工作(その1)自作16cm反射望遠鏡

手動の道具だけで,今思うとよくこんなものを作ったと感心.でも当時の自作派はみんなこんな作業で望遠鏡を作っていたことを,若い人たちにも一応伝えておきたい!(附高では一部の学年には地学の授業のときに見せたかな?骨董品ですが,一応今でも星を見ることができる!)


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望遠鏡全景:筒はトタン,教員になった頃に近所のトタン屋でトタン薄板を丸めて作ってもらった.確か2000円ほど渡した記憶が.薄いトタン板なので,鏡筒の端は太い針金を入れてその針金を中心にトタンの端を丸めてもらって補強している.
接眼部は当時の「天文ガイド」などの自作記事に載っていた方法で,ペンタックスの1眼レフ用の接写リングを延長リングを組み合わせてアルミ板に挟んで作った.接眼鏡や一眼レフを付けてピントを合わせることができた.トタンの筒に合わせるのに結構苦労してアルミ板を曲げた.
斜鏡の取り付け部.アルミ厚板を組み合わせて作った.金属ノコとペンチだけで 作った純手作業の産物.この頃は電動工具を持っていなかった.穴あけもすべて手動のドリル.トタンの筒を強化しるためにベニヤ板をくりぬいた補強用の板が 周囲に入っている.電線は斜鏡が夜曇らないように温めるヒーター配線.
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鏡を掃除したり取り出したいできるように作業窓を開けた.これも全部金ノコによ る手作業.開けたあとをペンチで少し内側に曲げているのも鏡筒の強度を持たせるため.主鏡はつぎの写真で詳細を記すが,近所のガラス屋で船の窓ガラスだっ た厚い中古の厚さ約3cmの板ガラスから,丸く切り出してもらったもの.高校生のときに購入.確か2枚で2500円.左にあるのがエルフレ20mmの接眼鏡.
主鏡は高校3年のときに磨いた鏡.すべて手作業で磨いた.しかし仮組み立てのと きに不注意でキズをつけてしまい,一瞬でそれまでの青春を掛けた苦労が水泡と帰し,その失意から天文への興味をしばらく失い,天文とは無縁の大学生活を 送ることになる.この望遠鏡は社会人になって再び天文への興味が蘇ってきて作ったもの.鏡もこの時の夏休みに磨き直した.反射鏡は表面にアルミニウムを真空蒸着して光を反射するようにする.これはメーカーに依頼.
主鏡部を後ろからみたところ.鏡はアルミ厚板と木で支えられている.3組のボルトで光軸調整が可能なようになっている.今でも反射鏡を磨いている人がいてその動画は下記からたどれます.とてつもなく時間がかかる作業ですよ.
https://www.youtube.com/watch?v=fBWv40RnDLk&t=117s
https://www.youtube.com/watch?v=VhI5owBJb9Y
など(リンク修正:11thFeb.2018
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接眼部に接眼鏡(これはメーカー製)をつけたところ.エルフレという形式のとて も視野の広いもの.これは彗星などを探したり,星団や星雲を眺めるのにちょうどいい広視野低倍率の接眼鏡です.この接眼鏡をはずして一眼レフのボディを取 り付けて写真を撮りました.左の机の上のオレンジ色がその当時のフィルムです.

教員になった当時に高野山まで車で望遠鏡と架台を運んで,空き地で徹夜して撮っ た星雲や銀河など.この頃高感度のフィルム現像を行うため,自分でカラーフィルムの現像までやっていた.今考えると恐ろしくマニアックな時代ではあった. 若い頃の時間は無限にあった.学校もやんちゃな生徒の多い田舎の学校ではあったが,放課後はサッカー,夜は天体観測に明け暮れていた.
記念すべきよく撮れた系外銀河NGC253.忘れられない1枚.撮影に15分ほ ど望遠鏡で星がずれないように追いかけるのは本当に修行のような苦行だった.ある時,必死で望遠鏡を覗いていると,生臭い息が肩口から顔にかかった.高野山の山中だけに,つい に幽霊が出たと心臓が止まりそうになった!しかしそこにいたのはまぬけな顔をした1匹の野良犬だったというオチ.
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さきほどと同じ写真.NGC253は有名な系外銀河で天文fanのあこがれの一つだった.
https://ja.wikipedia.org/wiki/NGC_253
これは白黒フィルムで撮った1983年5月に地球に接近したIRAS・荒貴・オルコック彗星,3等星になり肉眼でも見れた.これも必死で撮影したなつかしい写真.しかしこの頃,自信のあった3枚の銀河の写真を「天文ガイド」に投稿したが見事に落選.
時はハレー彗星の接近にときならぬ天文ブームとなったが,ここでも失意の私は静かに天文の興味から離れることになる.やがてそれはその後,地震(地震計)への興味 にとって代られることになる.自作望遠鏡はまだもう1台,さらに大きな22cm反射望遠鏡もあるのですが,その話はまたいずれ.全部手動と書いたけど,今考えるとドリルだけ電動をすでに買っていたかも知れない.ちょっと誇張してしまったかな?

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