Gadgetシリーズ古いNikon偏光顕微鏡Model Sと遊ぶの巻.少し前のFaceBookに書いた記事から 19th July 2020

この道の先達からいただいた顕微鏡は,古い白熱灯が光源でこれをLED化しました.色々考えて既存の白熱灯のソケットの部分をそのまま使って,
あと百均やら手持ちのアクリルパイプやらでやっつけで,今朝から作りました.一応それなりのものになったのでご紹介します.
この顕微鏡(40X)によるややマニアックな薄片写真も添付します.なおNikon S型顕微鏡のとても詳しいメンテナンス記事が下記にあります.
https://micro.sakura.ne.jp/mws/model_S.htm


完成したLED光源.既存の白熱灯用のソケットに白熱灯
をはずしてそこに入るようにした.右にあるのが光源のSWとVRコントローラ.USB電源で灯りをつける仕様.安物のルーペのプラスティックケースに穴あけをして製作


まず発光ダイオードをグルーガンで百均の丸い化粧用ケースの頭に固定します.丸いケースは手元にあったアクリルパイプを接着して所用の長さにソケットに取り付けます.


次に配線を通す孔をボール盤で開けます.自宅の食堂の横にボール盤を置いているのは拙宅くらいか.キリは2.5mm径.


上がソケットに自作のLED鏡筒をしまう様子.このあと,セロテープでぐるぐる巻にして固定.手前がはずした白熱ランプ.6V15Wらしい.金属部分にNikonと刻印まである.このフィラメントまでの長さを正確に計って,それをLEDで再現した.


LED光源のSWとVRを5Vの電源仕様で作る.USBでも取れるが,ここでは日本橋のデジットで買った5V電源を使用することにした.5mmのドリルで穴あけのあと,右のリーマで少し孔を拡大して,一番手前に置いた各パーツが取り付けれるようにする.


顕微鏡の底を見た図.この底板をはずす.古いものなので,まだマイナスネジを使っているのがわかる.


底板をはずしたところ.でかいトランスが見える.刻印から100Vを6Vに変換しているのがわかる.右端中央に空いている孔から光源のソケットが入る構造.左の丸いフタの部分に光を垂直に曲げる45度の鏡が入っている.


ソケットを光源の孔に格納したところ.ほぼ設計通りぴたりと収まった.右手前がコントローラ.


LEDを点灯したところ.このLEDは3Wの強力タイプであるが,8.2Ω抵抗を直列にかませて最大を1.5Wほどにとどめている.100Xにしてもなんとかこれで見ることができる.ちなみに内部もマイナスネジのオンパレードですね.


コントローラを顕微鏡台に両面テープで貼り付けた.これで完成.朝から作って昼過ぎに完成!


少しマニアックな岩石シリーズ.この前の四国東赤石山周辺の超塩基性岩,高圧変成岩帯の岩石で,藍晶石を含むとものの本に書いてある白い石.派手な色の短冊の束はおそらくソーダ雲母.灰色の落ち着いた干渉色の鉱物はおそらくZoisite(ゆうれん石)だと思う.どこかに藍晶石kyaniteがあるはずなのだけど,よくわからない


同じ視野をオープンニコルで見たところ.絞りがついているのでそれを絞ると微細な構造がよくわかる.#1500で最終みがきを終えているので,鉱物の肌にやや研磨傷が残っているように思える.薄緑色の鉱物はおそらく角閃石.Zoisiteと白雲母は無色.


こちらはいわゆるエクロジャイト様岩.ここには典型的なエクロジャイト(柘榴石+オンファス輝石)はあまり見つからないと文献にある.この岩石の黒い部分は柘榴石.黄色から茶色の部分はおそらく角閃石.派手な干渉色は緑簾石Eidoteではないかと思っている.


同じ視野をオープンニコル.薄緑色が角閃石
薄いピンクが柘榴石,そのほかの少し屈折率が高く多色性に乏しいのが緑簾石だと思っているが.



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