§.2011年東北地震と津波に関して  31.Mar.2011,13.Apr.2011

 日本列島付近では数千年に一度と考えられる今回の地震と津波について,高1生には直後に特別授業をしました.その際にお話した内容の参考文献やその後改 良した津波のシミュレーションを紹介します.(これに関して校外から,問い合わせをいただいてもすぐには返答できない場合があることをお断りしておきま す)

以前のバージョンは波高の下限を設けていて反射波の出方が不十分でしたので計算を修正しました(4月5日).

※ 下記の動画はavi形式なのですが,1280*960と大きいので,コーデック不足でWindows上で見れない場合があると指摘をうけました.この問題は検討中です.今しばらくお待ちください.

<津波シミュレーション>                         
 筆者は津波の専門家ではありませんが,10年来教材用の津波のシミュレーションを独学で手がけてきました.今回の東北の津波に関して,下記の要領で作成 した津波のシミュレーション動画を公開します.avi画像で約100M弱あります.(Tsunami simulation)
http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/yossi/2011_Tsunami/Tohoku2_v2s.avi
また,比較のために,水深がすべて1500mだったとしたら津波はどうなるのかを計算させた結果も示します.
http://www.tennoji-h.oku.ed.jp/tennoji/yossi/2011_Tsunami/Tohoku_fl8s.avi
浅い海岸や地形が津波を増幅させ,また複雑な挙動に変えているのがわかると思います.

計算に用いた津波の式は
http://www.diges.net/edu/e02.pdf
に載せた浅海長波近似のもっとも簡単なものです.津波の遡上や海底との摩擦は考慮していません.また計算はUbuntu10.10 64bitOSの上c言語の自作プログラムで計算しました.計算結果はPovrayでレンダリングし,ffmpegで動画に変換してあります.
水深データは岸本清行さん(産総研)作成の250m格子のものを用いました.計算に用いた格子は約3200×5200で,時間刻みは0.5秒,画像出力は10秒ごとにしています.

断層パラメータは,何人かの専門家の解析を参考に下記のように置きました(4月3日に修正しました).
断層長さ:500km 幅:120km
断層走向N18E 傾斜18度北落ち
断層ずれ20m
断層の上限の埋没深さ10km
としています.

古いバージョンの計算結果

<リンク link>
専門家による詳しい解析
・東京大学地震研究所広報アウトリーチ室の下記のサイトよりたどってください.
http://outreach.eri.u-tokyo.ac.jp/eqvolc/201103_tohoku/

・政府の地震調査推進本部による今回の地震の評価
http://www.jishin.go.jp/main/chousa/11mar_sanriku-oki2/index.htm
・同じく日本の地震活動(同上)
http://www.jishin.go.jp/main/p_koho05.htm
・同じく東北地方
http://www.jishin.go.jp/main/nihonjishin/2010/tohoku.pdf

過去に仙台平野周辺を襲ったとされる869年貞観地震,津波に関して
http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/Tohoku/no16.pdf
http://unit.aist.go.jp/actfault-eq/seika/h19seika/pdf/03.satake.pdf
http://web.bureau.tohoku.ac.jp/manabi/manabi16/mm16-45.html

など.


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