<本校卒業生小西啓之先生の特別講座「南極の 話」> 19.Mar.2008
 2008年3月19日に,本校卒業生で地学部のOBでもある,小西啓之先生(大阪教育大学准教授)に地学教室に来ていただいて,ご自身が参加された南極 越冬隊にまつわる話や南極の気象に関する興味深い話をしていただきました.その紹介です.
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地学教室で越冬隊当時の写真を混えながら,南極の自然と生活について語 る小西先生.
お土産として,南極の氷をみんなにプレゼント.
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氷には細かい泡が入っているのですが,これが何年も前の南極の空気だそ うです.
細かい泡が見えるでしょうか?南極の氷のボーリングコアではこの泡に含 ま れる空気のCO2の量と酸素同位体比を用いて,過去40万年の間の気温とCO2の見事な相関が得られました.これが現在の地球温暖化がCO2の増加による もだというIPCCレポートの一つの根拠となっています.
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氷が解けてくると,中の圧力で閉じ込められた空気が氷を破って飛び出 し,プチプチという音がします.その音を聞いているところです.
残った南極の氷はまだ地学教室の冷蔵庫に入れてあります.見たい人はど うぞ.
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続いて南極の日本の基地が置かれる昭和基地の近くの岩石だそうです.
赤い色が特徴的な岩石ですが,縞模様と鉱物の並びから片麻岩と推定され ます.白いのは長石ですね.
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縞模様の特徴からこの地域に広く分布する先カンブリア時代を示す片麻岩 のようです.
面白い形に磨かれているのはブリザードで氷が当たることによるものだと か.


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