岐阜県上麻生犬山地域巡検

2018年11月 大阪教育大学の地学同好会の学生&OBの面々と今回は,1980年代の「放散虫革命」で一世を風靡した岐阜県の上麻生,鵜沼そして石灰 岩の赤坂を駆け足で訪ねました.FBに上げた報告に写真を追加して掲載します.前者2箇所はチャート,赤坂は石灰岩の有名な場所です.鵜沼では偶然にも,ペルム紀末の生物大量絶滅を説明 する,海洋酸素欠乏事件の提唱者I先生一行と遭遇.ミーハーな我々は一緒に写真を撮ってもらいました.小春日和の天気にも恵まれ巡検日和でしたが,急性虫垂炎の入院から退院して2週間立たない病み上がりの私は,やや足元がおぼつかない巡検となりました.巡検にあ たって,「放散虫革命」の立役者の一人,大阪市立大学名誉教授の八尾昭先生から資料を送っていただき,貴重なアドバイスももらいました.ありがとうござい ました.鵜沼でお会いしたI先生の研究は以下に.
https://www.brh.co.jp/seimeishi/journal/044/research_11.html

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上麻生の日本最古の石博物館は改良工事中.しかし中は開いていました. この岐阜大学の隕石コレクションは凄かった.
画像に含まれている可能性があるもの:屋外、自然、水 画像に含まれている可能性があるもの:木、植物、空、屋外、自然、水
さて上麻生礫岩のサイトは,駐車場や遊歩道が整備されていて,過去2回訪れたときとは印象がかなり違ってました 左が礫岩,右がタービダイトの砂泥互層.
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この白っぽい岩石が20億年の時を刻むと言われる花崗片麻岩なのか?オーソコーツアイトと見分けが難しい 一方こちらは縞模様がきれいなタービダイト.様々な堆積構造が見れるという.実はあとで証拠を見せますが,逆転していて,右方向が上位となります.
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地層の逆転を示す級化層.左が細かく上位となります. 逆転しているタービダイト.左側が上位.
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さて上麻生礫岩から少し上流に上がったところに,飛水峡と呼ばれる有名なチャートと甌穴の深い谷があります. 最初車を国道に止めてからどこから降りるのかを探したのですが,トンネルの際に下に降りる道がついていました.褶曲するチャート層です.
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層状チャートの見事な地層が連続する.飛水峡と呼ばれるこの場所は学生時代に巡検で来て以来か. 緑色を帯びるのがここのチャートの特徴.他ではあまり見たことがない色.
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ルーペで見るとこのチャートにも放散虫がたくさん入っています.学生さんもルーペでそれを確認して感動していました.しかしこの層状チャート(チャートと薄い泥岩の互層)の成因がまだわかっていない.地学七不思議の一つ. 所々の凹んだものは甌穴.ここで学生時代に地学科のクラスメートと写真を撮りました.一番出世はTK大の教授になったK君だったか.
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さて翌日,犬山城に近い鵜沼の木曽川の右岸にあたる有名な鵜沼セクションと呼ばれる赤色チャートの連続露頭を訪ねました.その前にここは巨礫が見事なインブリケーションと呼ばれる,川の流れの方向を示す傾きが見られる場所です. 偶然にここの露頭を本に書かれて有名にしたT大のI先生のグループと遭遇.I先生に無理に頼んで一緒に写真を撮ってもらいました.
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広角レンズに納めた鵜沼の赤色チャート層.右奥にT大のグループが見える.
木曽川下りの船がときどき手を振ってくれる.
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赤色チャート層のクローズアップ.マッシブなチャート部分とやや揉めたように見える泥質の層が互層しているようにも見える.
I先生が本に書かれた,トリアス紀の海洋酸素欠乏事件を示す赤色から黒色に変わるチャート層.
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色チャート部分の褶曲構造 事前にこの場所鵜沼を有名にした放散虫革命の大家Y先生に論文や資料を送ってもらってました.
こちらは層状チャートと断層で下流側に接する珪質泥岩で,その中に含まれるマンガンノジュールを探したのですがさて.
画像に含まれている可能性があるもの:空、山、植物、草、木、雲、屋外、自然 写真の説明はありません。
最後に赤坂の石灰岩山を訪ねました.残念ながら稼働中の鉱山の中には入れなくなったそうです. 化石館を訪ねました.
画像に含まれている可能性があるもの:屋外 画像に含まれている可能性があるもの:空、植物、木、屋外、自然
化石館の前に置かれた石灰岩に見事なベレロホン(巻貝)の化石と密集するフズリナ. 化石館駐車場からの景色.ということで2日間の巡検は無事終了.
上麻生の緑色チャートの放散虫.水で濡らしてUSB顕微鏡で見た所.スクショなのでデスクトップの時計が上の方に映っています.
赤い鵜沼のチャートの放散虫.少し小ぶりのものがたくさん入っています.


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