地質巡検蔵出しシリーズ その2 15th Feb.2019

昔,仕事で訪ねた地層や露頭,あるいは研究所,博物館などの写真を紹介します.教材としては自由にお使いください.ただし著作権は放棄しません.商用利用はご相談ください,

なお旧職場の附属高校天王寺校舎のSSHのページに幾つかの地学部冬合宿の報告があります.あわせてごらんください(いずれも文責は筆者です).

2011年年度地学部冬合宿 神奈川県立生命の星・地球博物館見学 三浦半島・城ヶ島の地質巡検 相模原宇宙科学研究所見学と講演

2010年度地学部冬合宿の報告 東京大学地震研究所訪問 つくば山周辺地層の地質巡検 「地質博物館」の見学と卒業生による地質講義

2009年度地学部冬合宿の報告  茨城県柿岡にある気象庁地磁気観測所訪問 霞ヶ浦周辺の下総層群の地層の地質巡検 午前:「地図と測量の博物館」,「地質博物館」の見学 午後:JAXA筑波宇宙センターの見学


上記三浦半島(城ヶ島)の巡検の写真を少し.かなり記憶が薄れているので,今回下記のサイトの説明も参考にしました.

http://www.waseda.jp/prj-edu-earthsci/geop/Miura-geosites2013.pdf

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三浦半島の最南端に分布する三浦層群(1200〜400万年前)の露頭,城ヶ島の海岸風景.海岸段丘と海食崖.白い三浦層群の上に茶色の関東ローム(7〜1万年前)が不整合で乗っていると,他サイトの説明にありました.
段丘面から海岸に遊歩道を降りる.
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まず海食洞(馬の背洞門)の前で記念写真.このあたりの地層は初声層と呼ばれるそうです.1923年の関東地震で隆起して現在は海岸から離れています.
早速走向,傾斜の測定から.
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結構きれいなクロスラミナ.礫を含んだ砂岩に見られた.軽石を含んだ白い層も見れる.黒い砂岩はスコリア質砂岩と言われるそうです.
軽石を含んだ層.火山の多い関東ならではの風景.
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軽石がそこかしこに見られる地層.関西ではあまり見たことのない地層.あっ,二上山にありましたか.黒いのはスコリアだという説明が他のサイトでありました.
もう一つ白砂青松の瀬戸内とは異なる風景がこの黒い砂です.伊豆大島や房総半島の砂も黒かった.
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関東地震の際の隆起で現れた白いヤッコカンザシの位置を示すS先生.貴重な地殻変動の証拠となります.
こちらは小断層の連続.これだけ見ると逆断層に見えます.実際には立体的に見ないといけないので,横ずれ成分もあるかも知れない.
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ここにも見事な断層.横ずれの成分もあります.
有名な火炎構造.荷重痕の一種と言っていいのか.軟らかい凝灰質の白い泥岩に上から密度の大きい砂礫がめり込んでできたとされる.これだけきれいなものはここで初めて見た.
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これは見事な級化層.礫岩の礫が黒いことにも注目.スコリア質(玄武岩質の軽石)だとされる.砂が黒いのと同じ理由?
断層の拡大.黒い地層は三浦半島や房総半島に特有.凝灰質の泥岩との対比が美しいのでこの場所の地層はよく教科書などの写真でも取り上げられる.
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ここにも別の断層.地層の黒白のコントラストが美しい.
地層が陸に向かってゆるやかに傾斜していることがよくわかる.このあたりの地層は三崎層と呼ばれるらしい.
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ヤッコカンザシの白い跡が点々と同じ高さで続いている.
見事な層内褶曲(スランピング).



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