2019年Mukdahan写真日記その1  2019年10月24日公開

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 今年からKVISでの仕事のあと,PCSHS Mukdahan(プリンセスチュラボンカレッジ ムクダハン校)での仕事が加わりました.

KVISとは異なり通常授業を担当するのではなく,生徒に特別授業をしたり,教員研修を行ったりという科学教育の支援をする目的です.
初めての年で最初はとまどうこともありましたが,とてもフレンドリーな生徒と先生方に囲まれてとても有意義な1ヶ月を過ごせました.来年度も来る予定です.

Facebookで公開しているPCSHS Mukdahanでの写真日記を少し編集して,こちらでも公開します.

まず,学校に行くまでの途中経過です.NRRUでのWSを終えた我々はMukdahanに向かう途中でコラート化石博物館に立ち寄りました.

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NRRUでのWSのあと,翌日息をつく暇もなく,大学内のホテルから,車で1時間ほどの珪化木博物館Khorat Fossil Museumに到着です.
見事な博物館の看板です.本当に美しい博物館でした.このあたりは中生代の珪化木や恐竜化石で有名な場所で,その化石標本が納められています.
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あたり一面にこのあたりで多産する珪化木が転がされてあります.昔はこれを売買するブラックマーケットがはびこっていたのを国が禁止して,以後保護に力を入れているそうです.
内部は一面珪化木の展示です.驚くほどの量があります.

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磨き上げられた結晶化した珪化木.
こちらは見事に磨いたもの.オパール化したものは磨くと見事な輝きになります.しかし時代は比較的新しく80万年前と言ってました.かなりの量の化石が過去にイリーガルに持ちだされたため,政府が保護を厳しくして守っているそうです.
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3館あって,こちらは象の館.
こちらは付帯する象の化石の展示をする博物館.琵琶湖博物館のK氏は琵琶湖博物館にも象の展示があると熱心に比べていました.
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この旅に同行していただいた,KVISの化学のT先生.いつも私の授業のビデオを撮っていただいたり,お世話になりっぱなしの先生です.北大農学研究科で生物化学の学位を取られています.NRRUの講座のタイ語への通訳も全部彼女にやっていただきました.
こちらはさらに隣にある恐竜を集めた展示館.こちらも十分独立して見れるだけの規模です.ー 場所: Ban Khok Kruat, Nakhon Ratchasima, Thailand
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外の展示.礫岩の中に珪化木が含まれているのがわかります.洪水の時に運ばれたものではないかと推定していますー 場所: Ban Khok Kruat, Nakhon Ratchasima, Thailand
さらに岩石園には見事なサンゴとか.
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これは外に置かれた巻貝の化石. フズリナとかが目白押し.とても半日では全部見れません.1日かけて生徒の授業に使いたい場所です.

ここでKVISに帰るKさん,Tさんと別れて,さらにPCSHSに紹介してくれたアドバイザのT先生と私を乗せた車はMukdahanに向けてひた走りました.

(FBの日記より)KVISを発って3日目.今日は新天地PCSHS Mukdahan校に向かう前に,1カ月滞在期限の延長という大人の事情のため,一旦陸路メコン川を渡ってラオス(地元はラオと呼ぶ)に出国し半日滞在し て戻ってきました.メコン川といえばフランシスコッポラの「地獄の黙示録」で出てくる下流部しか想像できない私も,初めて本物のメコンに出くわして感動で す(実は昨年チェンライ訪問時に上流部は一度見ているのですが,ラオスとの国境にあたる中流部は初めてです).ここ数日の熱低崩れの大雨を受けたメコン川 は水嵩も増し流速も速く,大陸の大河川の風貌が垣間見れました.そして出国と入国のハンコをパスポートに押してもらって,無事滞在期限が1カ月延長されま した.そのあと主目的の学校に訪問して先生方と挨拶.そして今回の訪問の目的の一つ,地震計の組立です.

それではまず1日だけのラオス滞在記を紹介します.

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ムクダハンへ向かう道すがらきれいな地層の出ている場所を通りすぎました.このあたりのコラート層群という中生代ジュラ紀から白亜紀にかけての地層です.ほぼ水平に重なっています.
付近には数日前からの洪水のあとが点々と残っています.
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とりあえず学校が確保してくれたアパートにたどり着きました.こぎれいな部屋で安心しました.冷蔵庫もあります.ここで長い車の旅の疲れを癒やすべく,1夜の睡眠を取ります.
さてあくる朝,迎えてくれた校長と朝食を食べます.着ているのは前にHS生徒の親御さんからいただいた王女立のプロジェクトのポロシャツです.

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さて早速1日旅に出発.タイ側で出国手続きの後,橋を渡ってラオス側に渡ります.陸路国境を越えるのは初めてか.広いメコン川の大きさがわかります.ラオス側はタイ側に比べるとインフラが大変貧弱なのですが,近年経済発展のおかげでずいぶんきれいになってきたそうです. ラオスに入った途端に,道路のインフラが悪く,洪水のあとが至る所に.これでもこのあたりは経済特区なのですが.
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しょぼふる雨季の雨の中ラオス側の古寺を訪ねました.同行したT先生は2300年前の建造といいうのですが本当でしょうか.
前の看板にWOMAN NOT ENTRANCEとあります.今時珍しいのでは?
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お布施を少しだけして,銅鑼を叩かせてもらいました.3回叩くとご利益があるそうです.ボワーーンと低い音で鳴ります. T先生が手首に紐を巻いてもらっています.私もまねるように言われました.
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ということでこんな風になりました.
しかしここにもPTTとJiffyがあって,
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Jiffyの中は写真はだめと言われたので外から撮ってます.
このJiffyで特売のラオスビールの3本セットを買いました.ラオスのKIPという通貨を手に入れるためです.1本35バーツくらいか.3本買うとごらんのコップがついてくるというので買いました.瓶はみやげに日本に持って帰ろうと思っています.ラオス紙幣を追加するのを忘れたので次回にご紹介します.
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昼食はメコン河に面したとてもよい場所にあるレストランですが客はわずか.情緒あふれる音楽が流れている. 洪水を起こしたほどの雨季の中でもありったけの水を集めたメコン河は中流とはいえ,凄い水量と速度で流れていきます.
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レストランから対岸のタイのムクダハン方面を見る.雄大なメコン河の壮大さがよくわかる.
もうこんな風景を見ながら昼ビールを飲める嬉しい経験は,そう何度もさせてはもらえなさそうです.涼しい風が吹いてとても熱帯とは思えない.気温は25℃くらいとスマホが表示しています.
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昼食後市場に行って少し買い物をしました.実は市場の隣の建物(モール)の2階には宝石とタイ人の好む金アクセサリの店がずらりと並んで,中央の階段の前で軍のような制服を着た警備員の兄ちゃんが使い古したようなAK47を横に置いていたので,写真を撮らせてもらえないかと聞いたのですが,このモールの規定で写真は撮れないそうでとても残念 とてものんびりした市場の風景.このラオス側の町スワンナゲートは首都ビエンチャンに次ぐラオス第2の規模で,タイからすぐに陸路で入れるところから,経済特区を作って外国資本を呼び込み経済発展の土台としようとしているところです.市場ものんびりしているもののとても活況です.
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果物はほとんどタイから持ってくるようです,したがってここでわざわざ買うよりタイの方が安いそうです. 簡単な食事の店もあります.ラオスの経済発展の速度を実感できるように思えました.
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さっきのAK47のモールの1階で,土産用に反物と小学校用の地元仕様のノートを買いました.反物は店の人のおすすめを選んで,600バーツを550バーツにしてもらいました.とても重厚なものです.こちらの女性のおしゃれはスカートの裾にこのような模様を入れるみたいです.ノートは1冊10バーツでした.ラオスではバーツで買い物ができてとれも便利です. ついでにこちらは昨日のコラート博物館で買ったリュックと王室のマークの入った帽子.
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1日旅の終わりにやっと学校に到着.お世話いただいている,KVISのT先生と,PCSHSMukdahanの先生方.左から2人目が校長先生で,PCSHS(プリンセスチュラボンサイエンスハイスクール12校)のまとめ役でもあります.初対面ですがとても歓迎していただきました.目の前のカメラみたいなのを避けるために少ししゃがんでいるので背が低く映っています.来ている青いポロシャツは先々週のHome School Students向けの特別講義のお礼として親の会からいただいたものです.王女の作られたファウンデーションみたな工場で作られたそうで,王女ゆかりの豚のロゴが胸についていて,これを着るとタイでは尊敬されるそうですが.さて. 使わせもらっている部屋はSTEM Roomと言って,3Dプリンタや各種ハイテク道具が目白押しです.中でもこれはKVISにも1台あった,アクリル板用のレーザーカッターです.これはCADソフトで正確なアクリル板の切断ができるので,使わせてもらえればとても有効なツールになります.日本の高校で導入しているのを見たことがありません.
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ちょっとぼけてしまいましたが,製作後の余った板です.これを利用して色々と物が作れそうです.
さて夜は,またまた今度はタイ側のメコン川沿いのレストランで,校長からWelcome Partyを開いてもらいました.とても雰囲気のよいきれいなレストランですね.
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レストランの2階席からはメコン川の夕暮れが見えました.昼過ぎに昼食を取ったレストランははるか前方の対岸にあります.メコン川の規模を実感できる場所です.今日は雨でこちらの気候としては涼しいのですが,すぐ下のエアコンの聞いた部屋でディナーとなりました.ー 場所: ร้านอาหารนัดพบริมโขง
しかし,せっかく送った地震計は途中の扱いがひどく,無事なものは水平動1
本だけ.もう1本はカバーはおろかバネも壊れていました.上下動はもっとひどくて,十字バネがすべて断裂.箱から
取り出すとごらんのありさま.これはちと修理に時間がかかりそうですが,その時間は十分ありそうです.ラッキーだったのは心配したコイルの断線はなさそうで,アクリル部分の破損を直せば使えそうです(追記,これ実は修理の途中で断線して結局巻き直すことに.のちほど記述).

さてこんな風に何とか無事に,目的の学校に到着.新しい生活が始まりました.その2に続く.


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