簡易USB偏光顕微鏡(双眼実体顕微鏡)改良製作レシピ yossi.okamoto at mark gmail.com 2018年7月12日新装,2020年1月27日補遺.

§.「やや本格的なもの」の改良型

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改良点:クロスニコルとオープンニコルをすぐに変更できるように上方ニコル板を設置
下部白色LED透過光源の試行など.

下方ニコルまでは前回の「やや本格的なもの」のとおり.

今回は以前,USB顕微鏡の内部に入れていた上方ニコルを回転する板に貼り付けることにした.
以下製作の要点.

全景は以下のとおり.白いアクリル板とその架台が今回追加した部分. さらに,横から見た図は(下部に白色LEDによる照明装置を取り付けた)
あと,クローズアップ(直交ニコル) 下方ニコルのみ(オープンニコル,平行ニコルに相当)は,上方の板を横にずらすだけ.


研修の人数が最大20名なので20個製作するため,大きなアクリル板から切り出す.とりあえずケガキ.図面は元々アクリル板(端材)に書かれていたもの.約70mmの正方形が今回切り出す線.
線をアクリルカッターで両面に傷を入れてから,少し大きめなので,机の端でクランプを確実にして体重を掛けて折る.怪我に注意!クランプは真鍮角棒で板を挟んでいる.


正方形に切ったアクリル板に丸い孔(直径20mmくらい)をホールソー で開ける.小型フライス盤があると回転速度を落とせるので楽.しかし20人分(40個)に孔をあけるのは3日仕事になった.さらに端の4個の孔に次の回転 台を取り付けるための4mmネジ溝をタップで切る.
AliExpressで回転盤を購入する.本体は安いが送料がかかるの で大体500円程度.到着まで1ヶ月近くかかることがある.一応ボールベアリング構造で少しガタがあるが,教材として用いるには安く好都合.Amazon にある同種の回転盤はグリスも塗られていずガタが大きく不適格.


次にアクリル板にあけた孔に回転台を取り付けるが素人工作の悲しさでネ ジ穴と取り付け穴がずれたのをむりやりドリルで孔を大きくして調整.このあたりの苦労は作った人でないとわからない.どんな工作でも思いがけない難しさが 出てくるのは物作りの常.3DプリンタとNC旋盤だけで何でも作れると早合点する前に,こういう手作りの経験を積むのはとても大事だと思う.
さて長方形の方が台になる側.これに偏光板をテープで付けるが,アクリル板が透明なので無駄な透過光を遮断するために丸い孔をあけた黒い紙を貼る.


同じくAliExpressから買った4mmのナベネジで組み立てた所.裏側から見ている.これに上方ニコルを取り付けるアクリル板を支えて回転させるための支柱を厚さ5mmの板を2枚重ねて接着し,それをこの台に接着する.
白い上方ニコルを取り付けた板を手回しの頭がついたネジで止めると出来上がり.20数台ならんだ壮観.しかしこれも研修に参加された先生方全員にさし上げたので手元には数台しか残っていない.

USB顕微鏡の場合,下方に照明がないので,これを作る.また格納するために下駄を履かす必要がある.照明は白色LEDを使ったが,これがまた一苦労することになる.
日本橋で最初に買った”白色”LED.かなり色味が異なるのがわかる. 最初この右端の青色が強いものを使ったが,画像がとても青味が強くなりソフトでもホワイトバランスが修正できないことがわかった.それから左の黄色味を帯 びたもの(4000Kの色温度)を試すと今度は逆に赤みがかってしまう.その後各種LEDを試すことになる.
AliExpressからも大量の各種LEDを購入.テスト発光させたところ,6000Kという色温度がもっとも肉眼の感覚に近いこをがわかった.
AliExpressで購入したLEDは1Wタイプの強力型だが,背が低いので偏光ユニットの下に潜らせるのには適している.これで各種光源を試作.AliExpressのLEDは10個セットでも200円しない安いもの.日本橋価格の1/10で買える. 左の双眼実体顕微鏡の光源との比較.3個に絞り込んだLEDのうち6000Kと表示があったのもの(一番右下のもの)が一番色味が近いことがわかった.
最終的な光源の形と回路.背が低いのがわかる.半固定VRで光量を調整できる.電源は最終的にDC電源アダプタではなく,USBから直接5Vを取ることに落ち着いた.電源容量は十分過ぎる.
回路図と絶縁テープで回路部分を覆った光源.回路図を右に示す.1Wタイプであるが電流を制限してそれほど強くない光で光らせている.(2020年1月追記図の1WタイプのLEDの場合,この外部抵抗は10Ω程度まで下げることができるようです.そのときかなり光源は明るくなります.ただし電流計で1Wを超えないようにテストしながら試行してください.また通常のUSB電源は500mAが最大容量のようです.気をつけてください.またVRはこの場合100Ωを用います)


肝心の薄片画像は,次のページに特集しました(2019年1月27日)
http://seagull.stars.ne.jp/2019_Thin_Section/index.html

上方ニコルを入れたり出したりを素早く切り替えることで,屈折率の高いカンラン石,多色性のある角閃石などを見分けることができるはず.
(筆者は岩石学は素人なので何か間違いがあればご指摘ください)

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