岩石表面標本製作レシピ 13th June.2021

教室で岩石を見せるのに,薄片を作るのは面倒くさい.しかし岩石組織をルーペなどでもう少し詳しく見せたいというときに参考になるレシピを作りました.
Slackの地学の部屋のある先生からのリクエストに答えて作りました.

切ったり,割ったりした岩石表面を接着剤で覆う方法です.接着剤は2液混合型(たとえばボンドE)がベストですが,今アクセサリ作りで流行っているUV硬化型レジンがまぜあわせも不要で,適当だと思います.Amazonで安く買えます.

UV硬化型接着剤を使う方法,および,サンプル箱をボール紙から作る方法は下記サイトをご覧ください.
http://seagull.stars.ne.jp/2019_Thin_Section/index_part5.html

さらにサンプル箱の3Dプリンタを用いた作り方は下記で紹介します(予定).
http://yossi-okamoto.net/Seagull_Factory/index.html



薄片にするチップや,岩石の小片のあまりを用意する.
UV硬化型接着剤を表面に爪楊枝で丁寧に塗る.塗ったあとしばらく時間を置くとなじんで表面がきれいになる.岩石を加熱させておいても良いと思う.


UV照射器や,太陽光線で紫外線をあてる.UV照射器だと何回か当てても,表面が柔らかい場合があるので,そのときは太陽の直射光線に1時間から数時間あてると完璧に硬化する.
表面が硬化したもの.切断面だけでなく,ふつうの表面もきれいに組織が見えるようになる.


幌満のかんらん岩の自然の表面(切断面ではない)がきれいに鉱物の粒が確認できるようになる.飴色の少し濃い部分が斜方輝石,エメラルドグリーンが単斜輝石.黒い筋がシンプレクタイト.基質が淡緑色がかんらん石.
タイの東部,チャンタブリの玄武岩に取り込まれた,かんらん岩のゼノリス.鉱物組成は左の幌満のものとほぼ同じ.

雲仙普賢岳のデーサイト.白い長石の斑晶の結晶形がきれいにみえる. やや表面に凹凸があるが,東赤石山のエクロジャイト.ガーネットと基質の鉱物(輝石と角閃石)の境界などがよくわかる.





これからも,もう少しサンプル写真を追加する予定です.


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