紀南巡検

2018年6月 旧知の元高校地学教諭で現在は大学非常勤講師のB先生,地質のベテランで地質学会名誉会員のS先生と紀南の巡検にでかけました.さらし首 層を調査する彼らの運転手を務めさせていただき,地質の専門家であるお2人からいろいろと学ばせてもらいました.ドローンの飛行も初めて間近に見学させて もらいました.その報告です.FBより引用します.

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「さらし首」層と呼ばれる泥岩の中に奇妙なさらし首のような角礫を含む,この場所特有の地層でジオパークの一つの見学ポイント予定地とされています.時代は新生代の第三紀中頃のものとなります.ただ後述するようにこの地層のでき方を巡って様々な議論があります.ジオパークの目玉の一つとしてすでにこのような看板も設置されています.
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さてまずは道路際の駐車スペースから地層調査のためのドローンを上げる準備中です.私もこの種のドローン調査は初めてで何が始まるか興味深々です.ドローンは県庁職員の人が操縦するご存知DJIファントム4という名機.コントローラなどを含んで総額30万したという.自腹購入だということで当然ながら海ポチャは厳禁!あとで見せてもらったこのカメラの解像度はさすがに30万!
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理学部地球科学を卒業されたという,職員の方はすでにドローン飛行許可証も取得されているドローン操縦の猛者.かなり海風が強い日だったのですが,安定した飛行ぶり.数多くの動画と静止画を撮影して調査の資料が作られた.このさらし首層を中心としたあたり一帯をドローンで撮影しました.風の強い日で飛行はかなり電池を消耗し,3本ある電池をすべて使い切る3回の飛行でした.動画にあるように100mあげてもかなり羽根音がブンブンうるさい印象です.この撮影をみて俄然ドローンが欲しくなりましたが,せいぜい2万円弱のトイドローンがせきのヤマでしょう.
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さらし首の一例.これは泥の塊ですが,他に砂の塊や地層の断片など本当にさまざまなさらし首がみられます.海底土石流による生成というのが一般的な解釈ですが,最近さまざまな異論が展開されていて,とても興味ふかい構造です.こちらはさらし首層との位置関係が議論されている別の礫岩層.かなり大きな礫がみられます.
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調査の最中に別の一団に遭遇.県の別の企画の関係で来られた地質学界では有名なA先生(黄色のリュックの方).岐阜県の上麻生礫岩の中に先カンブリア時代の礫を日本で初めて発見された方として有名.これは砂岩の上に見られる見事な生痕化石.スパゲティ模様の不思議な生痕.
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2日目の朝に訪れた潮岬の火成岩貫入岩体.黒色の斑糲岩ないし粗粒玄武岩に白色の酸性岩が岩脈として貫入.数多くの貫入組織が観察できる.こちらはさらし首層から少し離れた場所にある,泥岩の成層構造.さらし首層とはまた違った顔つきをしています.
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このあたりの地層を構成する牟婁帯と熊野層群の間の不整合.青いリュックのあたりから向こうに基底礫岩が伸びているのが注意すると見れるのだがわかるだろうか.これ結構教科書的な不整合とは異なり,かなり見づらく見逃しやすいもの.左側が古い牟婁帯の泥岩.右側が新しい熊野層群の砂泥互層.不整合の上の熊野層群.泥岩中心の互層で新生代第三紀後期と言われる.


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