2018年12月 保津峡一人巡検

2018年10月  朝 から京都保津峡へ.放散虫の入ったチャートのサンプルを採るために出向く.京都1日チケット(いい古都チケット)とレンタル自転車.朝9時前について早速 嵐山駅前のレンタル自転車を借りて,保津峡の核心部へ.峠超えがきつく,さすがのチャリダーの猛者たちも降りて漕いでいた.ほどなく幾つかの候補地を回っ て,転石に放散虫を探す.次第に目が慣れて最後の河原ではサンプルの転石を多量に確保.やはり放散虫の目立つ石には特徴があることがわかった.これでほぼ 来年のWSの材料は手に入った.昼過ぎに嵐山に戻るが,連休最終日の人出に驚く.外国人多数.そうそうに自転車を返して,阪急と地下鉄を乗り継いで,岡崎 公園,みやこめっせの「石ふしぎ展」へ.久々にタイ用に化石標本などをどっさり買い込む.

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あだしの念仏寺近く.まだ朝早いので観光客はほとんどいない.ひたすら自転車を漕ぐ.保津峡は「ブラタモリ」でも話題になった場所ですよね.
嵐山から保津峡に越える府道は峠越えの急登路.ゆるい斜面ではすいすいと追い抜いていった本格チャリダー達もこの最後の急登は降りて押していた.もう峠まではすぐ.
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水尾への道沿い.旧道の河原で少し石を見る.何個か放散虫のチャートを見つけるが意外に少ない.保津峡に戻って核心部を目指す.ちょうど山陰線の列車が着いたところ.
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昔の論文(Isozaki,1980)に記載のある露頭なのだが,この場所以外は全部コンクリに巻かれてしまっている.この場所の珪質泥岩というのを少し持ち帰る.論文ではコノドントが含まれるとされるがさて.別の場所に谷を見つけたのでその出合いでチャートを調べる.ルーペでくまなく探してやっと数個をゲット.
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トロッコ鉄道の駅.連休最終日なので途中から結構歩いたり,自転車の人が増えてきた.
トロッコ鉄道の駅.連休最終日なので途中から結構歩いたり,自転車の人が増えてきた.
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チャートが手前に見えてV字谷の典型.天気がよく日向は汗が出るほど.落合橋の下で最後のサンプリング.水につけて放散虫の密集したサンプルを探した.黒いチャートが少し風化して白っぽくなったものに比較的よく見つかる.ここには赤いのもあるが化石は見当たらず.赤色泥岩か凝灰岩かも知れない.火山岩も幾つか見つけたが,重くなるのでやめにする
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渡月橋の午後,観光客で溢れている.自転車はすでに6.5kgの石を載せたのでハンドルが重い.石は重すぎるので途中の烏丸の阪急のコインロッカーに置いた.古都1日券は阪急と地下鉄,市バスが乗り放題でかなりお得.その後,岡崎公園内のみやこめっせに移動.この展示会の最終に何とか間に合う.鉱物が多く,化石が少なくなった.京都のこの展示会に来たのはもう10何年ぶりか.化石を中心に1万円ほど購入.電気石のでかいのが2500円だったのでこれも帰り際に買った.マダガスカル産だという.その後重い石袋を持って帰宅.
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こちらが本日のチャート類.6.5kgとまあ自転車+徒歩での移動としてはそこそこの重さだった.
こちらが1万円の中身.アンモナイトとか腕足貝とか,アンモナイトはできるだけ縫合線が見えるものを選んだ.あと珪線石が珍しく出ていたので,それも買う.藍晶石もそこそこ安かったので.あと左の結構大きいのが黒のトルマリン.これは安かった.


今日のサンプルの一部.放散虫らしい黒い斑点が目立つ.HF処理とSEMでの写真が来年のタイでの仕事.やや白っぽいものにもたくさん入っている.通常の黒いチャートには微化石は乏しく,白いものでも再結晶したのには当然ながら微化石は含まれない.


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