<準備編>         18.Aug.2002,6.Oct.2002 revised
南アフリカ編Part1はこちら.Part2はこちら
ザンビア編Part1はこちら.Part2はこちら

1.旅行の動機
 アフリカ旅行を思い立ったのは,大学時代からの友人のG氏が昨年末よりJICAのシニアボランティアでザンビアに滞在しているのを,正月の年賀状への返事で知ったこと.今年春,相次いで同年齢の知人が不慮の病気や事故で急死したことなどがあり,生きている内にアフリカの地を踏みたいと強く思うようになったことが大きい.来年夏,カナダで開かれるGeoSciEdu4に合わせて,世界1周航空券で廻ることも考えたが,どうしても今年行こうと思い立った.そして,どうせ行くなら筆者の専門の地学教育にも何らかの足しになるように,この地域の地質巡検がこの時期にないかとネットで検索したところ,ちょうどお手頃のものが下記にみつかった.
http://www.geoconference2002.com/
http://www.geoconference2002.com/postexcur.html
の中の
Q2* The Big Five GeoSafari
というもの.南アフリカの金,白金,ダイヤモンド,クロムなど有名どころの鉱山を総なめにして,最後はクルーガー国立公園の動物のBigFiveのハンティングも入るという豪華版.1週間の宿泊費,全食費,交通費込で665US$という格安のものです.
ちなみにこの巡検は私もまったく知らなかったIAGOD
http://www.nhm.ac.uk/mineralogy/seltmann/IAGOD/
という組織の今年ナミビアで開かれたインターナショナルカンファレンスに付随したものです.
 4月末に半信半疑で,カンファレンスのオーナーにカンファレンスフィーは払いたくないけど,この巡検だけの参加は可能ですかとメールを送ったところ,空きがあればいいよという思いがけない嬉しい返事.2週間程で返事するというのでずっと待ったが中々,色よい返事が来ず,あきらめかけていた6月10日になってやっとキャンセルがあって君の席ができたよという待ちこがれたメールが来た.あわててFaxで巡検費用をカード決済でregistした.
 これでG氏の滞在先のザンビアと上記巡検を組み合わせて日程を立てることができた.上記巡検のあとにザンビアに入ることで日程を確保.また,大学時代にG君とも共通の友人で大阪の高校の生物教師A氏にも連絡をとりザンビアへ一緒に行かないかと誘った.彼も結局OKということでザンビアにはA氏と2人で訪れることにした.年休を14日とリフレッシュ休暇を3日とり22日間の休暇の確保をした.

2.航空券,visa,予防接種等
 航空券の手配は最初何社かネットで代理店を探して交渉したが,もっともこちらの問い合わせメールに丁寧答えてくれた大阪西中島南方にあるMyTicket社にお願いした.
http://www.asahi-net.or.jp/~UD4K-YMD/
 ここの担当のM嬢には最初から大変親切にメールでやりとりしていただき,最初料金で若干高めのマレーシア航空をとりあえず押さえて,そのあと料金が最も低く,サービスがいいと定評のシンガポール航空のキャンセル待ちをすることになった.結果的にこれが大正解で旅行1週間前にこのキャンセル待ちのチケットが取れた(関空−ヨハネスバーグ往復14万2千円Fixというこの時期としては格安のものだった).またヨハネス−ルサカは南アフリカ航空で3万円であった(これは各社とも変わりなし).あと若干の空港税等の払いが必要で,最終的に航空券代は総額18万円ほどで収まった.(友人A氏は知合いの大手代理店を通したが,結局割高のキャセイ航空を利用.ただし当日bookingでビジネスクラスに乗れたと喜んでいた)
 南アは日本人はNoVisaであるが,ザンビアは入国Visaが必要となる(ザンビアは後述するが,空港使用料も20US$必要と結構観光には金がかかる国である).5月下旬の合同大会時に,東京都品川区荏原にあるザンビア大使館を訪れ,Visaの申請書等をもらい,日本人の係りの女性に色々と参考になる資料などもいただいて帰った.このあと2週間ほどして申請書とパスポートを書留を送ると1週間ほどで,パスポートのページに判が押され,誰かの署名がされていて3か月間有効のVisaを獲得した.
 あとアフリカで問題となるのは各種感染症である.一応ザンビアは黄熱病の地域には入っていないが,予防接種を受けた証明のYellow cardを要求されることがあると聞いていたので,これの予防接種を受ける.ただこの接種後4週間他の接種が受けられないので,破傷風,狂犬病,各種肝炎など他の注射が受けられなくなってしまった.これらの接種は長期滞在には不可欠と言われる.おかげで南アの地質巡検ではケガに十分注意を必要とした(それでも岩の角で手に小さな傷ができた).また,クルーガー国立公園やザンビア全域は一応マラリアの警戒地域に入っており,地質巡検パンフにもその注意があったが予防薬は副作用があるとの事も聞き,今回は冬の時期であることも考慮して,薬は飲まなかった(これは私の個人的な見解であり,鵜呑みにしないように願います.あくまで飲むか飲まないか?予防接種をするかどうかは各自の「自己判断」です).あとザンビアのサファリで気になったのはツエツエバエです.たかってきてところかまわずチクッと刺します.ズボンの上からでも平気で刺すので追い払うのが一苦労.私はそんなに気にならなかったのですが,同行したA氏はひどく恐れていました.何でも「アフリカ眠り病」という病気を媒介するそうです.でも現地のガイドはNo problemと言ってました.ルサカ(首都)では私の知る限りこのハエは見かけませんでした(後述).

3.宿泊の手配
 今回,南アの地質巡検中の1週間はホテル等の手配は向こうでやってくれているし,その後訪れるザンビアではG氏の世話になればいいので省略し,その前後のホテルの手配だけをこちらで行う必要があった.
ヨハネスバーグ(一応治安が良いと言われるサントン地区)でのホテルの予約は,地質巡検りーダーが勧めてくれた4つ星のCROWN PLAZA SANDTONというHotelを
http://www.sixcontinentshotels.com/crowneplaza?_franchisee=SNDSF
からネット予約でOK.大変簡単だった.筆者はSingleで朝食なしの週末価格499Rand(49US$相当)を2日間まず予約したが,Twinでも同じ値段なので同行者がいる場合はshareする方が得になる.後述するが歩いて10分のところに大きなショッピングセンターがあり,昼間の治安はさほど問題なさそうである(夜の出歩きはnot recommendとホテルのフロントが言っていた).

4.地質巡検の資料等
 南アフリカ関係の地質情報を早くから下記サイトを中心に物色していったが,本決まりになったので,ガイドブックと地質図をFaxで注文した.

参考にした南アフリカの地質紹介サイトは
http://www.uct.ac.za/depts/geolsci/
から幾つかたどれる.また上記には多くの巡検の写真がありそれをプリントアウトして参考にした.

南アフリカの地質ガイドブックは
http://www.mintek.co.za/pubs/geobook/geoheritage.htm
にFaxで注文,7月上旬に届いた.写真が多くすぐれものであるが,巡検時に1/3の値段で現地では買えたのでちょっとショック.地質図は
http://www.geoscience.org.za/publications/maps.htm
で同様にFaxで注文(船便らしく,こちらは巡検には間に合わなかった).現地では地質図が手に入る本屋は見当たらなかった.

南アの地質巡検のツアー関係は
http://www.geosites.co.za/
が信頼できる.特に上記サイトのオーナーは今回の地質巡検のリーダーを勤めたGavin氏で,筆者のメールでの質問にも丁寧に答えてくれ今回の旅行でも大変世話になった.また巡検前日のヨハネスバーグ近郊のプレ1日巡検も彼が企画して,私はすぐに参加を申し込んだ.

 なお,ザンビアの地質事情も調べたが,今回の旅行はHolidayとすることであまり詳しく調べなかった.銅鉱山(カッパーベルト)と世界2位の生産量を誇るエメラルドが有名だとのことだった(これ結局現地ではほとんど見ず,買えなかった−>後述).しかし南アの巡検時にザンビアもナミビアも鉱物や岩石の持ち出しを禁止しているという話を聞いたし,地質関係は南アだけで十分と割り切った.

5.持ち物
 デジカメ(NikonCoolPix5000)は持っていくことに決めていたが,迷ったあげくノートパソコンを排除した.ザンビア入国で法外な関税をかけられるという話を聞いたので.その代わりに直前にビデオカメラ(SonyDSC-TV20)を携帯することにした.結果的にこれは良かった.デジカメは会わせて800Mほどのメモリを持参したが,G氏宅でCDRに吸い上げて焼いてもらったりしたので,十分余裕があった.あと,サファリ用に高校生の時に格安で買った8×40の広視野の双眼鏡を持っていった.これは星を見るのにも役立ち,大正解であった.電源対策はSASCOM(万能プラグ)を持っていったがこれ1つで十分.ちなみに南アは間隔の大きな丸3本タイプ.ザンビアは同じ間隔の角3本タイプ.イギリスと同じそうである.
 通常のバッゲジ(サムソナイトタイプ)の他にデイパックとミレの山行き用のザックを両方持っていったが,ミレのザックは結局バゲッジの中にいれっぱなして無用の長物で場所をとるだけであった.
 服はジーパン,夏用のズボンの他にセーターや冬用のジャンバーを持っていったが,予想に反して南アの今年の冬はそれほど寒くなくセーターとジャンバーは1度も着ず.特にジャンバーはフリースを内蔵していて嵩が高いのでヨハネスの空港の郵便局から岩石サンプルと一緒に日本に送り返してしまった.通常はワイシャツかポロシャツの上にトレーナー程度で十分.朝夕の寒いときはこの上に雨具兼用のウィンドブレーカを羽織れば十分だった.ザンビアは若干高度と緯度が低いので昼は温度があがり,ワイシャツで十分.あるいは半袖のTシャツも可.
 現金は日本の銀行で両替した500USドルのパックを2つ持っていった.あとはVisaカードで何とかなると考えた(これについては後述).結果的に300ドル余らして帰ってきた.TCはザンビアでは役に立たないと聞いていたので持っていかなかった.
 あと,いくつかの常備薬と蚊対策に乾電池式のマット蚊取りを持っていった.雨具は一応準備していったが,アフリカの乾期には雨は望めなかった(例外については後述).
 文房具は南ア,ザンビア共現地で何でも安く買えた.ボールペンと交換でお土産が買えた時代は遠い昔のようである.ただ,ノートは分厚い現地生産のものがなぜか幅をきかせていた.
 日本食は米は手に入るが,インスタントラーメンが買えないのが寂しかった.食材の値段は日本の1/2から1/3である.ビールはコーラとほぼ同じ値段で,たいてい1US$以下.あと詳細は旅行記の中で後述.


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