<土曜講座「複雑系入門」2006年版> 22.June.2006
 4年前より,週休2日の土曜日,本校ではスーパーサタデイという講座を開いています.その中で私は3年前より「複雑系入門」という講座をはじめました.ほとんど自分の勉強のために行なっているものですが,毎年熱心な生徒が何名かつきあってくれます.昨年は高安 秀樹さんの 「フラクタル」という本を参考に様々なモデルについて,ゼミ形式を行ないました.今年はPer Bakの自己組織化臨界現象(SOC)と格子モデル,セツオートマトンを中心に作業を進めます.今年は例年になく参加者が多く,嬉しい悲鳴です.

自己組織化臨界現象(SOC)の先駆者Per Bak氏は2002年の秋に亡くなられました.
http://www.cns.gatech.edu/~predrag/friends/Bak/index.html
自己組織化臨界現象と地震の関係について(かなり難しい)
http://hatano-lab.iis.u-tokyo.ac.jp/guidance/thesis/soturon1999/soturon_yamasaki.pdf

同じ複雑系の大家でフラクタルの名付け親,マンデルブロー先生の京都での講演の様子はこちら


img_1462.jpg img_1468.jpg
これがBakが最初に地震が自己組織化臨界現象そのものであるということを発表した「砂山モデル」の実習.
生じた地震の大きさをサイズ別にカウントして,グラフにしました.自然の地震に見られるグーテンベルグ・リヒター則が出てくるはずですが,−−.
img_1474.jpg img_1471.jpg
次は同じくBakが1993年に発表した生物進化における「断続平衡進化」のシミュレーションを簡単なモデルにして実習しました.
サイコロを振るかわりに13枚あるトランプで生物の環境適応性を変化させていきます.
img_1473.jpg img_1476.jpg
ポーカーチップが足りないので,コインで代わりをしている人もいました.
適応性の低い生物から絶滅するのですが,その生物の影響で両どなりの生物の適応性まで乱数で変化します.単純なルールのゲームですが奥が深い.こんな単純なゲームで「生物進化」に挑もうとしたBakの天才ぶりが思い知らされます.






























Copyright(c) by Y.Okamoto 2006, All rights reserved.