高校3年生用の授業参考ページ(授業での話をさらに深く知りたい人向けに作りました)  Last update on 07.June.2008
リンク先はネットで検索したサイトの情報です.一部私のサイトのものを含みます.

06/07(土)
地球温暖化論争について(追記)
当然,IPCC側というか気象学の専門家からの反論があるのでそれも合わせて読まないと科学的態度とは言えない.
ということで,気象学関係者の側からのIPCCレポート擁護の意見として良くまとめられているのが
東北大学の明日香さんのサイトの
http://www.cir.tohoku.ac.jp/~asuka/
内の
地球温暖化問題懐疑論へのコメントVer.2.31

です(下記JAMSTEC増田さんからの紹介).
それぞれ懐疑論者(下の丸山さんのような)からの意見に対する反論が大変理路整然と書かれてありま す.
これをきちんと読めば,現在の「地球温暖化問題」の科学上の論争のおおよその輪郭が掴めます.
(ただその中にも,例えばHenrik Svensmark(1998)の宇宙線と雲の相関論文
http://www.dsri.dk/%7Ehsv/prlresup2.pdf
そのまとめ
http://wxpaos09.colorado.edu/atoc7500/svensmark1.pdf
(さ らにこれに対するDAMONとLaut(2004)のコメント.
http://stephenschneider.stanford.edu/Publications/PDF_Papers/DamonLaut2004.pdf
とそれに対する
Svensmarkらの再反論
http://www.spacecenter.dk/research/sun-climate/Scientific%20work%20and%20publications/comment%20to%20EOS_28_Sept_04.pdf
など専門家の間では長い論争があります.これらを完全に理解するには気象学や天体物理学の専門家になるしかないのですが−−−.
(あと英語も読みこなせないとね!)

ただ,それらはさておき,私がこれらの論争を通して皆さんに学んでほしいと思っているのは,

科学の限界や科学って役に立たないという「科学懐疑論」に陥るのではなく,
科学はどのように自然を理解しようとしているのか?
つまり観測から仮説へ.そしてその実証へという過程を味わってほしいと思っています.
そして現在の科学のどこまでわかっているか,どこが解らないのかの区別を知ってほしいと思います.

また最近ではその仮説の実証によく,計算機によるモデル計算が使われています.
計算機万能だと思いがちですが,実はその計算には様々なモデル化の過程で,自然の様々なパラメータのうち
良く解っていない部分をある仮定の元に計算しがちです.
実はその仮定の部分でかなりの任意性(つまりどちらの結果でも自由に出せる)があるのも事実です.
そのあたりのよくわかりやすい解説を授業で折にふれ行っていたいと考えています.

05/29(木)
地球温暖化論争について
(IPCC vs 丸山茂徳)

2008年日本地球惑星科学連合大会
http://www.jpgu.org/meeting/

の中の丸山さんのセッション
J235 21世紀は温暖化なのか、寒冷化なのか?


丸山さんの主張(本田財団広報紙と富山大学での講演)
http://www.hondafoundation.jp/library/pdfs/hofrep116_j.pdf

http://www.nihonkaigaku.org/03f/i030809/maruyama/maruyama.html
宇宙線が雲量を増やすという図の出典
http://wxpaos09.colorado.edu/atoc7500/svensmark1.pdf

一方の京都議定書の元になったIPCCのレポート

IPCC第4次評価報告書(2007,最新のもの)について(環境省のサイト)
http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th_rep.html
統合報告書の概要

http://www.env.go.jp/earth/ipcc/4th/ar4syr.pdf
第1作業部会 報告書の概要 [PDF 2.98MB]




同じく気象庁のサイト
IPCC 第4次評価報告書第1作業部会報告書 技術要約(2008,確定訳)(PDF,6.58MB)
IPCC 第4次評価報告書第1作業部会報告書 概要及びよくある質問と回答(2007,確定訳)(PDF,2.40MB)


IPCCのサイト
http://www.ipcc.ch/

IPCCの簡単な説明
http://www.gispri.or.jp/kankyo/ipcc/ipccinfo.html


<気候変動全般について>

京都大学の増田富士雄さんによる気候変動についてのまとめ(PDF)
地質時代の気 候変動からみた現在


JAMSTECの増 田耕一 さんの気候変動に関する講義ノートなど.
http://www.jamstec.go.jp/frcgc/research/p2/masuda/ondanka/daiyonki_gakkai/index.html


広島大学の下記のサイトに関連事項の説明
http://home.hiroshima-u.ac.jp/er/Class/P04_11.html

環 境省の地球温暖化関連ページ
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/knowledge.html

地球温暖化防止京都会議(決裂寸前にUSAのゴア副大統領が京都に 乗り込んできて,一転決着した.しかしブッシュ政権はその議定書を反故にしている.)
http://www.env.go.jp/earth/cop3/


<関連資料>

IPCCというよりMann他への批判派(「ホッケースティックはない」とする批判)
Steven McIntyreToronto, Ontario. See also climateaudit.org, Steve's new web site.
Ross McKitrick


銀河からの宇宙線が太陽活動でトラップされる量が変動して,雲量が変化し,気候が変動する?ということを指摘する記事(PDF)
特 集:太陽 - 地球系の気候と天気

太陽は地球温暖化の主因ではないという反論
http://www.earthsky.org/radioshows/52334/sun-is-not-causing-earth-to-warm-says-expert

<GSAToday(アメリカ地質学会広報紙)での論争>
顕生代(古生代以降)の気候変動がCO2ではなく天体からの宇宙線の量に支配されるという論文(PDF)
Celestial driver of Phanerozoic climate? Nir J. Shaviv and Ján Veizer(2003)

それに対する「いややはりCO2だ」という反論(PDF)
CO2 as a primary driver of Phanerozoic climate Dana L. Royer, Robert A. Berner, Isabel P. Montañez, Neil J. Tabor, and David J. Beerling(2004)

星の質量,太陽の自転周期,宇宙論など

日本の太陽観測衛星「ようこう」のサイト
http://www.isas.jaxa.jp/home/solar/main.html
残念ながら「ようこう」は2004年4月に運用が終わり,2005年9月に大気圏に突入し燃え尽きたらしい.
http://slashdot.jp/science/article.pl?sid=05/09/14/1130257
下記にもその活躍が書かれている.
http://solar.nro.nao.ac.jp/solar-b/panf/aa-sa.html

<宇宙の距離測定に関する「距離のはしご」の話>
 http://www.u.phys.nagoya-u.ac.jp/asca_html/sz/distance_ladder.html
 http://ksgeo.kj.yamagata-u.ac.jp/~kazsan/class/chronology/distance.html

 http://www.astroarts.co.jp/news/2003/09/08ngc3370/index-j.shtml

<宇宙原理と人間原理>
まず人間原理を批判する立場
 http://nova.scitec.kobe-u.ac.jp/~matsuda/review/ningengenri.html
やや中間的な立場
 http://www.a.phys.nagoya-u.ac.jp/~taka/think/ningen.html
人間原理に共感する立場
 http://www-utap.phys.s.u-tokyo.ac.jp/~suto/myresearch/anthropic05.pdf


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