2019年Mukdahan写真日記その2  2019年10月24日公開

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さて学校の生活にも少しなれたころの様子です.

と りあえず前任校KVISの期末テストは作って英語のチェックに回してしまったので,少し手がすいて,今日の日記を書きます.こちらPCSHS(プリンセス チュラボン・サイエンスカレッジ)Mukdahan(ムクダハン校)が9月の新しい仕事場になります.PCSHSはタイ全土に12校あってそれぞれの地域 の科学教育の中核となるべく作られた6年制中学・高校です.全寮制であるところはKVISと同じですが,食費は個人負担のようです.クラス定員は24名, 中学が4クラス,高校が6クラスなので,高校から入学する生徒もかなりいます.またラオスなどからも生徒を取っています.さらにこの学校には英語に特化し た特別課程もあってこちらは結構授業料が高いそうです.今日宿に帰る車にはフィリピン人の数学の若い女性の先生が乗っていて少し話しました.もうタイに住 んで8年になるそうです.その特別クラス向けに数学を英語で教えているそうです.他にベトナム人などいずれも東南アジアからの外国人の先生が数人いるそう です.この学期は偶然欧米人の先生はいないそうですが,これも学期によって来るそうです.今日は一部の教室や学校の設備備品などを見せてもらったのです が,素晴らしい学校です.少しご紹介します.
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今まで訪れたPCSHS(プリンセスチュラボンサイエンスカレッジ)は3校目になります.2016年がTJ-SIFの付き添いでChonburi校,昨年がChaingRai校,そして今年がここですが,いずれもとても美しい校舎と広いキャンパスが特徴です.少し葉が散っているのは数年に一度というストームが昨週ここを襲ったからで,いたるところで枝が折れて,その作業の人が仕事が多すぎてなかなか片付けに手が回らないそうです 市内からやや離れた場所にあるので,生徒のためにATMも備わっています.私はここから車で20分ほどの市内に近い場所にアパートを借りています.毎日車で送り迎えしてもらってます.
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こちらは物理教室.天体望遠鏡が大小置かれています. ドブソニアンの40cmくらいでしょうか.ドブソニアンを置いているのは実用に徹したとても良い選択だと思いました.
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20cmでしょうか. こちらはMeade製の赤道儀です.
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教室はこんな感じ.24人定員なのでゆったりしています 授業中の教室を覗かせていただきました.M3(中学3年)の物理の授業です.
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かなり複雑な回路のオームの法則を使った抵抗計算です.中3にしてはかなりハイレベルだと思いました. こちらは高校物理の教科書と試験問題.
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コンデンサの回路ですが,積分計算で説明されています.ー 場所: จุฬาภรณราชวิทยาลัย มุกดาหาร
こちらはCRL回路で普通はあまり日本の高校では扱わないのはないかと思われます.
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私の作業場所にしてもらったSTEMRoomで3D震源地図を見ている校長先生とKVISのT先生.ー 場所: อาคารวิทยาศาสตร์และเทคโนโลยี รร.จุฬาภรณราชวิทยาลัย มุกดาหาร
地震計をこの学校で製作可能かと聞かれたので,どんな機械があるかと工場の教室に連れて行ってもらいました.古いですが,ちゃんと小型旋盤があります.もうなんかなんでもそろっているようです.
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こちらは小型フライス盤.少し整備をすれば十分使えそうです.
あとボール盤とバイスとベンチグラインダー.あと木材用の切断丸鋸とか,カービング装置まであります.
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さらに小型のアクリル板レーザーカッター.私のSTEM部屋にはもっと大型のものが置いてありますが
こちらは情報の部屋の工事中で,タイの国内情報オリンピックの会場として整備中だそうです.
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これはICTの部屋にあったB0判まで印刷できるエプソンの大型プリンタ.これで3D震源地図を印刷してWSでほかの学校にも配っていただけるそうです. こちらは授業の様子.M5(高2)の授業です.小型自走ロボットのソフトとハードを両面から作っています.
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右側がおなじみのArduinoIDE,左はC言語で制御用のコードを作っているところです.これ選択ではなく,高2の必修授業だそうです. 週3時間あるそうです.こちらははんだ付け.
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こちらはArduino駆動の小型自走ロボットの組立.これはキットを使っているそうです. こちらは輸送で色々と壊れてしまっているわが地震計です.さきほどの工場設備を使ってこれを量産して周囲の学校に配りたいと校長が意気込みを語ってくれました.その時は自分は手弁当で駆けつけるつもりですが.
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まず全部引き裂かれた板バネの作り直しです.わすかにこんなこともあろうかと持参したリン青銅版(0.1mm厚)に穴あけをするための治具をアクリル板で作っているところです.向こうの若い先生がじっと作業を見てくれていて,校長が全部作業を一から教えてもらえとハッパをかけておられました.学校の設備やら熱心な先生方のまなざしを見ているとタイの物づくりが,日本を追い越すのも時間の問題のようにも思えました.
やっと水平動2台が復活しました.しかしかなり長周期の揺れが観測されます.おそらく基盤がかなりやわらかいのだろうと想像されます.なんせメコン川と目と鼻の先ですから.それに今日はやや風があるので建物の揺れが混じっているのではないかと推定しています.あと左側の地震計のアクリルカバーは昨日私が休んでいる間に物理の先生がレーザーカッターで切り出して接着し作ってくれたものです.寸分たかわずぴたりと本体に合いました.ー 場所: อาคารวิทยาศาสตร์และเทคโนโลยี รร.จุฬาภรณราชวิทยาลัย มุกดาหาร
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というわけでタイに来てからやっと少し落ち着いて,地元のワインなどをたしなめるようになりました.これ地元産で200バーツ(約700円あまり).ワイングラスはこの前ラオスで買ったビール3本におまけてついてきたもの.ちゃんとBeerLaoと書いてあります.ー 場所: Mukdahan


Mukdahan滞在が1週間近くなりました.今朝もけたたましい鶏のコケコッコーの連唱で起こされました.これアパートすぐ隣の工場で犬と一緒に放し飼 いにされている鶏です.午前3時ころから鳴き始めます.日本だと確実に騒音公害で文句を言われるレベルです.まあそのうちなれてiPhoneの目覚ましが 必要となりますが.iPhoneといえば,私のこちらでのメイン携帯はHuaweiのP9liteなのですが,8月頭のタイに到着した時点で買った1カ月 有効のネットパックがすでに切れて,ローミングモードで毎日費用がかかっていたのに昨日気づき,あわててフライトモードにして下記のBigCのAISで, 英語のできる店員さんにさらに1カ月分の更新を頼みました.400バーツあまりでした.

 さて,私のアパートは郊外の学校からは車で20分ほど.市内にほど近いBigCという大型スーパーのすぐ裏にあって,買い物にはとても便利ですが,いか んせん市街地なのでKVISのようにのんびりとエクササイズ(歩き&ジョギング)が手軽にできないのが欠点です.小さな町ですが,スーパーはほかにタイで はおなじみのTESCO,さらにRobinsonという百貨店みたいな店も建っていますがまだここには行っていません.DIY用品もThaiWASADU などあと3店舗ほどあるそうです.昨日昼食時に話したフィリピンの先生によるとRobinsonは日本食材も売っているとか.それではこの1週間の写真を 備忘録として紹介します.


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学校のメインの建物ですが,この奥にまだ1棟とさらに別の建物もたくさん.右手には食堂とその奥に学生寮があります.敷地は平地の多いタイですからとても広くて,生物のある先生はいつも立ち乗りのセグウェイで移動しています. 私の作業場兼居室である,STEM(ScienceTechnologyEnginiaringMechanicsだったか)Roomです.いつも若い2人の先生が私の教材作成を手伝ってくれています.2人ともそれほど英語ができないのでやや意思疎通が難しいのが難.右手奥が大型レーザーカッター,左手奥に3Dプリンタが全部で4台あります.2台は稼働中でした.
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日本から3台SAL便で送った地震計です.大学の部屋が使えなくなって,教え子の姫路の高校でいっとき観測をしていたのですが,今回この学校に寄付することにしました.地震の少ないタイで外国の地震をとらえるのが主目的です.さらにKVISと2地点になったので観測の幅が広がると思ってます.ただ上下動は運送途中で激しく破損していて,コイル部分を修理しているところですが,結局この修理がわざわいして,最初断線していなかったコイルですがこのクランプの荒業でどうも内部で断線したようで,ちとやっかいな作り直しになりそうです. Cクランプの小さなのがなかったのでHomePro(日本のコーナンのようなDIY店)で買いましたがごらんのように日本の製品のようです.結構高かった.1個200バーツくらいだったか.
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破損した3台の地震計カバー.これは新しいものをすぐにたった1日で若い先生が作ってくれて,この破損したものは断層モデルの入れ物に再生されます.
http://www.yossi-okamoto.net/Fault_exp/index.html
若いW先生が,ちょいちょいと大型レーザーカッター用のCADソフトで設計をして,切ってくれます.
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まず位置決めから.W先生が無駄なく切り出すために材料の位置を最初に慎重に決めています.彼らはこういう作業はお手の物です.私は逆に手持ちのアクリルカッターで簡単に切れることや,穴あけの極意などを伝授しています.アナログのスーパーローテクは私の得意分野ですから.
切り出しはこんな感じでとてもきれいに切断されます.
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接着はアクリル専用接着剤です.こちらの先生に借りています.これ日本のアクリルサンデー接着剤が便利なのですが,飛行機には乗せれないので,こちらで今LAZADAで注文中です.
学食は多様なメニューがあって,私の大好きなフライドライスは卵焼きをトッピングして45バーツでした.
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こちらは差し入れをしていただいた,飲み物とケーキ.とても気を遣ってもらっています.
こちらが私のアパート.右端1Fが私の部屋です.GOOGLE地図ではまだ建っていないのでかなり新しいようです.校長の友人の先生がオーナーで退職後に建てたものだそうです.家族連れも入っていて,時々子供の泣き声が聞こえたりもします.
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昨日一度搬入されたとても古い洗濯機が,間違いとわかって撤去されました.これ古くて中も汚くさらに配線もされずにポンとテラスに置かれたのでどうしようかと思っていたものです. 今日新しいのが到着してセッティングまで業者がしてくれました.中古ですが結構きれいなものです.これで洗濯が自分でできます.
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さらに新品のmicrowaveを副校長がポンとプレゼントしてくれました.これでコーヒーメーカーで作ったコーヒーやら買い置きのピザやらが楽しめます.本当に気を遣ってもらっているのが痛いほどわかります.いつも書きますが「おもてなし」は決して日本の専売特許ではありません!ちなみにこの電子レンジはElectrolux社製で裏にはMade in PRCと書いてあります!どこか想像できますか?さらに部屋のエアコンと冷蔵庫は三菱電機製でした.TVはLGですがまだ見ていません.



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