Geoscience_Reminder をDiaryから集めました.何かの参考に 2006Sep-Dec
2009.05/03更新(いわゆるアカデミックネタです.自分のための備忘録で,もちろん内容は無保証です)

DEM の大御所,Morgan女 史のサイトを 見つける.私の実験などすでに実行ずみで,動画ま で置いてある.しかし予想に反して,シャープな境界ができていない.タンジェンシャルな摩擦を考慮しない私の簡易モデルと大差ない.これならまだ少し改良 の余地があるかと思ってしまう.良く見ると粒子間の摩擦のために,ときどき粒子が浮いているのがよくわかる.壁との摩擦の影響も大きそうな結果.これなら まだもう少し計算をしてみようという気になってきた.
 あと,エッセイ用に,丹生と水銀の関係を調べる.伊勢の丹生鉱山や大和水銀鉱山関係など.あと日本の氷河論争に関連して,関東ローム層の成因がまだよく 解っていないというのを見つける.一般的には箱 根火山など西方の火山の小規模噴火説が主流のようだが,こ の方のようにレス説を取る人もいる.
2006 12/31(日)
DEM の初期画面をファイル化するために,ファイルの入出力を再び調べる.
http://www-cms.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~naoki/CIPINTRO/CBEG/cbeg7.html
にはデータ列から,データを変数に読み込む手法.これ様々な震源データなどに応用が可能.結局書き出しは
/* write file  */
   fp=fopen("FPD_ini.txt","w");
   for (p=1;p<=PMAX;p++){     
     fprintf(fp,"%6.4f %6.4f %6.4f %6.4f\n",px[p],py[p],r[p],m[p]);          
   }
   fclose(fp);
読み込みは
    /* read file  */
    fp=fopen("FPD_ini.txt","r"); 
    for (p=1;p<=PMAX;p++){     
      fscanf(fp,"%lf %lf %lf %lf",&xx,&yy,&rr,&mm);          
      px[p]=xx;
      py[p]=yy;
      r[p]=rr;
      m[p]=mm;
    }
    fclose(fp);
てな形で処理.
2006 12/30(土)
「アイン シュタインの教育観」寺田寅彦を調子に乗って印刷.数学の先生に厳しいし,世界史に対しても厳しい.視聴覚教材を奨励している.婦人の学問にも冷 ややかな見方か.彼の無垢な感性がちりばめられていて興味ある.彼の少年時代の逸話はこ ここ こに詳しい.2006 12/29(金)
先日 の断層モデルアナログ-数値 実験対決論文の計算コードはDEMは1つだけであとは,ことごとく,FDMやFEMさらにはALEという聞いたことのないものであることがわかった.これ きれいな断層を書いているのだけれど,原理がわからないのではしょうがない.少しづつその自作DEMをさわるが,なかなかうまく行かない.とりあえず弾性 定数をかなり高くして,球を剛体近似して,時間刻みを細かくする試行続く.ALE はarbitrary Lagrangian-Eulerian approachというらしい.ここここに も簡単な解説.ここに はもう少し踏み込んだ解説.さすがに工学系では実用ソフトが多く稼働しているのだ.今更ながら計算機科学の急速な普及に驚く.2006 12/21(木)
DEM 関連で幾つかのサイトを探す.ノル ウエイ地質調査所Geodynamics サイト.大陸移動の動画がぐるぐる動く.Linuxマシン.ア ナログモデルと数値モデルの比較のページがあ り,Susanne Buiterというスタッフのページに,The Numerical Sandbox: 云々というpdf.これは凄い.各種数値コードを商用,非商用を問わず同じ条件で走らせたときの結果をアナログ実験と合わ せて解析している.こんなのを見るともう取りかかる前からやる気を失ってしまいそうだが.あとサンドボックスだけでなく,沈み込み帯の力学モデルなどもあ り,興味深々.pdfだけでしばらく楽しめそう.あとスタッフのこの方の写真には思わず笑ってしまった.米国 籍なのに強烈な自国政府への批判?日本の研究者でこれくらいの根性を持つ人がいるかな?教授は古地磁気の人かな.The Rodinia Jigsaw Puzzleなどという論文のpdfもあり,参考になる.久々 の見つけもの.2006 12/19(火)

たま たまコーンスターチの物性をサーチしていたときに見つけた,面白い大道芸.あと,ステンレス球の 2mmを小口の販売をしてくれるこの会社か ら直接500g購入.5000円と少し超えるが,多分格安.昔模型作りをしていたころにここがあれば,ーー.鉄道模型などにも引き合いがあるらしい.
 NASAの隕石月面 衝突ビデオ.昔天文ファンが月面に光りを見たというのはこれだったのか.25cmの大きさで大した光りかた.
2006 12/06(水)
  ドーキンス本と平行して,「生命と は何か」金子邦彦を読 み進む.かなり難解.のっけから機能主義の1対1対応に疑問を挟む書き出し.DNA vs.細胞質の話しもあって,敷居は高い.ただこれらの重要性はゲノムのわけのわからない折り畳まれた冗長性とあいまって,しばらく時代のキーワードにな りそうな予感.まずは「予定調和を疑え!」という古いスローガンを思い出す.2006 12/05(火)
東大 地震研のセミ ナーのrmファイルがここに ある.じっくり聞きたい話しがたくさん.2006 12/03(日)
試験 のエッセイ用に深部掘削の話しを探す.まずは本家KTBKolaのwiki解 説.またKolaの別の解説.後者は花崗岩 と玄武岩層の境であるコンラッドは見つからなかったことと,岩石は変成岩でクラックだらけで水が飽和していたこと.水素も存在したこと.6.7kmの地下 でマイクロプランクトンの化石が見つかったこと,当初100℃程度と予想していた温度が180℃になって,掘削が困難になったことなど.KTBの方は 280℃になってストップした.どちらも温度との闘いであったことがわかる.掘削用の泥を冷蔵庫で冷やしたなんていう記述もある.そして掘削最深部 12.26kmの片麻岩写真ここ に は断面の図があった.U字型になって掘削の先端が地上に出てしまったというのはどうもガサネタか.さらに石油開発のサ イトにKTBの日本語の解説2006 12/02(土)
ソフトウエアラジオの 話題.こんにゃく状の鏡制 御で解像度10倍の話し.昔望遠鏡マニアには刺激的すぎる最近の話題.LIDAR技術など,最新の観測技術 は凄いことばかり.あとウ インドプロファイラーの報告など2006 11/26(日)
EOSの記事に世界の地表気温の地図.イランが最も高く60℃を優に超え るのは驚異的.アフリカな南米の熱帯雨林が涼しいのも意外.2006 11/25(
ェッ ト戦闘機が音速を超 える瞬間の写真.昔,音速を超えた旅客機が中生代にタイムスリップするという「世にも不思議な物語り」が怖かったのを思い出す.音速の雲を捉えた映像集流体力学でTHE PRANDTL-GLAUERT SINGULARITYというらしい.2006 11/22(水)
津波 は忘れた頃にやってきた.予報が解除されてからの最大振幅.計算を途中で打ちきったの か,水深や震源データが粗かったのか,事情はわからないが自然の複雑な印象だけが増幅された.EIC 地震学ノートを見る限り,典型的な逆断層タイプかつ単純な2 コブの震源過程の ようにも見えるが.Seimic Gap説には少なからぬ寄与か?高2の授業でスマトラ津波のアマチュア画像を見せた.生徒が言葉を失っていた.TVも長々と何の変化もない港の風景を流す よりは,津波の実体を知らせるビデオがあふれているのだから,少しでも流した方がわざわざ津波を見に行く野次馬を減らす効果があると思えるが.
 BBCのニュースはナイロビのClimate Changeに関する議論を繰り返し伝える.日本ではほとんど報道されていない.CO2を地下に埋めるという方法は次善の策で検討に値すると思える.2006 11/17(金)
認知科学の人のサイト.団子虫を飼 う実験は面白そう.大阪の公立高校出身なんだ.世 界地質案内のサイト緯度・経度を google mapから知るサイト2006 11/12(日)
葛城 山麓には高天原などを扇頂部とする見事な扇状地が発達するがその対岸の丘陵とい うか,残丘の側にはまったくない.川もそのすぐ側を流れる.不思議な地形.シミュレーションしてみたいところ.その残丘の端に小さな神社.落ち葉を掃除さ れている奥様(実はあとでWebを見て解ったがこの神社の禰宜さ ん!そのときは神主さんの奥様と思っていた)と少し話す.由来のパンフをいただきWebPageがあるというので早速見てみる.独自ドメインを取得 するなど斬新な上にコンサートなど地域と 密着し様々なイベントに取り組んで居る様子がよくわかる.まさに新世代の神社を発見.こんな素晴らしいblogを書いている方が神職についている というのも新鮮な驚きである.理学部で環 境生物学専攻というのも納得.今blogの過去ログを見ているけど見れば見るほど凄い人だとわかる.まさに一期一会に感謝.2006 11/08(水)
Web の拾い物.天 文学の大家によるプレゼンの秘訣. ちょっと古いが1998年のAGUのポスターの事が書いてあって,おまけにドイツではポスターはA0で貼るもので,A4をパッチワークで貼るなどは「なま けもの」と言われるとか−−.自分のも「なまけもの」と言われていたのかなあ?ショック.AGUの著者が優れたと思えるA0ポスターの写真が数枚あるが, 2006年の今となってはむしろこうしたポスターの方が普通になった感がある.これからは逆にパッチワークや巻き物?などの方がインパクトがあるか?2006 11/05(日)
昔古 本で買って寝かせていたR.ドーキンス「利己的遺伝子」を途中の「囚人のジレン マ」の章から読み進む.人のいい奴ほど残りやすいというのは,どこかの大統領への皮肉にも聞こえる.早速原本をamazonで注文.最初の書き出しで,自 分は一般の人にこそ専門の話しを書きたい.一般の人々に理解されない科学は無意味だなどと書き,さらに,ただ論文に名を連ねるだけで内容に責任を取らない 共著者が多いことをこっぴどく批判している.誤解の多いかれの論説だが,この部分だけは支持できる.2006 11/04(土)
DEM を授業の合間にさわる.だいぶ平行なディスロケーションは出てきたが,その後の成長が続かない.あと次々と雑用が湧いてきてモティベーションが下がる. 「眼の誕生」をひとまず置き,「ガリレオの指」を 通勤で読む.英国の教養人らしく,言いたいことにたどり着くまで時間がかかるもったいぶった展開.とりあえず第1章の進化論を紐解く.「創造説」やその亜 流「インテリジェントデザイン」に言及し,非科学と断じているのは進化論のお膝元英国の良心の現れか.
 複雑系の研究者Kさんから,寺田寅彦の断層実験の論文コピー届く.1927年の震研彙報.Hubert(1951)に遡ること30年近く.日本の昔の研 究者の底力を実感.Kさんの研究室でみせてもらった品物関連でスチール球の業者を探す.この会社が親切そうで,早速見積もりを依頼.ス テンレス2mm径で500gで5000円ちょっと.予算との兼ね合いだが買おうかなと思っている.
2006 10/25(水)
ちょっ とサーフィンしていて,専 門家のページにどきっとする記述を見つける.この人も地学の教科書を見ていたのかと思うと,確かに弱小な科目であるが絶滅させてはいけないのかな と思う.しかしこれまで生物の歴史で生物自身が絶滅するまいと頑張って絶滅を免れた例を知らない.ここらから私の敗北主義は始まるのかなと弱気になる.2006 10/24(火)
ちょっ と昨夜のNHKスペシャルが気になり,色々サーフィンしていて,ビー ルの味の面白いグラフを発見.ついでにシナプス繋がりで,こんな方 のサイトを発見.この多趣味ぶりには恐れ入る.日記に はサッカーが線形で野球が非線型と書いてある.これは私と反対の意見だが,ーー.この脳科学の最先端を生かした学力理論を誰か書いてないかなと探すのだ が,−−.世の中のバカな線形学力論や効率学力論を根底から覆す,非線型学力論(すなわち限りない無駄と試行錯誤の果てにしか知識と経験は本当の意味で再 構成されないという,我々の業界の良識人なら誰でも知っている基本)を誰か権威ある人がまじめに書けば,今日のくだらない学力議論などどこかに飛んでいく と思うし,それが税金の節約に繋がると思うのだが,−−.2006 10/23(月)
複 雑系の若手研究者Kさんに会いに標記の女子大を訪ねる.何か20年くらい前の時代の雰囲気のキャンパスのたたずまい.学生会館に男子トイレがあるかどうか を心配した私はやはり時代に取り残されているのか.やはりもともと統計物理の先生らしく,研究室の黒板と白板は数式が数式で埋まっていて,在りし日のハイ ゼンベルグやプランクも斯く在りしかと.いやここではイリヤ・プリゴジンを挙げるべきか.そんな中でスチール球をアクリル板に詰めたものや,ゾウリムシを 培養していたという,小さなスライドグラスの容器に感心.碩学の仕事ぶりに触れ大いに参考になる.2006 10/22(日)
「眼 の誕生」カンブリア爆発の原因を複眼の取得,すなわち視界の取得を原因とする考え方.なかなか面白い.数10万年で眼が突然進化するという見積もり にも驚く.「眼の誕生」あらかた乱読し終わる.「光スイッチ」という彼の着想は面白い.進化の「淘汰 圧」という概念が面白い.NHKスペシャル.赤ちゃんの脳のシ ナプスの数が一端Maxに達したあと,数が減るというのが面白い.結局ランダムな喧騒から潮が引くような秩序の形成というおなじみのパターンがここでも見 られるのが興味深い.2006 10/18(水)
DEM はパラメータの設定で試行錯誤.やはり回転成分をキャンセルし ている条件はかなり苦しいのか.境界条件をノンエラスティックに換えたので暴れは納まってきた.粉のモデルを久しぶりに走らせているがシャープな境界がな かなか出ないのが苦しいところ.
 「眼の誕生」カンブリア爆発の原因を複眼の取得,すなわち視界の取得を原因とする考え方.なかなか面白い.数10万年で眼が突然進化するという見積もり にも驚く.なかなか興味ある見方で参考になる.ネット上で検索するとこの本,恐ろしいほどのblogで解説や感想が書かれている.その割りに我々の業界で はほとんど知られていないのが気になる.
2006 10/18(水)
通勤 で「眼の誕生」 を読む.英語本は時間がかかるので途中から訳本で読み進む.なかなか面白い.カンブリアの最初に突然完成された複眼を持った三葉虫があらわれるのは本当に 不思議.バージェスの生物達の虹色に輝く様子も驚くばかり.まだまだこのあたりはこれから面白くなりそう.ますますカンブリア紀に目が離せない.Life on a Young Planetの方も少しづつ読み 進む.こちらも訳本が出ているが,まあ読みやすいのでカバンに入れている.
 ハワイでかなりの地震.さすがにS 先生のサイトにはその話題が.ありゃりゃ関空が水没google -earthの粋なAPI活用
2006 10/17(火)
ドイ ツの原稿ばかりで放りっぱなしにしていた粒子シムとその周辺を少し辿る.幾つかの流体系の有用なサイトを見つける.ここに壁との反 発係数を0にして,余計な振動を押さえるアイデア.これいただき.こ こにはSPH法の解説こ こに非圧縮NS方程式を差分で解く方法のダイジェストなど.またこの大学は過去の学位論文等をすべて公開し ていて,この研究室の 修士論文は手法の詳細が丁寧で参考になる.とりあえず,簡易DEMのソースをさわり,周囲の壁との反発係数を0にして,暴れを押さえる.それでも 弾性定数を上げるとやはり暴れ出すのは前と同じ.まだまだ工夫の必要性.とりあえず隕石を衝突させるところまでは何とかこぎ着ける.2006 10/08(日)
標記 の研究所を訪ねる.10年近く前に,前の勤務先で聴いたN館長のドーキンス批判を思い出す.今日 もまずすべての議論の底にある,生き物という存在に関するプリミティブな認識を強調されていたことが印象的.後で阪大の化学畑出身だという案内していただ いたスタッフの方と話す.生命誌という発想は極めて日本的だと私は感じた.それよりN所長のスライドにプラトンとアリストテレスが出てきて,共通性と多様 性の対比の議論は,まるで2週間前に私がドイツで行った発表と同じ対比で驚いた.もちろん,N先生はもちろん生物学の大御所,私ごときが同じ議論というの もおこがましいが,生物の最先端の主張と地球科学の主張(これも最先端と言いたい!)が同じ円環の先で出会ったというのはやはり嬉しい.ピンチヒッターに しては随分授業ネタをいただいた.断続平衡進化をにおわせる,現生のオサムシの分布が地質学的研究との一致をみるという展示や,ミトコンドリアがかつて真 核生物の進化の過程で外から取り込まれたものであるという説明など大変興味の湧く展示ばかりで時間の過ぎるのを忘れてしまう.生命誌と地球科学の接点を随 分考えさせられた1日であった.前述の女性スタッフがNYに2年ほどおられたときに,随分傲慢な米国人研究者に会ったという話しも印象に残った.それにし てもこの館長の日記を 読むととても太刀打ちできない頭のいい人であるとすぐにわかる.ますますこれから活躍してほしい人である.2006 10/05(木)
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