張メッセみたいなところに着く.ここの案内所で郵便局と旅行案内所を聞く.どうも最初考えた駅構内ではなく, やはりホテルで教えてくれたショッピングセンター方面にしかないようだ.どうも大きなショップビルは2つあって,最初の方にはpostofficeはな い.ぐるっと廻って別の隣のビルのショッピングセンターに郵便局があることを見つける.とても親切で箱をくれて日本までの10kgまでの総額460kr (約1万 円)をカードで支払う(これ日本に帰ってわかったのだが,ショッピング枠ではなく利息の付くローン枠になっていた.何でも現金の代わりの支払いはローンに なるとか.へえ知らなかった).重さにデペンドせず10kgまでは同じ値段だという.これはドイツと同じ.あとは明日これに積めた荷物を郵便局に持ってく るだけとなる.つ いでにフロントで教えてもらった旅行案内所を探す.何度か探して,やっと港 に向いたビルにあることがわかる.大きなiの文字が見える.ベルゲンカードを聞くと店内のショップで売っているということで早速購入.24hが 190kr.使用開始時間を聞かれるので,ちょっとホテルに帰るからと11時からに頼む.マジックで時間を書くシステムらしい.箱を担いでホテルに戻る. 実はこの間ちょっと道を間違えて15分くらいえらく遠回りしてしまったが.ふところのGPSの助けを借りた.
 ホテルで早速箱に不要な荷物を詰める.化石など結構つまってほとんど満杯.あとはどこかでこの計量をしたい.さて,気分が楽になったので,まずはベルゲ ンカードを使いに美術館へ.人工池のすぐそばなのだが結構入り口がわかりにくい.別の従業員の入り口から入ろうとする職員に入り口を聞いて教えてもらう. 早速館内へ.しかしムンクを見たいというと,それなら隣のビルだという.またまた歩いて(実は戻って)隣のビルの入り口を入る.早速ベルゲンカードを見せ て例の服に貼るシールをもらう.また背中の荷物はコインロッカーに預ける.10krは後で帰ってくる仕組み.ところがなかなか鍵がしまらない.受付の男の 人に閉まらないというと,力を入れてといわれる.言われたとおりにすると閉まった.古いのでそうなる.彼は言った.どうも誰かのコレクションを集めた展示 らしい.早速展示を見る.ノルウエイ出身の画家の作品を大体時代順に並べてある.C.Dahlという人の風景を描いた作品が最初にずらっと並ぶ.この人と ても寡作な人で,後の棟でも山ほどみた.他の作家の作品を一通りみて,気がつくとムンクの部屋に.2部屋あって,最初が習作時代など.後の部屋がどちらか というと濃い時代のもの.ジェラシーや女の三生,またメランコリーなどが有名なところか.写真はNOFlashならOKということで,幾つかの作品や全体 の展示を撮影.(これを書く今,夜8時なのに,陽がさしてきて午後3時ころのように明るい!写真を撮る.)再び軽いムンク酔いに陥る.さらに隣の館(こち らが本館)を 見る.1500年ころの古いものから新しいものへ,階を上がるごとに時代が進むようにしている.丁寧な英語の解説のテキストが各パートに置いてあるのは先 ほどのムンクの館と同じ.ところが嬉しいことにここにも5点ムンクのさほどメジャーでない作品が飾られていた.これで彼の母国ノルウエイにある,かなりの ムンク画を走破したことになる.他にもフィヨルドの風景や,最近の珍しい現代アートまで,美術館でかなり時間を取った.あとは昼飯抜きで,港に向かう.と ころがここでミスコース.別の一つ南の港に出てしまい,小さな半島の丘を越える羽目に.でもおかげで観光コースでない街もよく見れた.しかしこの街よく見 ると,各所で工事中の場所が多い.おそらく世界遺産指定以来,立て直す家が多いのではないかと想像される.40分くらいロスして,ようやく港に出る.最奥 部で観光案内にある店がたくさん出ている.夜店みたいな感じだがみやげ物と水揚げされた漁獲物が中心.いいにおいで腹が空いてくるがとりあえず,ケーブル で山頂を目ざす.これがまた並んでいて,チケットを持つ人はこちらという案内で中に入りスタッフにベルゲンカードを見せて切符をもらう.しばらく待ってよ うやく自動改札を通ってケーブルに乗る.改札機は人数を数えている.面白いのは優先口から乗った人が途中の駅で降りることでこれたぶんその近所の人の買い 物や通勤の足になっているみたい.線路が結構曲がっているのが面白い.ほどなく山頂駅というか展望台に到着.みんな鈴なりで景色を見ている.電話BOXか ら礼のカードを使う方法でまず自宅に電 話する.土産のリクエストを聞いて景色をしこたま撮ったあと,帰りのケーブルも混んでいるので歩いて市内に向かう道をおりる.途中Goatが遊ぶ場所や片 麻岩の写真,また降水 量が多いので凄く発達しているこけの植生なども写真にとる.もちろん見晴らしのよい場所からの港の風景も忘れない.珍しいのは若い女性のランナーが降りて いったり上がってきたり.また乳飲み子を吊るした若い婦人まで遊歩道を登ってくること.まあ治安がいいベルゲンならではの風景か.降りるとき時々聞きなれ たフォル クローレのサウンド.ここでもやっているのだ.できるだけ港の北部に出るように道を選んで降りて,ちょうど端の城のような建物に降りてきた.塔と内部を見 学しようと中に入ると.Sorry,あと5分で閉館ですと言われる.城もそうらしい.午後4時閉館という厳しいルール.しかたなく廻りの写真を撮っていよ いよ, 世界遺産のブリッゲン地区の中に入っていく.建物の外側だけが有名かと思ったら,実は内部が店になっていて,しかも世界遺産にあやかり奥の方がどんどん改 築中みたい.建物 自体は古い木を使っていて,一部の建物はあきらかに垂直がおかしく柱が傾いていたりする.奥の店の中にビジターセンターがあり,そこで売っていたエコバッ グをまず買う.1枚50krで2枚で2000円というとこか.あと港の方に戻るとやっている例のフォルクローレ.今度はオスロのグループとは違うみたいで やや本 格的な曲が多いみたい.魚介屋に立ち寄ると,日本のどこからか?大阪?自分はぜひ行きたいと思ってる.と英語で話しかけてくる.これ実は同じパターンで後 で行ったTシャツ屋も同じ口調.どうも営業用みたい.それでも少しまけてくれて299を250krでキャビアといくらなどの6個入りを購入.何か冷蔵用み たいなパックをつけてくれる.48時間は常温でOKという.これで一旦ホテルに戻る.土産を置いて,再びビールを買いにでる.灯台元暮らしでホテルの前に ビールを売るrimiという スーパーとその中に郵便局まであることに気づく.早速荷物を持っていって重さを量ってもらうとこれが11.5kg.1.5kgの超過.これをちょっきり 10kgに減らすのが明日までの算段.再びホテ ルに荷物を置いて,再再度今度は空港バスの停留所を確かめに.ついでに時刻表も書き写す.15分ごとにあるみたい.後で調べるとどうもベルゲンカードは使 えないようなことがノルウエイ語で書いてあるがまた明日.フロントで聞くことに.朝忘れたと思ってフロントに届けた傘はちゃんとリュックの中にあった.
 今日はセブンイレブンで買った念願のえびをはさんだパンが食べれたのでよしとする.港ではオープンサンドみたいなのを結構な値段で売っている.甘エビの ゆでたのは1/2kgで 90krくらい.75に値下げしていた店もある.えびは日本のに比べると結構大きい.結局買わず.明日の飛行機の時刻が昼なのであまり午前中ゆっくりでき ないのがわかり,急遽Tシャツなどを港に買いに走る.1枚15ユーロを2枚で25ユーロにまけてもらう.ベルゲンの柄のものを娘と2枚買う(これ結局帰国 後,うちの奥さん専用となりました).ユーロが使え てユーロで釣りをもらう.日本円でもOKと書いてある.あと上の娘に頼まれたチョコレートをさきほどビールを買ったminiというスーパーで買う. 0.5lのビールの値段はどうもスーパーでは27とか25krだったみたい.これだと大体600円くらいの勘定か.1000円というのは言いすぎだった. 法律の規制からかアルコール度数は0.46%くらいで日本のより低い.午後から夕方は朝の雨が嘘のようによく晴れた.G氏は昨日雨だったフィヨルドツアー にもう一度海から向かうといっていたうらやましい.
 さて9時近くなってもまだ,夕方6時くらいなのだが,机上の明かりをつける.以前としてTVはNRKだけで五輪中継しかしていない.さっき女子サッカー で日本がノルウエイを5-1で下していた.ここらでシャワーを浴びてノルウエイ最後の夜を2本目のビールで祝うことにする.
 ということで2本目のビール突入.さっき外でティーンエージャーが酒飲んでるのかうるさいので,窓を閉める.この国もドイツと同じように暇をもてあまし たような若者が結構街にたむろしている.渋谷の高校生と同じようなものか.ストリートダンスでみんなを感心させている中学生くらいの子もいた.これだけの 福祉国家となると若者に何か目標を持たすのは難しいと想像できる.しかし一方でまじめそうな若者も目に付く.オスロからの列車で本を読んでいた若者は登山 靴とリュックで途中の駅で降りたがガイドブックにあるように寡黙でまじめそうなタイプだった.

&bigstar;2008 08/13(水) 意外と良かったベルゲン.今日は小雨に逆戻り.マイド,オサカという港の売り 子の兄ちゃんともお別れ.
 昨夜ビールを2缶も飲んだので,朝5時半に小用が近く目覚める.トイレにいったあと,うつらうつらと50分まで,携帯の目覚ましで起きる.結局ここに着 てから一度もネットはつながら ず,メールの読み書きができない.結局ビールは少し残して眠ってしまう.ブランディも少し残している.さてこれから送る荷物の算段.7時を少しまわって, 本館のバーにバッフェの朝食.今日は写真をとり,Cavierのチューブをみやげにいただく.店が開く午前8時を待って送る荷物をホテル前のRIMIとい うスーパー内にあるPOSTEN(郵便局)に持っていく.昨日の兄ちゃんが到着した荷物のカードを運んでいた.still500gオーバーだという.一旦 衣類を少し 出して,袋とタオル数100gを取り除いて入れなおす.首を傾げていたがOKと許してもらう.すでに送り状はホテルで書いていたのでこれでパーフェクト. ホテルに戻ってバゲッジの重さを確かめるが,よくわからない.昨日チェックしたバスの時間にかなり早いが,8時半にホテルをチェックアウト.特に追加支払 いはなし.8h40mに来たバスに乗る.空港バスはほぼ15分おき.途中ランナバウトが多い.車はまた高速に乗る.車種はBMW,Wagen,ベンツ, Toyota,Nissanなどやはりドイツ車が多い.スウェーデン車はあまり見かけず.今ベンツの箱バン,Hondaも見る.あとStadoilのスタ ンド.13.00と書いてある.13kr/lの意味か?1リッター260円以上する計算だけど.右前の席の兄ちゃんが今時,CDプレーヤーを音もれするイ ヤホンで聞いている.ベルゲンというかノルウエイでよくみたファーストフード店はPepperPiza,Dali,Mac,セブンイレブン, BurgerKing,Kepabuなど.高速バス代(80kr)で残りのノルウエイクローネをほとんど使い切る.
 3時間も空港に早くつきすぎたので,まだ搭乗手続きが開始していない.田舎の空港にしては意外と大きく近代的.行くところもなくユーロが使えるかと聞い て,カフェでもう一度コーヒーを飲む.今朝から3杯目.5ユーロ 払って10krのお釣り.古いタイプのコインを探していてのでよかった.同時にノートPCにワイヤレスLANが使えると表示がでる.喜んだのもつかの間, カードの支払 いを入れるページがでてきたので,止める.何か全部有料というのはいまどき遅れているような.斜め前のビジネスマンもPCを叩いている.早くついてしまっ たのでかなり時間を持て余す.ここでIGCでいただいた名刺の整理.日本4,ロシア5,UK1,ウズベキスタン1,アイスランド1,USA1,ノルウエイ 1となる.少し待って,ようやくKLMのマークがカウンタに灯ったので,航空券の発券を頼むと,そっちの券売機でしてくれと指示.機械の指示にしたがう が,席のチェンジができない.また最後の段階で,印刷不能と言ってくる.後ろの順番待ちの中国人の兄ちゃんにちょっと待ってと断り,となりのおばちゃんの 相手をしていた案内係にようやく聞くと,カウンタに聞いてくれということで,最初からそうすればよいのにと思いながらカウンタの兄ちゃんに事情を説明.荷 物の重量は19kgでぎりぎりセーフ.ついでにNWのマイレージのチャージも頼む.となりの男に聞いてくれてこれもOK.ところが何とボーディングパスを 出すのを忘れている.頂戴ねと言って初めて忘れていたことに気づいた様子.ごめんごめんと謝っている.頼むよ兄ちゃん!これで搭乗券もそろったし,セキュ リティに向かう前に,3階のPubの空いてる窓際の席でこれを書く.
 11hごろセキュリティチェックを受ける.たいがいの男が金属探知機でひっかかっているが自分は何も言われず.21Aの搭乗口はやはり Internationalの方でそちらのゲートをくぐると免税店が何軒か.店員に聞くとここで買って透明な袋に入れれば,アムステルダム経由でも日本ま で持ち帰りOKみたい.サーモンはと聞くとギフトショップの方の冷蔵ケースにあった.中国系の店員に聞くと常温で48時間OKとのこと.だいぶ考えたが高 いのと気温が心配なので止める.キャビアもあることだし.
 あとスキポールで何かあれば買うことにする.11h30m搭乗開始のアナウンスがあるが,結構そのあと待たせる.こちらは丸い机に座って待つ. 12h40m離陸.狭い機内で何か後ろの方からシャカシャカとイヤホンの音もれがうるさい.こんな時に限って自分のmp3はバゲッジの方に入れてしまった みたい.あまりうるさくしかも直後の列ではないようなので,飲み物サービスのアテンダントに注意してくれるように頼む.しばらくあってどうも静かになっ た.となりのアフロの黒人娘が自分のイヤホンはうるさくないか音楽を聞きたいのだけどと気にしている様子.いや君のはとてもサイレントだno problemと笑っていう.ほどなくスキポール空港着.乗り換え時間に,とてつもなく広い免税店でやっと念願の娘に頼まれたノルウエイサーモンの燻製を ゲット.10ユーロほどと安かった.こちらも何か保冷材を入れてくれた.24hOKだという.あとは関空への搭乗口に向かうと,もうそこは日本と見紛うば かりの日本人の列.やっと旅が終わりに近づいたことをさとった.

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