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とりあえず空港近くのレンタカー屋でハイエースを借りて,昼食.今回はカレーにしました.
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その後毎回訪れる新冠(にいかっぷ)の泥火山を公園で観て,様似町に移動します.
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公園からは泥火山の反対側に競走馬の牧場が遠望できる.
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ここで発見.おびただしい数のふきのとうの軍団.北海道は山菜の季節に早なっています.
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こちらは毎度おなじみの様似町役場前のかんらん岩の展示場.様々なかんらん岩と関連の石が展示されています.大学のH先生は初めてなので,とりわけ熱心に見ていました.
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紫色のシンプレクタイトの縞が明らかな典型的なレルゾライト.より始原的なマントル岩だと考えられています.
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巡検の参考論文にある,かんらん岩のダナイトへの分化がわかる貴重なサンプル.中央にかんらん石の巨晶がみえる.隕石の研究者Hさんもご満悦.
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こちらは地殻下部を構成すると考えられるグラニュライト.かんらん岩との間にモホ面があるはず.
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巡検コースにある,幾つかの地点も回ってみました.もちろん採集もハンマーも厳禁です.
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いつも来た5月,6月とはことなり,何か雪解けの川の水が多い気がする.
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これも何度も来た神社の赤い鳥居.
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その下にある,有名なかんらん岩の模式地.小型ボーリングでサンプルを抜かれた穴が多数あいている場所です.斜長石レルゾライトと呼ばれるもっとも始原的なかんらん岩が露出する場所.
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幌満川最大の重力式ダム.とりあえず巡検ルートはここまで,午後は河原を元の国道に戻ってえりも岬にでかけます.
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ダム湖の水が凍っていました.石を投げても割れないほど分厚い氷でした.遠くに日高山脈主峰の雪の峰々が遠望されます.
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ということで今回やはり訪ねたえりも岬.晴天なので風が強い.
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まだ寒いのでアザラシはいません.さらにそれを観る望遠鏡があった「風の館」は冬季休業中.駐車場から降りてきた観光客は寒さと風の強さに圧倒されていました.
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一同風の強さと寒さに,震えています.
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この岬は新生代中新世の砂岩と礫岩でできています.上のアザラシが住む岩は礫岩だと地質図Naviでは書かれています.この写真もその礫岩です.花崗岩礫などもあります.
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右に花崗岩礫.淘汰の悪い,あまり円磨が進んでいない礫の様子から,陸地からそれほど遠くない海底を想起します.
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そして地質図ではその下部にある砂岩とS君.両者の関係はよくわかりませんでした.S君はこのあと岬の灯台平原までの階段を走って上がっていきました.それを追いかけた私は当然ながら,途中で息が上がって余計に時間がかかりました8(泣),
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この日の宿はアポイ山荘.
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夕食は様似町のスーパーで買いだした巡検飯.今回はマグロの刺し身とサラダという奮発.
十得ナイフでマグロを切る.フルーツも.
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部屋はツインルームを贅沢にお一人さま仕様.ここでも旅行割が効力を発揮.
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朝食付きで,和洋がかわりばんこに付く.この日は和食バージョン.これがなかなかボリュームがある.
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さて翌朝,立派なかんらん石の巨晶の入った石碑があるビジターセンターに車を止めて,これからアポイ岳登山.まさかこの時期に雪のない登山ができるとは何たる幸運.
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Mさんに登山届けをだしてもらって,これから登山の開始.
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途中何箇所もある,休憩所を経るがこのあたりはまだゆるい傾斜の道.
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ようやく五合目避難小屋に到着.小屋の扉は開いていた.
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中は土間ではあるが,なかなかきれいに整備されている.
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小屋の前のかんらん岩を観る.この時単独行の登山者と出会う.冬山完全装備の人で,その装備を見て我々は頂上はあきらめ,雪がない馬の背までと判断する.
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ここから露岩の出る道の急登となる.巡検ガイドにある露頭を探そうとするが,解らずとりあえず馬の背まで先に上がることにする.
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かなりの急登をこなしてやっと馬の背に到着.頂上はすぐ右上に見えているが,ここより尾根道は雪が付くので,この日はここまでとする.
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さて巡検ガイドにある露頭を探しながら降りる.GPSの値はもうそろそろと慎重に探す.
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何度か行き来して,ようやく少しルートから外れたところに,巡検ガイドの写真と同じ露頭を発見!岩石を丹念に調べて,議論する.
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全体が風化していて,さらにハンマーも使えないので,侵食に強く出っ張った部分が,ガイドにある塩基性岩の層だと推定.やっと巡検ガイドの記載が実際の露頭とともに腑に落ちる.
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これで安心してルートを下り,避難小屋を経て宿舎に戻った.朝8時に宿舎を出て大体4時間半かけて馬の背往復.昼ご飯は宿舎で取れた.
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いつもの幌満川河口でサンプル拾いのあと,郵便局に持っていく荷物の重さの計量.スーツケースに巻いた帯と計量グッズで測定.中身は超塩基性岩なので重いこと極まりなし.
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宿では,露天風呂用の温泉ボイラーの取り替えとかで,業者が古いボイラーをト
ラックに積んでいた.実家が銭湯という美術教員のMさんが,説明してくれる.この宿も温泉なのだが泊り客より,温泉に入りに来る地元客の方がはるかに多い.最初駐車
場に着いたときに,こんな時期なのになんでこんなに車が多いのかと驚いたが,ほとんどが温泉の地元客だった.
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さらに夕刻エンルム岬を訪ねる.ちょうと夕暮れで素晴らしい風景.思えば最初の日こそ少し雨が降ったが,そのあとはごらんのような晴天続きで,とてもよい方に予想が外れる.
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陸繋島の典型的な景色を眺めながら長い階段を降りる.
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この日の夕食は巡検飯をやめて,宿の夕食にする.これは貝が入った丼.なかなか美味だった.
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こちらは翌朝の朝食.洋風のサンドイッチもなかなかボリュームがあって美味しい.ジュースとフルーツも付いている.コーヒーは自分で淹れたもの.
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さて巡検最終日.空港まで帰る途中に,三石の河原とむかわ博物館に立ち寄る予定.こちらは3年前まで動いていた線路が廃線の憂き目にあったもの.北海道経済の先行きが心配になる.
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さて,いつもの三石川の河原で,見事は陽起石のサンプルを2個ゲット.最初S君がみつけてその後私が大きいものを見つけた.各自それぞれサンプルを採集.もう岩石の荷物は昨夕郵便局で送ってしまったので,こちらは帰りのスーツケースの底にしまうことになった.
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結構な距離を山の方に入る,むかわ町立穂別博物館までの道ぞいには,まだ雪がかなり残っていた.道の方は完全に除雪されていて何の問題もなかった.
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ほどなく穂別博物館に到着.それほど特徴のない建物だが,中にはお宝が満載されていた.
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首
長竜とともに,この地を有名にした草食恐竜の復元全身骨格です.2003年に地元の人によりみつかり,それから紆余曲折の末,2019年に新種と確認され
たそうです.ここの地層は基本的にアンモナイトが見つかる海成層なので,陸生の恐竜が見つかるのはとても稀なことです.おそらく死んだ個体が,洪水で海に
流されたものだと考えられています. |
恐竜の展示もさることながら,驚かされたのはとても豊富な地元産のアンモナイトです.異常巻きのものを含め,本当にたくさんのコレクションが見れます.小さな博物館と侮れないマニアックな展示でした. |
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さて昨日夕方,札幌に到着しました.大通り公園そばのホテルに2泊します.昨夜はバスタブの栓が完全に閉まらず,風邪をひきそうになったので,フロントに言って,今日は部屋を替えてもらいました.フロントの人いわく今日は満室だそうです. |
さ
て初めて小樽運河クルーズに参加しました.時間待ちの行列で前の卒業旅行らしい女学生3人が,歓声を上げました.思わずスマホの画面を見せてもらいまし
た.WBC優勝の歴史的瞬間にここで立ち会えたのもなにかの縁.喜びをおすそ分けしてくれた学生達に感謝.くだんのクルーズは丁寧な説明付きで40分
1500円.まあ北海道クーポンの使い道としてはおすすめです.小樽の歴史が勉強になりました.赤い砂時計みたいなマークは渋沢栄一の会社の倉庫だとか.
小樽の海運の歴史を感じさせます.小樽の街の衰退に伴い,一時はこの運河を埋め立てることが議論されたとか.しかし保存されてよかった.上記写真をクリッ
クすると動画再生. |
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北大構内.卒業式の日になったらしい.雪が残るキャンパス.クラーク像の横で記念写真を撮る卒業生.
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初めて訪ねた,北大総合博物館でやはり見るのは,世界各地のかんらん岩のゼノリスの展示.たしか大阪岬町のものを見たようなので,さっそくこの春に行ってみようと思っている.以上で9日間にわたる私の北海道滞在記を終わります.
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函館から恵山に行く道路の途中にある道の駅「なとわえさん」のすぐ裏の砂浜の,
黒い砂の顕微鏡写真.採集後まったく洗わずにそのまま顕微鏡のステージにシャーレに入れた水と一緒に上げたもの.黒く不透明な磁鉄鉱のほかに,意外と自形
の輝石と追われる結晶が多い.まるで火山灰の中の輝石のようにきれいな形をしたものもある.鉱物の教材として使えそう.さらに偏光装置でみると,輝石も直
消光の斜方輝石(直方輝石)と斜消光の単斜輝石のに分かれるのが,よくわかります.
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鉱物組成が同じレルゾライト組成でも,上のサンプルのように基質が淡緑色,濃緑
色,黒緑色と多様な違いがあることがわかります.これについて新井田先生(北海道大学名誉教授)からコメントをいただきました.基質の色の違いは風化の程
度によるそうです.上の写真であれば淡緑色ほど風化が進んでいるとのこと.これで前からの疑問が氷解しました.教材にはむしろやや風化の進んだ左のものが
鉱物の種類の違いがわかってよいそうです.ちなみに基質がかんらん石,飴色の鉱物が斜方輝石.きれいな緑色の鉱物が単斜輝石(透輝石)だと思われます.こ
の単斜輝石の量を元に,その分量が多いレルゾライトと,少ないハルツバージャイトに分かれます.
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