Norway渡航記 その7 ベルゲン観光. 2008.08/16 

 8月12日は火曜日,明日の出発までにノルウエイ第2の港町ベルゲンを 観光する.ハンザ同盟以来という歴史.港のブリッゲン (Bryggen) 地区の旧市街は世界遺産.2000年にはヨーロッパの文化首都とけっこう凄い町なのだ.また 気象学ではBergen学派として,低気圧モデルを確立するVilhelm Bjerknesと息子のJacob Bjerknesや氷晶 説のTor Bergeron(彼はスウェーデン生まれらしい)を生んだこの町は,それはそれは雨の多い,港町なのでした.
 昨夜遅くこの街に到着したときは,NoFood,NoBeer,NoTaxiで憮然としていましたが,この日1日この美しい街を旅したことで一切が水に 流されました.よい旅の締めくくりにふさわしいよい街でした.また心配していた天気も早朝は予想どおり雨でしたが次第にご機嫌がよくなり,午後はきれいに 晴れました.それではノルウエイの旅の締めくくりの報告です.

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美しすぎる.いくつか世界の町をみてきた私もこの町のようにどこでもが 絵になる町をあまり見たことがありません.それがこの町の第一印象です.
町の中心にある人工池.港町らしく,かもめが遊びに来ています.
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町を歩くと子供が多いのがわかります.オスロでも聞きましたが,ノルウ エイは先進国のなかで出生率がNo.1,つまり子育てがしやすい国なのです.確か教育面も先進的だったはず.
ちょっとメインストリートを逸れるとこのように石畳の坂が続きます.結 構道に迷ってその度にリュックに入れたGPSのごやっかいになりました.
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市内中心部の苔むした古い建物や
やや近代的な建物の隣にある
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ベルゲン美術館を訪れました.例によって朝,ベルゲンカードというのを 町の旅行案内書で買って,使用開始時刻をマジックで記入してもらいます.バスや美術館博物館はこれで全部廻れるそうです.明日は出発なので当然,期限は 24時間としました.
またまたムンクの部屋です.でも訪れる人はさすがに少なくごらんのとお り閑散としています.例によってフラッシュを使わなければ写真はOKなので,雰囲気をお伝えできます.
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ここにも相当数の作品が置かれてあります.
有名な作品をゆっくりと見れたのが良かった.
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ムンクの絵にまだまだ感激.
画集でしか知らなかった作品が次々と出てきます.
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もうひとつ隣にある近代的な美術館の本館の方も梯子.ノルウエイの画家 の歴史的な作品を網羅したコレクション,こちらにもムンクの作品が5点ほどありました.もう絵に酔って外にでると,人工池のほとりに港のシンボル,かもめ がゆっくりとひなたぼっこをしていました.
ちょっと港の方に出ようと,美しい街並みをぬけて
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世界遺産が控える港を目指します.真正面があとから登るケーブルカーが ある山です.
港の風景.手前がフィヨルド観光船.むこうがブリッケンの世界遺産地区 です.
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港の最奥部にある観光客目当ての屋台店.もう大勢の客で賑わっていま す.
いろんな観光みやげを売っています.後刻,このあたりの店でみやげにT シャツ(1枚2000円くらい)とキャビアのセット(約5000円)を買いました.
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それを尻目にとりあえず町の全景を見るために,昼飯も抜きでケーブルに 乗りました.これもベルゲンカードで切符をくれます.
もう観光客で展望台は一杯.ベルゲンの町が一望の下です.天気も少し晴 れてきました.
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様々な国から観光客は来ているようで,ケーブルが着くたび,ひっきりな しに降りてきます.
湾のむこうにさらに湾が見えます.地形は多数のフィヨルドの侵食により 大変複雑になっています.
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ケーブルの駅の屋根にちょっとおもしろい仕掛け.ケーブルが今どこにい るかを模型が動いて表示してます.これだと混んでいてもいらいらしないかも.
でも待つ人が列を作るケーブルで帰るのはあきらめて,登山コースという か遊歩道を降りること にしました.基盤の片麻岩がそこかしこに出ていて,
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鬱蒼として森を抜けてゆっくりとおります.
山頂近くには放し飼いのやぎ(Goatと言ってました).
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また雨が多いために苔が大変多いのにすぐ気づきました.
ごらんのように森は「大台ヶ原」のようなうっそうとしてコケに包まれて います.
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道ばたの片麻岩.山腹に家をたててもこの頑丈な基盤の上に立てるので安 全なのでしょうか?また地震や台風がこないのもこの国の発展にはプラスだったのでしょう.
羊歯類もごらんのように豊富.若い女性ランナーが1人で走っておりて行 きます.また登ってくる人にも出会います.
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帰り道から眺めるベルゲンの町もまた格別.
真ん中のレンガの屋根が並ぶのが世界遺産の風致地区です.
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古い片麻岩の拡大.
赤い花が印象的.これはノルウエイ各地に生えています.
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さらに片麻岩の褶曲.片麻岩を意味するgneissはてっきりノルウエ イ語起源かと思ってたら,Wikipediaではどうも英国の古語起源のようでがっかり. 巨大な石英脈.
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もうずいぶん降りてきました.ちょっと六甲山から港に降りてきたような 感覚
機関車型の観光バスが通りすぎていきます.ここまで山頂から小1時間も かからなかった.
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港の最北西端にある城のような館が見えたので,図の塔に上ろうと訪れた のですが −−.
sorryとは言われましたが「あと2分で閉まります.16時まで」と 民族衣装の女性の連れない返事.頼んで中の写真だけ撮らせてもらいました.
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石垣は大阪城のようにところどころに銃眼?が開いています.
ここでも地元産の片麻岩やら結晶片岩が大活躍.
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さてやっと有名な世界遺産の地域ブリッケン地区の顔を仰ぎます.有名な 表の顔とともに
その路地がまた風情があります.木々は古いものが使われていたりして, 京都の古い民家のようにうなぎの寝床のような長い建物.
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その路地のあちこちに急造の店が.ここは古本屋.
こちらはブティックでしょうか.
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奥の一角に広場があって観光客の団体とガイドが引きも切らず訪れては 去っていきます.
ここは土産物屋.
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こちらのビジターセンターで,ベルゲンの下の写真の街並みが書かれたエ コバッグを2つみやげに買いました.1個1000円くらいとこのあたりの土産としては安い方.
古い木造船を解体した木でしょうか.風情がある建物です.外国からの観 光客の姿が多い.今回は特にロシア人を多くみたような.
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さて風致地区を別の角度から.よく観光案内に載っているアングルです. この町を日本の長崎と比較する本もあります.
ところがよくみると柱が少し傾いていたりします.右で垂直に建つポール と比べてみてください.地震のないノルウエイならではの建物.しかし火事には弱く,何度も大火に見舞われ今の建物は結構最近に再建されているものらしい.
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下水管の蓋と石畳.
うちの愛犬に後ろ姿が似た犬がいたのでお願いして写真を撮らせてもらい ました.
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港の風景.どこかから聞き覚えのある音楽がきこえてきました.多様な肌 の色や衣装の人々が新しい北欧の文化を作っていくのでしょうか?
オスロでもやっていたフォルクローレ.違うバンドがこちらは結構有名な 曲ばかりを忠実に演奏をしています.ノルウエイにフォルクローレが似合う.これも今回の発見の一つ.
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さて,みやげを見ようと店にやってきました.これは昼食の食材を売る 店.パンにいろんな食材をはさんで売っていますが一番人気はサーモンやシュリンプ.ただ,これが結構高いので私はホテル近くのセブンイレブンでシュリンプ サンドを買いました.
こ ちらは私の顔をみるなり,こんにちは,まいど!と声をかけてきた店 員.いきなりオーサカ?と聞かれてそうだと答えると,I want to go to Osaka.と決まった返事.これこのあたりの店員の常套文句とあとでわかる.それでもここは1年に300日雨が降るとか色々話していい男だったので3種 類のキャビアの6個セットを250krで買いました.まあ少しまけてくれたのでいいでしょう.48時間は常温で大丈夫だと言ってましたが.念のためと保冷 バッグに入れてくれました.
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さて,どこをみても被写体になるこの街.こんなに観光地として隙のない 町は始めてのような.
もうどこまでもヨーロッパという風景のなかをホテルに歩いて帰りまし た.
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遠くに昼にケーブルで登った山が遠望できます.
さてホテルについて遅い夕食を取ろうとしましたが,なぜか部屋が明る い.晴れて西空の太陽がまぶしく部屋に射してしていますが,もう時刻は夜の8時.これでも6月にくらべるとだいぶ暗くなってきたそうです.
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このホテル,日本のネット上の斡旋業者のサイトから申し込んで1泊 16000円と物価高のこの国では安いほうなのですが,ネット接続OK無線LAN無料とあったのに,ネット接続ができずフロントに文句をいうと,サーバー がウイルスで3週間前からやられてダウンしているという話.おまけにごらんのTVは何かpayチャンネルしか出ず,まともに写るのは2つの地元局だけ.オ スロでみれたCNNも見れず.朝食時のbarではBBCニュースが写っていたのにというと,フロントも原因はこれもわからないと逃げる始末.すでにバウ チャーは日本で支払いを終えているので,文句を言って返金も交渉しにくくあきらめるしかなかったのが残念.
ベッドは細いシングルが2つあって,部屋を占領していて荷物を広げる空 間がなく仕方なく,ちょっとベッドを横に動かせて空間を作りました.あまりおすすめできるホテルではありません.ただ他はずいぶん高くなって1泊2万円ク ラスばかりとなります.外国からの旅行者にとっては物価高はいっときの日本と同じ状況なのでしょうか?
 この夕刻思い立って,郵便局で日本に別送する荷物の料金460krを支払い箱をもらって帰る.その箱に石や資料を詰め込む.ビールを買いにいったついで にスーパーの店内にあった郵便局で荷物の重さを測ってもらう.11.5kgと1.5kgオーバー.これをどうするかが明日朝までの課題.
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さてベルゲン最後というかノルウエイ最後の夜の夕食は,RIMIという ホテルの前のスーパーで買ってきた平均27krのビール2缶と,セブンイレブンで買った地元シュリンプをはさんだパン.これは46krだったか.ファース トフードでもしめて2000円を越す値段とも今日でお別れ.ついでに日本から持ち込んだナッツ類やドンベイまで考えたのですが,やはりドンベイは非常用に 置いておきました. 帰る日,朝のホテル窓からの風景.原油高で景気のいいノルウエイは今各 地でこのように工事の真っ最中.こうしてホテルや建物がどんどんできて,観光客をどんどん呼び込もうというのが市当局の狙いのようですが,さてどうでしょ うか?何といってもビールと食べ物の値段がもうちょっと何とかならないとなかなか人に勧められないのですが,街のたたずまいだけは今まで言った外国で一番 と太鼓判を押しておきます.
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ホテルのバッフェの朝食.Cavierと書いたチューブもあったのでみ やげに持って帰るとどうもたらこのようです.スクランブルエッグやシリアルがあったのが,オスロのKafeより高級はところか.
朝8時に郵便局が開いたので,さっそく荷物の計量.まだ500gオー バーだというので,少しタオルや袋を出して調整.よしOKと少しまけてくれたみたい.これでバゲッジは軽くなった.旅立つ朝も雨.歩道の敷石をちょっと撮 影.
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空港バスは片道80kr.ランナバウトを軽快に飛ばします.途中で誰か の重い荷物が2度床に転げ落ちました.
40 分くらいで到着したベルゲン国際空港.出発までまだ2時間半ほどあって少し早く着きすぎたか.Kafeで飲みたくないコーヒーを飲んでまつことしばし.よ うやくKLMの搭乗カウンタが表示されて,チェックインを指示された機械で行うが,最後の印刷の段階で出てこない.案内係に聞くとカウンタの方で済ませて くれといわれその指示にしたがう.恐れていた荷物の重さは19kgとぎりぎりセーフみたい.何せ最近原油高で重量オーバーに結構厳しいと聞いていたので一 件落着.フロントの兄ちゃんが搭乗券を印刷して渡すのを忘れていたので頂戴と催促.あやうく搭乗券をもらいそこねるところ.ごめんと謝っていたけど.
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1時間半で着いたスキポール空港で娘に頼まれていたノルウエイ産のサー モンをようやくゲット.10ユーロと意外と安い.もうkrは手持ちは小銭だけを残す状態に使い切った.
1時間あまりの乗り継ぎ時間でゆっくりと乗れたKLMのアムステルダム発はもう日本人で満員.どこもかしこも日本語で関空に帰ってきたような雰囲気.チキ ンorビーフはチキンをセレクト.10日ぶりのごはんに舌鼓を打ったのはいうまでもありません.
ロシア上空を飛行中.横はスペインに添乗員付きのツアーで参加されたご 夫婦.暖かいところで羨ましい.ベルゲン空港やスキポール空港の待ち時間にあまりよい土産がなかったので,ふと機内販売のカタログをみると,家人と娘に ぴったしのピエールカルダンのネックレス6本セットが35ユーロと格安.さっそく始まった機内販売のときにオランダ人のアテンダントにサンプルを見せてと 頼んで納得.カードで買いました.
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東行きの速度はやはり偏西風に乗って少し速いようで,1000kmを越 えています.飛行時間10時間半と言っていたような.
あまり眠らずに後ろのトイレの前に煩雑に行って屈伸とかしてました.隣 の夫婦にトイレに行ってもらう必要もあったので.日本海に入って,朝食が出ました.オムレツとたこ焼きの甘いようなのとヨーグルト.もう関空は目前.この 報告もここでお終いとします.


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