高校2年生用の授業参考ページ2008 年版 Last update on 29.Mar.2008
(授業での話をさらに深く知りたい人向けに作りました) リ ンク先はネットで検索したサイトの情報です.一部私のサイトのものを含みます.


2009年1月22日 海流の話
「太平洋を旅するNikeのシューズとお風呂のあひる」
日本語の解説は私のサイトの試験に出ない地学シリーズの過去のものにあります.
試験に出ない地学 Series 2005年初夏号

http://www.eonet.ne.jp/~seagull/essay_1.html

Nikeの靴
の話は下記
http://www.mindfully.org/Plastic/Nike-Pacific-Dump-Ebbsmeyer.htm
上記には1999年の靴の軌跡の図がある.

http://www.msc.ucla.edu/oceanglobe/pdf/nike_invest.pdf
には1990年の5月の船からの落下に続いて回収された場所の緯度経度があって,どのように旅したかを実習するエクササイズが載っている.

おふろのあひるの話は下記
http://en.wikipedia.org/wiki/Friendly_Floatees
また下記にはこのデータを用いた専門的な解析がある.
http://www.agu.org/sci_soc/ducks.html
上記によると,1992年1月に北太平洋でしけにまきこまれた貨物船から18800個の
red beavers, green frogs, blue turtles and yellow ducks. などの子供用お風呂グッズのプラスティックおもちゃが海に転落.つぎつぎと海岸に流れ着くが,最近でもイギリスの海岸に2007年になって流れ着いたのが あると評判になっているらしい(下記サイト)
Plastic duck armada is heading for Britain after 15-year global voyage

関連の話は
http://www.islandnet.com/~see/weather/elements/shoes.htm
http://oceanmotion.org/html/gatheringdata/flotsam.htm
などにもあります.

あと下記の温暖化論争の続きで,資源エネルギー学会というところが, 今年正月にこの論争をWeb上でemailによる対話という形で行ったもののレジュメが下記サイトにあります.これを読むとIPCC派:懐疑派=1:4と いう,かなり不公平な人選ながら,IPCCを支持する江守さんという方が懐疑派の議論にかなりきちんと反論していて参考になります.
http://www.jser.gr.jp/ 
のメニューから本文や資料が見れます.

06/07(土)
地球温暖化論争について(追記)
当然,IPCC側というか気象学の専門家からの反論があるのでそれも合わせて読まないと科学的態度とは言えない.
ということで,気象学関係者の側からのIPCCレポート擁護の意見として良くまとめられているのが
東北大学の明日香さんのサイトの
http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/
内の
地球温暖化問題懐疑論へのコメントVer.2.31

です.それぞれ懐疑論者(下の丸山さんのような)からの意見に対する反論が大変理路整然と書かれてありま す.

私がこれらの論争を通して皆さんに学んでほしいと思っているのは,

科学の限界や科学って役に立たないという「科学懐疑論」に陥るのではなく,
科学はどのように自然を理解しようとしているのか?
つまり観測から仮説へ.そしてその実証へという過程を味わってほしいと思っています.
また最近ではその仮説の実証によく,計算機によるモデル計算が使われています.
計算機万能だと思いがちですが,実はその計算には様々なモデル化の過程で,自然の様々なパラメータのうち
良く解っていない部分をある仮定の元に計算しがちです.実はその仮定の部分でかなりの任意性(つまりどちらの結果でも自由に出せる)があるのも事実です. そのあたりのよくわかりやすい解説を授業で折にふれ行っていたいと考えています.

05/29(木)
地球温暖化論争について
(IPCC vs 丸山茂徳)

2008年日本地球惑星科学連合大会
http://www.jpgu.org/meeting/

の中の丸山さんのセッション
J235 21世紀は温暖化なのか、寒冷化なのか?


丸山さんの主張(本田財団広報紙と富山大学での講演)
http://www.hondafoundation.jp/library/pdfs/hofrep116_j.pdf

http://www.nihonkaigaku.org/03f/i030809/maruyama/maruyama.html
宇宙線が雲量を増やすという図の出典
http://wxpaos09.colorado.edu/atoc7500/svensmark1.pdf

一方の京都議定書の元になったIPCCのレポート

IPCC第4次評価報告書(2007,最新のもの)について(環境省のサイト)
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th_rep.html
統合報告書の概要

http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/ar4syr.pdf
第1作業部会 報告書の概要 [PDF 2.98MB]




同じく気象庁のサイト
IPCC 第4次評価報告書第1作業部会報告書 技術要約(2008,確定訳)(PDF,6.58MB)
IPCC 第4次評価報告書第1作業部会報告書 概要及びよくある質問と回答(2007,確定訳)(PDF,2.40MB)


IPCCのサイト
http://www.ipcc.ch/

IPCCの簡単な説明
http://www.gispri.or.jp/kankyo/ipcc/ipccinfo.html


<気候変動全般について>

京都大学の増田富士雄さんによる気候変動についてのまとめ(PDF)
地質時代の気 候変動からみた現在


JAMSTECの増 田耕一 さんの気候変動に関する講義ノートなど.
http://www.jamstec.go.jp/frcgc/research/p2/masuda/ondanka/daiyonki_gakkai/index.html


広島大学の下記のサイトに関連事項の説明
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/Class/P04_11.html

環 境省の地球温暖化関連ページ
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/knowledge.html

地球温暖化防止京都会議(決裂寸前にUSAのゴア副大統領が京都に 乗り込んできて,一転決着した.しかしブッシュ政権はその議定書を反故にしている.)
http://www.env.go.jp/earth/cop3/



<関連資料>

IPCCというよりMann他への批判派(「ホッケースティックはない」とする批判)
Steven McIntyreToronto, Ontario. See also climateaudit.org, Steve's new web site.
Ross McKitrick


銀河からの宇宙線が太陽活動でトラップされる量が変動して,雲量が変化し,気候が変動する?ということを指摘する記事(PDF)
特 集:太陽 - 地球系の気候と天気

太陽は地球温暖化の主因ではないという反論
http://www.earthsky.org/radioshows/52334/sun-is-not-causing-earth-to-warm-says-expert

<GSAToday(アメリカ地質学会広報紙)での論争>
顕生代(古生代以降)の気候変動がCO2ではなく天体からの宇宙線の量に支配されるという論文(PDF)
Celestial driver of Phanerozoic climate? Nir J. Shaviv and Ján Veizer(2003)

それに対する「いややはりCO2だ」という反論(PDF)
CO2 as a primary driver of Phanerozoic climate Dana L. Royer, Robert A. Berner, Isabel P. Montañez, Neil J. Tabor, and David J. Beerling(2004)



5月1日
重力測定

各班の測定値をまとめてみました.gはgalはlはmmで測定しています.
今年は振り子の支点をコインで固定したのでかなりよいデータが得られたかな?と思ってます.


2008年5月1日 重力測 定 高2クラス 地学教室 気温23-24℃ 風そよかぜ






前半組




g l



978.7 935



975.9 1831



973.7 990



977.1 1733















後半組




942.45 1820



959.63 1425



977.31 1945



977.58 1900



978.67 1852



979.48 829



981.42 1993



989.55 2177





















良いデータのみ




977.1 1733



977.31 1945



977.58 1900



978.67 1852



978.7 935



979.48 829






比較的測定誤差が少ないと思われるデータで測定重力値gと 振り子の長さlでグラフを書いたもの.
何となく振り子が短いときに真の値に近いように思われるがさてどうかな?
なお比較のための真の観測値は
http://vldb.gsi.go.jp/sokuchi/gravity/grv_jpn/map.html
で大阪にもっとも近い伊丹をクリックすると,
979703.48 mGal
とあります.授業でも述べたように,糸の空気抵抗を考えるとこの値より少し小さめ に出るかと思うのですが.

4月
地球の測量の話.
18世紀,英国とフランスの確執の話や測量の苦労は下記サイトなどに詳しい.
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/ES_CK_O1.html
http://wwwsoc.nii.ac.jp/geod-soc/web-text/part2/2-1/2-1.html

メートル原器の話は
http://www.shinko-keirin.co.jp/kori/science/ayumi/ayumi23.html
などを参考に.
英国はメートル法ではフランスに譲ったが,その後の経線の基準点はロンドンのグリニッジに置くなど,英仏の戦いはまだ続く.

(英語の得意な人は下記のサイトにもチャレンジしてみたら?)
To Ms.ファーン:  my recommeded web sites or resources convienient for your study are as follows,
http://www.pupress.princeton.edu/books/maor/chapter_5.pdf

最初に

3人の天才の話
 科学と社会,また科学と人間の間はなかなか興味深いものです.それを代表するような3人の天才を私が独断で選んで,紹介しました.私は特に最後の
Chris Langtonが大好きです.若いときに少々横道にそれても,また少々年を取ってからでもやる気さ えあれば願いが叶うということを身を持って示してくれている人の一人だと尊敬しています.

「無邪気な天才」:Albert Einstein 学校成績にはなじめず,私生活もそれほど恵まれたようには見えないが,学問の有り様を 根源から変えた天才.晩年は平和運動と力の統一理論に全精力を注ぎ,志なかばで倒れる.
「世あたりの天才」: John von Neumann 幼少より,驚くべき記憶力,計算力を発揮.軍事研究にも大活躍.学者らしから ぬ社交家.しかし悪魔的な天才も癌には勝てず,絶望のうちに死ぬ.Johnny von Neumann, who knew how to live so fully, did not know how to die.と下のサイトの伝記は結んでいる.
「遅咲きの天才」:Chris Langton ヒッピーをしたり,モンキーセンターで働いたりと自分探しの旅の人生もハングライダー事故 で一変.病院で学問に目覚めた遅咲きの青年は計算機科学,とりわけ「人工生命」の分野を打ち立てる.
3人については下記サイトが簡単でよくまとまっている.

(To Ms.ファーン: 
web pages of my favorite genius are as follows,)
http://www-groups.dcs.st-and.ac.uk/~history/Mathematicians/Einstein.html
http://www-groups.dcs.st-and.ac.uk/~history/Mathematicians/Von_Neumann.html
http://www.chienowa.co.jp/frame1/ijinden2/Chris_Langton.html
ラングトンについては,新潮文庫「複雑 系」がおすすめ.

またノイマンのようにハンガリーのブダペスト出身のユダヤ系物理学者(レオ・シラード,ユージン・ウィグナー,エドワード・テラー)が米国の原爆開発計画 「マンハッタン計画」に深く関与したことは有名です.マンハッタン計画については以下などを
http://www005.upp.so-net.ne.jp/yoshida_n/kairo19.htm

またノイマンに関する興味深い論考が下記にあります.
http://www.paprika-tsushin.hu/main/200312morita.html

同じくこれら原爆にかかわった天才たちを生んだハンガリーに関する興味深い記述が下記サイトにたくさんあります.
http://www.paprika-tsushin.hu/main/paprika_top.html


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